暑いと作業効率も悪くなります。特に汗をかくと、時計の金属に指で触ると跡が残るので、機械の扱いがより慎重になります。
ドイツの時計がひと段落したと思ったら、ジャンクのテレビ型のバレリーナが踊るオルゴール時計がやってきました。
ドイツのリンデン社製です。
輸送で、部品が外れているし、テレビの脚の一本は、購入時に既にありません。
早速、分解してみると、時計の方はあまりダメージはなく、テンプもちゃんと動くようです。
しかし、問題は、バレリーナの稼働が、部品が欠落して全くダメです。
少なくとも、回っていたとは思うんですが、それらしい部品は真鍮製のプーリーが一つあるだけです。他は外されてありません。
オルゴールは、スイス製のものがついています。GUISSAZ-JACCARDと書いています。調べるとゲイシャ-ジャカール社は、リージュ社より150年も古いスイスの老舗のようです。
ゼンマイを巻くと、空回して巻けません。
ゼンマイ切れかと開けてみると、ゼンマイは切れていません。
中央の爪が滑っているのかと、詰めて元に戻すと、原因はシリンダーがグラグラで、歯車が噛まずに浮いているため滑って巻けないようです。
今回はオルゴールの全分解からです。
分解すると原因が分かりました。
シリンダーの片方の受け金具が逆につけられていました。戻した写真が下の状態。
逆だとシリンダー側に頭が出ずに、隙間ができてシリンダーを押さえられずに、グラグラしてうまく回らなかったようです。
入れ替えて、幅の調整をして組み上げました。
曲名は、なんか聞き覚えがあるようですが、名前が出てきません。
オルゴールはなんとか戻しましたが、テレビの脚とバレリーナの駆動の問題が残っています。
バレリーナの動きは、ただ回転するだけなのか、逆回転したのか、どういう部品で動かすか不明で、細かい資料もなく、手探りの状態です。
今後、部品を揃えながら、試行錯誤してみたいと思います。
この他、スイス製の縦5cm位のミニサイズのスイス時計を入手したんですが、こちらも脚が一つないジャンク品。
スイスのLOOPING社のミニ時計ですが、15石で8DAYという、高級品で、側には、手書きのバラの絵があります。
こちらも、時計としては、精度の高い良いもので、誤差のないいい状態ですが、惜しい事に、脚が一つないため立てる事も出来ない。
強度から、真鍮から削り出す他はなさそうという事で、真鍮棒を曲げて、リューターで根気強く削りました。この太さの真鍮をいい角度に曲げるのが大変でした。
ヤスリの番手を上げて行き、最後は金属磨きで仕上げました。真鍮棒の太さの関係で先が心持ち小さいですが、ビス穴を開けて付けてみました。
天の真鍮の輪もありませんでしたので、こちらも厚みの少し細い真鍮棒を曲げて作りました。