アジアの経済成長により、需要が逼迫するレアメタル | 路上文化遺産と消火栓

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マンホールの蓋や、ホーロー看板、木製牛乳箱などが見つかります。
ここでは、路上文化遺産と消火栓・防火水槽を取り上げます。

『アジアでの経済成長により、需要が逼迫するレアメタル』

 

みなさん、こんばんは。

 

日本経済新聞2007年4月11日付け朝刊の経済教室で、東京大学名誉教授 月尾嘉男氏がレアメタルについて、資源安全保障体制を構築する観点から、解説がされています。

 

私はこの記事を読んで、日本が資源を確保する国家戦略は、中国に比べて非常に脆弱なことと、有限なレアメタルの安定供給へ向けて、リサイクル技術の推進と備蓄制度の重要性が、改めて再認識をしました。

 

資源安全保障 戦略を探る(上)の概要は下記のとおりで、若干加筆もしています。

 

1 レアメタル
  レアメタル(希少金属と希土類)を合わせた31種類の元素総称で、代表はタングステン、モリブデン、ニッケル、マンガン、コバルト、チタンなどです。
  レアメタルは「産業のビタミン」といわれ、先端産業分野では必須の素材といわれている。
→ ・ タングステン(融点3400℃と高い)は鋼板加工に必要な超硬工具の主原料
   ・ 携帯電話は希少金属の塊

 

2 レアメタルが遭遇する大きな不安
① 資源の枯渇問題
  金鉱石15年、銀鉱石20年、銅鉱石31年、ニッケル46年と大半は100年以内に枯渇する。 
② 価格の高騰
  価格が投機に左右されやすい
  レアメタルの埋蔵量が国に偏在しており、供給寡占が大きなリスク
 → ニッケルやウラン鉱石は、過去一年で約3倍に高騰
③ 需要の急増
  アジアの人口増加が著しく、2030年には世界の人口の半分を占める。
  とりわけ、中国は現在でも世界の野菜の48%、豚肉の47%、水産物の33%、穀物の22%を中国一国で消費している。
  このように今でも中国の消費は、人口比率を大幅に上回っている。

 

3 不安な未来への対応
① 備蓄戦略
 → 日本ではニッケルをはじめ7種類に関し、80年代に国と民間で60日分を目標に備蓄が行われている。

 

② 外交努力で資源確保
 → 中国はアフリカへの国家主席の歴訪と経済援助などで石油資源確保するなど戦略にたけている。
   一方、日本の資源確保戦略は出遅れ、民間企業に依存気味で、シベリアでの石油と天然ガスの開発プロジェクトの「サハリン1」と「サハリン2」計画はロシアに翻弄されている。

 

③ 新しい資源の開発
 → メタンハイドレードやマンガン団塊、コバルトクラスとなど利用されなかった海洋資源の開発

 

④ 無駄の削減 
 → 日本では、食糧の2000万トンが加工・流通・消費の過程で廃棄処分されている。
   世界は飢餓対策に食糧を1500万トン援助している。これを単純に比較しても、日本では食糧の無駄が極めて多く、無駄を削減することの重要性がわかる。

 

月尾嘉男氏は終わりにあたり、日本のもつ技術力の総動員することにより、生活水準を維持しながら資源やエネルギーを節約する社会へ方向転換する戦略の立案を目指すべきだと問題提起をしている。

 

現在、日本ではレアメタルについて、リサイクル技術の確立を目指して、民間などを中心にして鋭意研究が行われています。
このようなレアメタル資源について、独立行政法人 物質・材料研究機構がレアメタル資源の将来消費予測を実施し、消費量が2050年までに現有埋蔵量の数倍を超えてしまう金属が多数あることを下記のとおり、発表しています。
イメージ 1
 
レアメタルを中国株投資する際の素材として考えてみると、該当する銘柄では、湖南有色金属(2626)、中国稀土(0769)、利記(0637)あたりが候補に挙がります。

 

みなさん、レアメタルでの中国株投資をどのようにお考えですか?

 

※ 株式投資は自己責任です。