119期の一年を振り返る。〜後編 | "楽音楽"の日々

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音楽、映画を中心にしたエンタテインメント全般についての思い入れと、日々の雑感を綴っていきます。

この一年の振り返り、後編です。

 

 

10月5日から10日までの台湾遠征は、この期はもちろんのこと、京都橘吹奏楽部の歴史においても永遠に残る大きなトピックでした。

5日に台湾入りした部員たちは、その夜豪雨の中で式典会場の下見に出掛けたようです。そして、台湾で一躍注目されるきっかけになったのが、翌朝に圓山大飯店のエントランス・ホールで行われた"擬似フラッシュ・モブ"でした。学生指揮者でもあった部員による小芝居から始まるパフォーマンスは、すぐにテレビやネットニュースで拡散されて驚きを持って迎えられることになったのでした。

 

 

きっと、初めて見る人たちにとっては、衝撃だったのでしょう。

その後は、台湾で最高のホールでの演奏会(これは、動画がありませんね。DVD発売など企画されているのでしょうか?)や台北第一女子高校への表敬訪問など、分刻みのスケジュールに追われます。

そして、国慶節前日に、国慶節に参加する3校の交流演奏会が行われました。動画から推測する限り、観客は数千名でしょうか?台湾でトップの北一女の人気もあると思いますが、やはり噂の京都橘をひと目見てみたいという観客が多かったのだと思います。

 

まずは、ドラムメジャーによる学校紹介と挨拶で、観客の心を掴みます。

 

 

そして、短いながらもインパクトのあるパフォーマンスは、無数の動画がアップされています。その中でも、最も画質・音質ともに素晴らしい動画を紹介しておきましょう。

 

 

この本番のパフォーマンスに向けて、台湾到着から最低でも4回練習しています。過密スケジュールの中でも、本番への本気度が感じられます。

10月7日に行われた予行練習の時の動画も無数に上がっていますが、珍しい視点のものを紹介しておきます。

本番当日に蔡英文総統をはじめ政府要人や招待客が座るメインのステージからの撮影です。

 

 

 

「愛の讃歌」がないのが残念ですが、なかなか美しい動画だと思います。

 

ネット・ニュースなどでのインタビューで、ドラムメジャーと部長の本名もすっかりお馴染みになってしまいましたね。大らかな台湾メディアとそれを受け入れる学校側との幸せなコラボだと思います。

 

大成功の本番を終えて、その足で帰国の途につきます。翌日からは、中間テストだったようで・・・。

 

 

 

さて、日本のマスメディアは、蔡英文総統の政治的発言以外は台湾について敢えて報道しません。完全無視です。台湾で大きなブームを巻き起こした京都橘ですが、関西ローカルを除く全国的メディアではほとんど取り上げられていません。新聞では、サンケイの夕刊一面だけ。全国ネットのテレビでは、テレビ朝日の10月15日放送の「週間ニュースリーダー」で10分を超える特集を組んでくれました。多分、上司から睨まれることを承知の上で、報道する価値があると判断したのでしょう。台湾国旗にボカシを入れたりして上司に忖度してはいますが、この番組のプロデューサー&ディレクターの英断には拍手を送りたいと思います。

 
 
 

中間テスト明けでホッとする間もなく、10月23日には兵庫県明石市で開催された「メリディアン・マーチングフェスタ」に参加します。これは、地元の滝川第二高校との交流から招聘されるようになって、2度目の参加です。両校はお互いに影響を与えあってる様子がそれぞれのパフォーマンスに出ていて、良好な関係が見て取れます。

この時は、短いパレードの後、30分近くもあるフィールドショーがあって、この年の京都橘を知るにはベストなプログラムです。

慶次郎前田さんの動画をご覧ください。

 

 

ディズニー・アニメ「ピーターパン」の挿入曲「右から二番目の星」は、アルト・サックスのソロが美しいです。彼女の音色と表現力は、吹奏楽におけるサックスの演奏としては文句なしの素晴らしさです。ちなみに、「愛の讃歌」のソプラノ・サックスの感動的なソロも、彼女のプレイです。この時2年生なので、あと一年彼女のプレイを楽しめます。

「ラムのラブソング」は、2019年の「桃山学区 区民体育祭」での演奏以来の登場ですね。ここでは、パーカッションの乱れが気になるものの、とても楽しいパフォーマンスです。「カワイイ」を前面に押し出す振り付けは、意外に京都橘では珍しいことかもしれません。

「ソーラン・ファンク」は、すり足でフォーメーション移動をするところが京都橘ならではのカッコ良さだと思っています。私の個人的なお気に入りです。

 

 

