バイオガソリンは地球温暖化防止の切り札か? | 路上文化遺産と消火栓

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町を路上観察すると路上や木造建築物に、昭和レトロを感じます。
マンホールの蓋や、ホーロー看板、木製牛乳箱などが見つかります。
ここでは、路上文化遺産と消火栓・防火水槽を取り上げます。

みなさん、こんばんは。

 

定期的に「馬明の中国株で資産大膨張」をご覧いただきまして、大変有り難うございます。

 

最近、バイオガソリンが二酸化炭素を排出しない地球温暖化防止として、脚光を浴びています。

 

果たして、バイオガソリンが地球温暖化防止の切り札になるかを話題に、取り上げました。

 

私見を述べれば、バイオガソリンは地球温暖化防止の切り札になるとは疑問です。
このことは、後段で説明します。

 

1 バイオガソリンの種類
  バイオガソリンには世界で2種類の方式があります。
(1) 米国&ブラジル方式:バイオエタノール直接混合ガソリン 
  中国やインドもこの方式を採用しています。
   ⇒ 農水省・経産省・環境省を中心に全国6か所で実証実験中

 

(2) EUの併用方式
①バイオエタノール直接混合ガソリン

 

②バイオエタノールとイソブテンから合成したETBE間接混合ガソリン 
   ⇒ 日本では「バイオガソリン(バイオETBE配合)」を、今月27日午前から、首都圏の石油元売り系列50か所のガソリンスタンドバイオガソリン取扱い給油所一覧(東京15、神奈川15、埼玉11、千葉9)で販売(流通実証事業)を開始しています。
バイオガソリン販売ガソリンスタンドを、2008年度に100か所、2009年度には1,000か所に増やす計画です。

 

(3) 混合比率
・ ガソリンに3%バイオエタノールを直接混合
・ ガソリンに7%ETBEを間接混合 

 

2 日本のバイオガソリンはどの方式か?
(1) 2つの方式が並存している 
① E3方式   ガソリンにバイオエタノールを3%直接混合:環境省が推進 
② ETBE方式 ガソリンにETBEを7%間接混合:石油連盟が推進 
 ⇒ EU方式の一つ
  現在、このように2つの方式があり、
 ⇒ ETBEの合成
・ トウモロコシやサトウキビなどデンプン質作物から製造したバイオエタノールとイソブテンとで、ETBE((エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)を合成する
 今回は、ETBEをフランスから輸入したが、国産化する方針


 

今回は、2番目のETBE方式を採用した、石油連盟傘下のバイオガソリン販売ガソリンスタンドでの販売風景を見てきました。 

 

バイオガソリンはレギュラーガソリンで、1リッター当たり129円で販売されていました。
下記の写真のとおり、バイオガソリン取扱いガソリンスタンドでは、バイオガソリンの大きな幟が、よく目立ちます。
イメージ 1

やはりレギュラーガソリンを求めるドライバーが多いようでした。
イメージ 2

結論から言えば、バイオガソリンが地球温暖化防止の切り札になるかは疑問
⇒ このことに関して、5月1日付け記事「バイオ燃料 何のために使うかを忘れずに」 読売新聞の社説の見解は、私と同じような考え方であり、支持できる内容でした、 

 

疑問となる大きな理由
① バイオエタノールが本当に二酸化炭素の削減に有効なのか
  バイオエタノールは二酸化炭素を吸収して育つ植物が原料のため、使っても二酸化炭素の排出がゼロと考えられている。この考え方からすれば、バイオエタノールの使用は、二酸化炭素の削減に有効といえそうだ。

 

確かに、大地にトウモロコシの種を人力で撒いて、エネルギーをかけずに自然の力のみで成長するものであれば、この理屈も成り立つだろう。
しかし、現実には、トウモロコシの生育過程で多様なエネルギーを消費している。

 

⇒ トウモロコシやサトウキビなど穀物の生育過程で、
  水、肥料、農耕機具、車など必要な資材の生産には多くのエネルギーが使われている。

 

  さらに、バイオエタノールの製造過程や廃棄処分においてもエネルギーが消費されている。
⇒ 原料の収穫、粉砕、発酵、アルコール分離、輸送廃棄物の処分、など

 

これらのエネルギー消費をみると、トウモロコシの生育過程や、バイオエタノールの製造過程や廃棄物の処分などで相当量のエネルギー消費があり、バイオエタノール神話に陰りがでていると言わざるおえない。

 

みなさん、バイオガソリンは地球温暖化防止の切り札と思いますか?