名曲百選第二章(69)四月の風に吹かれて~エレファントカシマシ | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

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俺の初恋はRock'n' Roll 俺の傍らには何時も音楽があった。


4月は真新しいスーツに身を包んだ新入社員の人達の姿を街角でよく見かけます。
真新しいスーツに身を包んだ新人というのは、初々しさの中に未来に向かう輝きが感じられていいですね。

音楽誌を出版をしているロッキング・オン社の編集長に山崎洋一郎さんという方がおられまして、彼がロッキング・オン社の入社試験を受けた時に、その会社の社長のS氏が面接をされたわけですが、面接は滞りなく終わり、最後の別れの挨拶をする時に、山崎洋一郎さんは、なんと社長のS氏に 「帰りの電車賃を忘れたので貸してください」 と言ったそうです。
つまり合格しなければ、借りた電車賃を返しに これないという事ですね。

普通なら面接時には考えられない失礼な言葉ですが、その会社の社長のS氏も、うちに入りたいという熱意の表れと受け取り、彼は見事に合格したそうです。

山崎洋一郎さんは、今ではその会社の NO2の存在で複数の雑誌の編集長を兼任されてますが、面接の時に 「帰りの電車賃を忘れたので貸してください」 と言った度胸と発想は只者ではない予感を感じさせたと思います。

彼は多くのミュージシャンからも慕われていて、エレファントカシマシが、某レコード会社の契約を切られた時に、エレカシのデモテープを持って、レコード会社を何軒も回り、受け入れ先を見つけてくれたそうです。

四月の風/エレファントカシマシ


何かが起こりそうな気がする
毎日そんな気がしてる
ああ うるせい人生さ
そう 今日も
何かがきっとはじまってる


宮本さんらしい、大らかなメロディに、4月という季節に対して 「何かが起こりそう」 と新たな始まりの予感や期待を感じさせる歌い出しの歌詞です。


明日もがんばろう
愛する人に捧げよう
ああ 風が吹いた 四月の
四月の風


曲の前の文章に書きましたが、エレカシがレコード会社の契約を切られ、山崎洋一郎さん等が、受け入り先を見付け、新たなレコード会社での第一弾シングルのカップリング曲が、この曲だったわけです。
ですから、この曲には、「明日もがんばろう」 という前向きなメッセージが込められていますが、それは、この曲を聴く人に向けたものであると同時に、新たなレコード会社で、四月の風と共に新たな気持ちで頑張ろうという自分達のバンドの決意表明でもあったわけです。

四月の風

作詞 宮本浩次
作曲 宮本浩次

何かが起こりそうな気がする
毎日そんな気がしてる
ああ うるせい人生さ
そう 今日も
何かがきっとはじまってる

何だかじっとしてられない
誰かが何処かで待ってる
ああ 短けえ人生の中で
誰かが何処かで待ってる


風が誘いにきたようだ
少し乾いた町の風が
俺達を誘いにきたようだ

このまま全てが叶うようなそんな気がしてた

明日もがんばろう
愛する人に捧げよう
ああ 風が吹いた 四月の
四月の風


風が誘いにきたようだ
少し乾いた町の風が
俺達を誘いにきたようだ

毎日何処かで町の空仰ぐ俺がいた

ああ 何処へ行くのやら
明日は何があるのやら
ああ 教えてくれ
風がささやく気がした

明日もがんばろう
愛する人に捧げよう
ああ 君に会えた 四月の
四月の風



1曲では寂しいので エレカシの中で私の一番好きなこの曲も
お届けします。


風に吹かれて/エレファントカシマシ


私のカラオケの定番でもありますが、歌い出しの歌詞がいいですね。

輝く太陽はオレのもので
きらめく月は そう おまえのナミダ
普通の顔した そう いつもの普通の
風に吹かれて消えちまうさ


”輝く太陽”というのは、輝く未来に向かう夢や希望の象徴なのでしょうね。

そして、ひっそりと夜にきらめく月。
”ナミダ” と ”風に吹かれ消えちまうさ” という言葉が別れを暗示してます。

あたりまえに過ぎ行く毎日に
恐れるものなど何もなかった
本当はこれで そう 本当はこのままで
何もかも素晴しいのに

明日には それぞれの道を
追いかけてゆくだろう
風に吹かれてゆこう


あたりまえに過ぎていく普通の日々というのは、本当はとても幸せな事だとは、わかってはいるけれども、内側から突き動かそうとする何かがあったのでしょう、それぞれの道へと旅立っていく。
いいですね、この歌。
そうなんですよね、若い人は安易に満足しちゃいけないんですよね。
常に新たな世界や新たなものへの好奇心を持って進んでいく・・・。
ひとつの終わりと新たな旅立ちを歌った名曲だと思います。

風に吹かれて

作詞 宮本浩次
作曲 宮本浩次

輝く太陽はオレのもので
きらめく月は そう おまえのナミダ
普通の顔した そう いつもの普通の
風に吹かれて消えちまうさ

あたりまえに過ぎ行く毎日に
恐れるものなど何もなかった
本当はこれで そう 本当はこのままで
何もかも素晴しいのに


明日には それぞれの道を
追いかけてゆくだろう
風に吹かれてゆこう

さよならさ 今日の日よ
昨日までの優しさよ
手を振って旅立とうぜ
いつもの風に吹かれて

見慣れたいつもの町を過ぎれば
素知らぬ顔 そびえるビルの角
遠くで聞こえる そう 遠くで聞こえる
町の音に耳をかせば


悲しみは 優しいふりして
この町を包むだろう
おまえに会いにゆくまで

さよならさ 今日の日よ
昨日までの優しさよ
手を振って旅立とうぜ
いつもの風に吹かれて

(見慣れてる)この部屋も
俺達の優しい夢も
手を振って旅立とうぜ
いつもの風に吹かれて



今回は、ロッキング・オン関連の昔話と、エレファントカシマシの曲をお届けいたしました。
エレカシの歌のように 新たな何かを期待したい四月の風です。