【江川が監督になれない本当の理由】
〈巨人軍で唯一、途中解任された中島治康監督〉

(画像はネットから借用)
プロ野球・巨人軍に監督交代の噂が出てきた。真相は不明ながらとにかく成績が悪い。常勝軍団はどこへやら。今年もスタートダッシュに失敗し早くも最下位争いの真っ只中にある。これでは『爽やか、若大将』どころではない。度重なるスキャンダルもあって集客も落ちるばかり。やはり監督の引責は避けられないのではなかろうか。その場合、次は誰に・・。
〈第二戦/4月12日〉
〘長年、巨人阪神戦はドル箱だった。チケットはプラチナ化し滅多に取れない。それがどうだ。対阪神の開幕戦ですらこの体たらくである。4万6千人収容なのに3万9千人しか入らないのだ。次戦は更に少ない。空席ばかりが目立つスタンド。プロ野球活況の時代にあって何が問題なのだろうか〙
そもそも巨人は外様を許さない。現役時代の成績のみを重視し管理能力は二の次である。結果、歴代の四番やエースだけを監督に据え、戦力に反した低迷を招いている。もうひとつある。知られざる不文律(監督の条件)を忘れてはならない。
巨人軍への入団には2つのパターンがある。1つは他球団には目もくれず“巨人だけ”を追い求める初志貫徹型。もう1つは、特定の球団と相思相愛だったものの、巨人軍の札束攻勢と異例の好条件によって翻意させられるケースだ。ドラフト制度以降は、さすがに少なくなったとはいえ、その残像は監督選びに垣間見ることができる。
前者の代表例は江川であり、現役なら長野と菅野だ。江川は阪急の指名を拒否して法大へ進学。その後、クラウンライターの指名を受けるも再び拒否して、あの空白の1日へと繋がってゆく。ロッテの指名を拒否した長野に、日ハムの指名を拒否した菅野も同じだ。
後者は枚挙にいとまがない。だが、最も有名なのは長嶋茂雄ではないか。彼は立教大学時代から南海ホークス入りを熱望していた。巨人軍は、あの手この手を尽くして入団に至らしめた。その作戦たるやなんだったのか。
最近では前監督の高橋であろう。高橋は学生時代からヤクルトの熱烈なファンであることから入団は確実と思われていた。しかし現実は厳しいもの。家業(不動産業)の倒産が人生を一変させる。60億円を超えたとされる負債の肩代わりを読売サイドが申し出たのだ。加えて更なる好条件を提示したとも言われる。
翻意ではないが現監督の原だって似たようなものだ。何せ父親はあの原貢である。かつて日ハムは巨人志望の菅野を強行指名した。ドラフトの指名は秘匿を原則とする。いわば建設業界の入札に近いといえよう。それを、「前以て俺に何の挨拶もないのはおかしい」と、おかんむりだったという。ならば「貢」だけに、息子・原辰徳の入団に際しても、どれだけの貢ぎ物(札束と約束手形)を受け取っていたことか。
この場合、約束手形とはいえ金券だけではない。将来の保証をも含む。スター候補なら『監督手形』だって含まれるだろう。その点、巨人一徹派に監督手形はいらない。手形の履行を優先する限り監督になれることもない。だから巨人の歴代監督は、翻意グループばかりで、憧れて巨人に入団した者には無縁なのではないか。理論派で、ファンの選ぶ監督にしたい候補No.1の江川であれ、コーチにさえなっていないことからも窺い知ることが出来よう。
〈NPB入りを目論むHARD OFF ECOスタジアム新潟》
ならば後任は誰なのか。約束手形なら“あの人”だって貰っているだろう。 但し“あの人”の承諾を得るには旧態依然とした体質を払拭せねばならない。米国暮らしを気に入っていることもあり、なかなか難しい。それなら、フランチャイズを移して、一からやり直すなんてのは如何だろうか。ヨ『身売り』ジャイアンツなら引く手あまたにある。東京ドームの建て替えにも迫られていることから噂の新潟移転だってあるかも知れない。あの人にとっても近県だけに見込みはあると思うのだが・・。
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《余談》
【WBC組に怪我人続出の野球界】
WBCの出場者に故障が相次いでいる。西武は山川と源田を欠き、ヤクルトも山田がいない。その他にも調整不足からくる不振に喘いでいる者が多い。観客動員数も芳しくない。一体、あの盛り上がりは何だったのか。リーグ戦の活況には結び付いていないのだ。宴の後の静けさなのか、そうでないのかはともかく、これに怪我人まで続出では堪ったものではあるまい。優勝しているのに。
〈参考/過去記事〉
大リーグとて例外ではない。早速、吉田正尚が戦列を離れた。ヌートバーも回復途上にある。何より、アルトゥーベ(アストロズ)やエドウィン・ディアス(メッツ)といった、スーパースターまでが故障者リストである。
かつてはイチローも長期休養を余儀なくされた。石井弘寿(2006年)や村田修一(2009年)もそうだったようにその犠牲者の多さたるや尋常ではない。やはり、シーズン前の開催に無理があるのではなかろうか。こうした状況は大会ごとに繰り返されているのだ。負の連鎖が大谷翔平や村上宗隆にも及ばなければ良いが。