誇りと責任感
キックオフ早々の2分だった。
ゴール前ラインアウトからヒガシクラブは思い切り右に展開。六甲のデフェンスが揃わない間に、ポスト真下に先制トライを奪われてしまった。
近畿リーグ第2戦の相手はヒガシクラブ。国スポ・和歌山代表メンバーが多く在籍しており、先週は千里馬クラブに20‐34と接戦を演じている。六甲も芦屋戦のアップを見ながら試合ぶりをうかがい、「昨年96-7で大勝した時とは全く違ったチーム」になっていることを認識していたはずだった。
一方の六甲は開幕戦から10人ほど入れ替わったメンバー構成。
「上手くいかない場面は必ずあるけど、俺たちがチャレンジするつもりで頑張ろう。メンバーは選ばれた誇りと責任を果たしてください」(安主将)
BKに自信があるヒガシクラブ。天理大時代はAチームの司令塔だったSO福本から、ワイドに左右から仕掛けてくる。FWも元マツダのLO左手がパワフルな突破で再三見せて、六甲は一時防戦一方になる。
それでも10分、CTB川内が左中間に飛び込んでトライを返すと、続く14分にはラインアウトからモールを押し込みトライ。12対7と逆転に成功するが、ヒガシクラブのワイドなアタックにほんろうされる場面が続いた。
途中のウオーターブレイクで修正点を確認する。「アタックやられてるのはFWが走れてないから。特に一列、もっと走らないと!」安主将がゲキを飛ばす。
25分には再び川内がトライ。29分にはSO安藤が相手防御の裏にキックで転がし、上がって来たWTB朴がタッチダウン。このあたりから六甲が落ち着きを取り戻してきた。
36分に下村がパスと見せかけ、デフェンスを抜いてトライ。33-7と六甲ペースになりかけていたが、前半終了間際にターンオーバーからヒガシが逆襲。スピードあふれるアタックに六甲はたまらずインテンショナル・ノックフォワード。一人がシンビンで一時退場となる。直後にトライ&ゴールを返され33‐14での折り返しとなった。
やや重苦しい雰囲気の中でのハーフタイム。
「(後半8分30秒で)15人に戻るまで、全員で走ってカバーして守りきる。全員で粘ろう!」(安主将)
ヒガシクラブの強みを消すために、六甲はスクラムなどでプレッシャーをかけていく。BKもCTB亀谷の突進などでしっかり身体を当てて前進。相手に攻撃する時間を与えない。6分過ぎにCTB川内がトライ。14人の時間帯に貴重な追加点を挙げたことで、六甲に勢いがよみがえってきた。
後半途中から六甲はメンバーを入れ替えフレッシュな戦力を投入していく。4年目で近畿リーグ初出場となったメンバーや数年ぶりに復活したメンバーも限られた時間の中で激しい動きをみせ、ヒガシのFWの足を止めさせた。
先制トライを奪われ一時はどうなることかと思われたが、最後はFL岡田が母校のピッチに飛び込みチーム10個目のトライ。64-21でのノーサイドとなった。
「開幕戦とメンバーがかなり違う中で、上手くいかない場面もあったが、交代して入ったメンバーもいい動きをしてくれてナイスゲームでした!」と安キャプテンはメンバーをねぎらった後、
「ただトライを取られた場面、相手のアタックにやられた場面は修正する必要がある。これからもっと強い相手との試合が続く。この1カ月でもっともっと強くならなくては」と先を見据えた。
点差ほどの大勝感はなかった。それだけヒガシクラブのアタックが素晴らしかった。だが、難敵に勝利した後の高揚感、達成感は何よりも楽しく、チームの成熟度が上がっていく。
開幕2連戦を連勝、勝ち点「10」として好スタートを切った。次の交野クラブ戦まで約4週間。まだまだ自分のプレーに満足できないメンバーもいるだろう。互いに競い合い高めあって少しでも上積みをしていきたい。
六甲ファイテイングブル。
今はただ走り抜けるのだー。
(三宮清純)





























































