【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、前よりも強く接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
***
その日の高野山は、桜が咲いていた。
清高稲荷大明神のお祭りが無事に行われたことを
高野山の空がねぎらってくれているような気がした。
8日のお祭りが過ぎてから、2週間ほど。
この日は『神結絵』の打ち合わせで、清高稲荷大明神のお参りに来た。
塗り直されて美しい朱の鳥居。
清高稲荷大明神の本殿からのエネルギーが
まっすぐこちらにまで届くようです。
本殿に参拝した後、社務所でお祭りのこととか話しながら、
『神結絵』のコンセプトのこととか改めて伝えたりして。
実際に清高稲荷大明神の印を押して頂いたり。
こうしてカタチになっていくのは嬉しいことです。
この清高稲荷社で
私が一番、清高稲荷大明神を感じられるのは、鎮守の森の中。
菊「ちょっと森に行ってきますねー」
そう言って、森の中に入らせて頂いた。
もうすっかり冬の景色になりつつある、高野山の鎮守の森。
菊「……清高稲荷大明神さま……」
清高稲荷大明神(以下:清)「お前が抱きしめたいのは誰?」
菊「私が抱きしめたいのは……」
清「それを抱きしめれば良いだけ」
菊「私が抱きしめたいのは、清高稲荷大明神さま」
清「じゃあそれでいい」
確かに水がなくて、いつもの小さな滝にもほとんど流れはなかった。
菊「ある意味、チャンスですね。行きます」
小さな滝が私の中では一つの結界で。
これまではそれを超えてこなかった。
でもお祭りを終えた今は、なんか超えてもいい気がして。
よいしょと小さな滝を超えて、森の奥に。
少し進んだだけでも見える景色は変化する。全てが自分の中では初めてで新しい。
菊「……すごい根っこですね。生きてるみたい」
小川沿いに上がっていくと、やっと水の流れが復活した。
菊「……水は見えないけど流れているんですね。よかった」
菊「……………」
変わっていくようで変わってはいない。
この小川のように。清高稲荷大明神の鎮守の森の小川のように。
私の興味(といえばいいのか)の表面上は変化したように見えるけど
でも
変わっていくようで変わってはいない。
そう……なんだ。絶対。
清「しびれるような日々と
眠るような日々」
菊「…………」
清「どちらも今のお菊には必要だな。
ちゃんと休め」
………清高稲荷大明神は優しいな。いつも。
ほんとなんか、しびれっぱなしの毎日が続いていて……
意識して休まないとガタがきそう💧
これから寒い冬が来るのに、そこには蕾。
清「花が咲くには、光も、大地も、水も必要。
様々な力を吸収すればいい」
はっきり言うと……えびす神に寄り添ってもいいということですか……
そんな風に思いながら、ちらりと清高稲荷大明神を見た。
清「いつもそばにいる」
菊「(照…… 清高稲荷大明神さま、大好き✨)」
清「(笑)……」
菊「あ。思ってること、バレました?(照)」
清高稲荷大明神は、とても穏やか。
浮気と思われんだろうか💧と気にしている私にも暖かな笑顔。
清「いつもそばにいる。
そしてお前を受け入れる。どこまでも。
信じろ」
見えない流れは音もない。
見えないどこかでただ流れている。
私はその流れが流れ続けていることを、ただ信じるだけ。
清高稲荷大明神とまったり話して、本殿に戻る。
そこに管理人さんファミリーの末っ子君が来て
「コンコンさん♡」と、眷属をなでなでした♡
菊「くは。癒される………♡」
眷属も嬉しそう。
だってこの子も、清高稲荷大明神の大切過ぎる "未来" だから。
たくさんの神の依頼を受けて成長する中で、清高稲荷大明神の神威も上げていけばいい。
菊「私、何を疑って勝手に心配していたのでしょうか。
全力で行きます。だってMy神様は清高稲荷大明神さまですから✨」
などと宣言しつつ
【菊とえびす】になりそう💧……とか時々書いて進むのです。きっと。笑。
《続く》