恵比寿aim
日本一高い場所へ〜ファイナル〜
8月と言えども富士山が近くにあるわけで、とても寒い。
砂漠のような東京から来たぼくはペラペラのTシャツと短パンしか持っていなかったので、2人にバレないようにこっそり車の暖房を入れた。
ほぼ死んだも同然だったはずの山田さんを休ませることもなく運転してもらう。
が…3人とも思い出すのは最後の下山道のことのみ。
山田さん…これが高山病なんですね。
ぼくは高山病のせいで友情にまで不安を感じさせてしまいました。
すみません。次回の登山はきちんと寝てから行きます。
山田さんはぼくに嫌われたのかな?と不安になりながら下山。
内田は山田さんの死体はどうやって運べば良いのか考えながら下山。
田実さんはまず内田を下山させるためにトラックのように先陣をきって下山。
さすがにどこかで休憩をしようと飲食店を探す。
唯一見つけたCOCO'Sに入店。
相当な負担だったはず。
スープで温まる。
精神的にも肉体的にも相当な疲労のはず。
膝も故障。辛かったはず。
スープで温まる。
途中までしか作り笑顔はもたず。
情けない登山姿だ った。
注文を忘れスープはなし。
食事を済ませ一息。
駐車場での仮眠が即決定した。
この一瞬の決定が山田さんの疲労を物語った。
みんなと逆に少し元気になった内田は眠れず。
ぼくの家の近くだった。
本当に山田さん田実さんはぼくの東京の兄なわけだ。
もう空は明るい。というか朝。
今回富士登山の旅はこれにて幕を閉じました。
だらだらと内田の辛かった感想を書いているようでしたが、途中段階で「読んでて富士山に登りたくなった!」なんて言葉を思いのほか多くもらいました。
むしろどんどん登ってみるべきだと思います。
内田の場合は登山数日前からの過度の寝不足、疲労、が蓄積した為に高山病になってしまいました。
登山前日なんてほぼ寝ていませんでした。
それは具合が悪くもなります。
準備をきちんとして体調を整えて挑めば、楽しくて 良い思い出になること間違いなし☆笑
辛い…辛い…でも前を向いて歩いて行かなければ生きられない。
※早い段階で下山したらリタイヤ可
この大変な登山を達成したことで気持ちも変わったし、年齢も感じました。笑
これが達成できたんだし、あれもできるだろ?って思うことがわんさか生まれましたね。
いつもありがとうございます。
日本一高い場所へ〜ファイナルの手前〜
登山者A「もしかして〇〇駐車場まで行きたいんですか?ぼくらもなんです。でもタクシー高くて…良かったら相乗りしませんか?」
こうしてぼくら2人、登山者A、登山者 Bの4人でタクシーに乗り、駐車場を目指した。
内田、無言で窓をあける。
そのままウトウト…
田実さん「着きました!」
おぉ!着いたか!けっこう長かったな。
タクシーも言っていた通り13000円くらいだった。
田実さん「内田さん、大変な事態です」
田実さん「運転手さんに聞いたんだけど、一般車両は五合目まで入れないそうです」
内田「ふむふむ」
田実さん「つまり山田さんの死体を拾いに行けません!!」
内田「おぉ…それは良くないですね」
と言いながら車に戻った。
とにかく着替えよう。へなへな。
2人ともケータイの電池はすでに切れ ていたので車で充電。
田実さんのケータイ電源ON。
田実さん「もしもし車に着きました!今どの辺ですか?実は事情により…」
説明をしている。
!!山田さんだ 汗
生きてる!!
内田のケータイ電源ON。
生きてる!!
