新リーダー陣に迫る!② | ROKKO RUGBYFOOTBALL CLUB OFFICIALBLOG

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エイキの決意



 昨年度の六甲主将・岡田栄輝は1月からずっと石川県にいる。

 1月1日に発生した能登半島地震で傷ついた被災地を回り、仮設住宅の風呂・水回り設置工事の仕事をしている。


現地に入り、ニュースで見るより深刻な被災状況を目の当たりして、仕事への取組みも、より真剣になった。

 当初は自分たちの泊まる場所の設置、食事、トイレなど大変なこともあったが、

 「被災された方々のことを考えれば、なんでもないですよ。お風呂を作らせてもらったりすることが、少しでも復興や被災された方々のためになるなら…」


震災から3カ月を過ぎてもまだまだ深い被災地で働いていると、改めて普通に生活することの尊さを痛感する。



 昨シーズンは波瀾万丈のシーズンだった。1月の主将就任から順風かと思われたが、4月から仕事で東京中心の生活となった。

 なかなか関西に帰る回数は少なくなったが、仲間からのカンパもあって、試合日に深夜バスで帰阪するなどのシーズンを送った。



 「今でも全国初戦の悔しさが残って仕方ありません。なんであんな前半にしちゃったんだろうと…。本当に仲間やサポートしてくれた皆さんに申し訳ないです」

 決して身体が大きくない分、一つ一つのプレーに喜怒哀楽を激しくぶつけてきた。敗れた瞬間、呆然となりしばらく放心状態になった。

 試合が終わり、最後のミーティングで、

『週末の飲み会でひとつの思い出を取るか、全国大会で勝った時の達成感を取るか、どっちが良い?」

 というチームディレクターの谷の言葉が突き刺さった。


思い返すフシは多々あった。「日本一に対しての姿勢や努力が全然自分自身に足りていなかったと痛感しました」。

 それでもアタックの戦術としては大いに収穫を感じたシーズンであった。これをベースに来年も主将を…と思ったはずだ。

 だが現在の関東を主とする仕事の状況もふまえ、何がチームにとってプラスになるのか考えた。そして今季はFWリーダーとしてチームに貢献することを決意した。


 「主将としての昨年、色々と成長させてもらいました。この経験と反省を生かして、安キャプテンをサポートしながら、全国に通用するチームを作っていきたいです」。

 ピッチの上では野性的に極限までプレーにこだわる。

 今、被災地で働くエイキの毎日の経験がプレーにも、そして人間的にも大きく成長させるのは間違いないだろう。

(三宮清純)