そして、10月29日から翌30日にかけては、フェリー移動という強行日程が話題になりました。

29日の「PARADE & KITCHEN in ふそう」は、渋滞のせいで会場入りが大幅に遅れたようです。大勢の観客が待ちわびているところにバスが到着する様子が、動画にありました。この日のマーチング・ステージは、たっぷり時間がとってあって期待されましたが、疲労とリハーサル不足が露呈して、かなり精彩を欠いたパフォーマンスでした。ざっと見ただけでも大きな失敗が数カ所あります。京都橘では、かなり珍しいことです。

私としては、この日のパフォーマンスは、扶桑町公式のパレード動画だけで十分だと思います。

 

 

さて、フェリー移動しての10月30日「MARCHING CARNIVAL IN BEPPU 2022」は、精華女子との交流から発生した招聘だと思われます。前年のパレードも衝撃的だったのですが、ハロウィーン・コスプレも更にグレードアップして板についてきた感じがします。その上、コスプレする団体も増えて、橘の影響が想像以上に大きかったように思えます。

 

 

 

119期のパレードの総決算とも言える、笑顔あふれる充実のパフォーマンスでした。

コスプレのヴァリエーションが増えてそれぞれに楽しめますが、ここでピックアップしたいのが黒い魔女のコスプレをしているトランペットの部員です。ステージでのMCも上手で印象的ですが、自分のキャラをよくわかっている気がします。とても頭の良い女性なんだと思います。

 

 

11月12日には、「京都府高等学校総合文化祭」の吹奏楽部門に参加して、その結果今年の7月に開催される「かごしま総文」への出場が決定しました。

そして、一週間後の20日には、「全日本マーチングコンテスト」で金賞。部員たちにとっては、充実の一年への「勲章」のようで嬉しい限りです。振り付けもマイナーチェンジをしていて、更に高みを目指すその姿勢に、ファンでいて良かったと思ったのでした。

 

 

11月25、26日の両日は、台湾NEXT TVの取材です。多分、1月14日にアップされた動画だと思います。ドラムメジャーにスポットを当てたレポートと合奏練習の様子が収録されています。

 

SNS上で京都橘をはじめとして様々な吹奏楽部のイラストを描いていて人気の「ようこそ」さんの作品です。この方の作品は、愛が溢れていて大好きなんです。

 

 

12月も、26日の「心の絆コンサート」まで、怒涛のスケジュールです。

24日には、恒例になった「クリスマスコンサートin豊岡」です。全体の動画はありませんが、橘の公式チャンネルに「ラムのラブソング」がアップされました。

 

 

生徒が撮影したらしいですが、素人としてはまずまずの出来ではないでしょうか。パフォーマンスは見事でした。

 

 

年が明けて最初の大きなイヴェントは、1月21、22日に開催された「倉敷市真備町へ届け!『音楽の力』慰問コンサート」でした。

私は両日とも配信で見たのですが、実に素晴らしい出来でした。定期演奏会のプロトタイプとも言える繊細で工夫を凝らした演出は、見事でした。

 

 

「フィールドアート」、「関西ステージマーチング」、「響け!ユーフォニアム コラボレーションフェスタ」などの毎年恒例のイヴェントをこなして、久しぶりの「京都さくらパレード」です。3月21日でした。

「SNSアップ禁止」というアナウンスはありましたが、不特定多数が行き交う商店街でのパレードですから、そもそも無理な話です。多数の動画がアップされています。運営側の今後の対応に注目したいところです。

関西テレビが制作した動画です。

 

 

マスメディアの特権で、良いアングルがいっぱいです。

そして、人気YouTuberジーナさんの動画です。

 

 

割と最近京都橘を知った彼女ですが、すぐに行動に移すフットワークは大したものですね。

今回のパレードで私が驚いたのが、顧問のチャレンジ精神です。今期最後のパレードなので今までどおりでも十分なはずですが、ここでもマイナーチェンジしてきました。「The Pink Panther Theme」のイントロで、スーザでのリズムを入れてきました。これは実に効果的で、私は唸ってしまいました。気付いた人がどのくらいいたかわかりませんが。

 

 

そして、今まで詳しく書いてきた定期演奏会です。

ここで、もう一度言わせてください。

今回の公演でメインドラムを担当した部員は、全員素晴らしい演奏でした。それぞれが、もしメインドラムに専念していたら、レジェンドになれる素質があったように思いました。だからこそ、とてももったいないと思うのでした。

 

 

 

 

ということで、いろんなことで楽しませてくれた一年でした。

卒業した119期のメンバーに、心から「ありがとう」と感謝の気持ちを送りたいと思います。

再び「ようこそ」さんの、119期メンバーのイラストでお別れです。