どうやら山田さんも今必死に下っているらしい。
ぼくの中では一般車両の進入が禁止だとしても、五合目まではダメ元でお迎えに行くつもりだった。
田実さん「そういうわけなんで、タクシーで帰ってきてください!じゃあ気をつけて!」
ガチャ
おぉ!田実さんてばワイルド。
とにかく山田さんを待とう。
ぼくが富士登山に来ていることを知っている人たちは登山中に頻繁に連絡をくれていた。
「今八合目だよ!」と連絡をしたまま誰一人として返信をしていなかったわけで。
かなりの心配の連絡が入っていた。
田実さん「そろそろ山田さんが戻ってくるので、道路沿いまで迎えに行ってきます!!車を見張っててください!」
さすが田実さん。きちんとしてる。
その数分後、車の前にタクシーが止まった。
山田さん「きつかったぁぁぁぁぁ!」
あぁ山田さん(泣)
山田さん「あれ、田実くんは?」
内田「山田さんを迎えに行きました!」
笑…田実さんはいつもこうだ。
山田さん「いや、今回はまじきつかったけん!!さんざん下って看板を見つけたからもうゴール間近だと思ったらさ!」
内田「はい」
山田さん「あとじゅうさんジグザグもあってさぁ!!」
!!!!!
(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)!!
この人もじゅうさんジグザグって呼んでる(笑)(笑)
でも無事で良かった。
とにかく田実さんにはもう山田さんが戻ったことは伝えよう。
日本一高い場所へ〜最終章その2〜
日本一高い場所へ〜最終章その1〜
山田さん…
ぼくは相変わらず意識が朦朧としながらも田実さんに必死について行った。
寒い。とにかく寒い。
途中で何度も声をかけてくれる田実さん。
でもきっと田実さんも相当疲れているに違いない。
でも「田実さんは大丈夫ですか?」のセリフが言えない。
言葉も発せられない。うぅ
この登山を始めてここまでにぼくの頭の中にはずっと尾崎豊さんのシェリーが流れていた。
シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう
シェリー どこに行けば 俺はたどり着けるだろう
延々と繰り返し頭の中を流れていた。
それにしても降れど降れど坂道は終わらない。
ジグザグジグザグ…
途中でふと降ってきた道を見上げた。
「あっ、小さな光だ、ライトだ」
山田さんがまだ生きてる。
しかも少し動いてる。
山田さんもちゃんと降ってこれてるんだ。
良かった。
ぼくと田実さんのライトの光も山田さんに見えてるのかな。
散々ジグザグしたところで少し休憩。
何せ時間に追われながらの下山なので、ゆっくりは休んでいられない。
田実さん「内田さん、星を見てください。すごいきれいだよ」
内田「あぁ…本当だ。すごくきれい」
まるで恋人同士で夜景を見に来ているかのような会話。
でもこの景色の良さが間違いなく疲れを癒していた。
1つの酸素ボンベを共有しながら星を見る成人男性2人。
あっ…山田さん酸素大丈夫かな…
またしばらくのジグザグ下降。
人生でこんなにジグザグしてるのは初めて。
本当に終わりが見えなすぎて嫌気がさしてくる。
それでもかなり降って降ってまた休憩。
道案内の看板があった。
さすがにもうゴール間際だと思って看板を見て絶望…
きちんと案内図にはジグザグの数まで書いてある。
1、2、3、4…10、11…13
じゅ…じゅうさんジグザグ!?
え…
これだけ降ったのに!?
1ジグザグだけでもめちゃ時間をかけて降ってるのに…
じゅうさん…
もう無理かもしれない…
冷静に考えたらこの「じゅうさんジグザグ」という呼び方がもうおかしい(笑)
でもそのときはとっさにそう呼んでしまった。
がっくり座っていると田実さんが…
田実さん「ほら、花火だよ!」
おぉ!!
遥か下に見下ろす河口湖から花火が。
内田「きれいですねぇ。すごく丸い」
まるで恋人同士で花火を見に来ているかのような会話。
でもこの景色の良さが間違いなく疲れを癒していた。
さて…行かなくちゃ。
この下山はまるで人生。
つらくても前を向いて歩いて行かなくちゃいけない。
ぼくらの為に犠牲になった山田さんの為にも何としても下山しなくちゃ。
もう山田さんのライトは見えなくなっていた。
山田さん。。



