【実話】古代の遺物が失われた

今回は私の実家の地方の出来事を記録しておこうと思います。

私の実家は地方で、山に囲まれたとても自然豊かなところです。
そこはなんと、縄文人の住居が見つかるなど、古代の貴重な遺物がたくさんあります。

縄文というと、青森のこういう土偶を思い出しますね。

（ウィキペディアより）

実は、以下のようなことがあったのです。

もう30年以上以前、中学校の時のことです。
社会科の先生（他県から来た方だったような）が次のようなことを話していたのを記憶しています。
・この土地は本当に貴重なものがたくさん埋まっていて、世界的に保護すべきだ
・それを開発で壊したり潰したりするなんてとんでもない
・この市の人たち（市役所、学者も含めて）はどれほど大変なことをしているかわかっていない

そうです。
実は当時、山肌は畑が広がっていて、そこでは子供でも簡単に土器や矢じりなどを掘り出すことができたのです。
黒曜石なんかは簡単で、私も畑を手で掘っていくつも見つけたのを持っていました。（現在はもう友達にあげたりして紛失。残念！）

また、少し離れた所に住んでいる、私の母の同級生さんのお宅の裏山でも土器が簡単に見つかり、お子さん（私とほぼ同年代）もいくつも持っていました。
あまりにも簡単に土器が手に入っていたのです。
ここに悲劇がありました。
専門チームではなく、ただの小中学生が素手で掘ったくらいで見つかったるほど、「当たり前で価値の感じないもの」だったのです。

もちろん行政（つまり大人）も研究者もその価値をわかっていませんでした。
山肌をどんどん削って均し、開発して住宅を建てました。

私たちは中学生だったのですが、社会の先生が古代の遺物が失われる危険性を話しても、「大げさだなあ」と感じていました。
たしか、「先生、そんなもの簡単に手に入りますよ。たいして価値がありませんよ」とまtt飼う真剣みがなく話したのを覚えています。
すると先生は「そう！それが問題なんだよな！」と、つまり二度と手に入らないよう失われてしまう事を指摘していました。

結局、縄文の遺物は失われました。
今となっては本当に惜しい事をしたものですが、おそらくそれを覚えている者（私を含め）もいずれは消えてしまうでしょう。

悠久の古代すら大切に思う日本人の心を、現実的に発揮したいものですね。