Jim GordonとBobby Caldwell | "楽音楽"の日々

"楽音楽"の日々

音楽、映画を中心にしたエンタテインメント全般についての思い入れと、日々の雑感を綴っていきます。

精神的に、かなりダメージの大きい訃報が入ってきました。

 

 

ポップスやロックのファンには避けて通れないドラムスのレジェンドJim Gordonが、3月13日に亡くなりました。77歳でした。

 

 

1960年代から70年代に、無数のセッション・ワークをこなしていました。その全貌は、音楽の専門家でも把握できていません。ミュージシャンのクレジットがないヒット曲なんか、ザラにあった時代ですもんね。

 

恥ずかしながら、私が彼の名前を認識したのは、Carpentersが1975年にリリースした「緑の地平線(Horizon)」でした。私の印象は、タイム感はきっちりしてるのになぜか躍動感を感じさせてくれるドラマーという感じでした。

Carpentersの次作「見つめあう恋(A Kind Of Hush)」でも、彼のプレイの多彩さを味わえます。日本で最も売れて、吹奏楽の世界では今でも大人気の曲「青春の輝き(I Need To Be In Love)」も、このアルバムに収録されています。サビから入って盛り上げてくれるJimのプレイは、ドラマティックなドラムスのお手本とも言えます。

 

 

写真は、私のコレクションの中で彼が参加しているもののごく一部です。Beach Boysの名盤「Pet Sounds」、Albert Hammondの代表作、Steely Danの「Pretzel Logic」といった作品以外にも、Stephen BishopやManhattan Transfer、Minnie Ripertonなどなど、枚挙にいとまがありません。ジャズ・フュージョンの作品にも、彼の名前がちらほら。さらに、日本人の作品にもかなり参加しています。

 

彼のプレイでどうしても外すことができない作品は、Derek and the Dominosの1970年リリース「いとしのレイラ(Layla and Other Assorted Love Songs)」ですね。彼は、メンバーとしてだけではなく、名曲「Layla」の作者の一人としてもクレジットされています。まぁ、それについては当時の彼女であったRita Coolidgeが作った曲を、彼が拝借したとも言われていますが・・・。

 

 

50年以上も前の録音ですが、カッコ良い曲ですねー。全く古さを感じません。

 

私が洋楽に目覚めた頃から、Jim Gordonの名前はいつも私のすぐそばにあったのでした。

 

 

 

 

 

日本におけるAORブームの旗手になったのが、シンガー・ソングライターBobby Caldwellです。

彼は、6年にわたる闘病の末に3月14日に亡くなりました。71歳でした。

 

彼が1978年にリリースしたデビュー・アルバム「イヴニング・スキャンダル(Bobby Caldwell)」は、当時の世相とも相まってAORブームの幕開けを告げる衝撃作でした。青春時代真っ只中の私も、当然彼の世界にどっぷり浸かることになったのでした。

 
 

彼の魅力は、メロディ・メイカーとして耳に残る作品を作れることと、カヴァー曲を歌っても彼の世界になってしまう個性的で印象的な歌声でした。

デビュー・ヒットは、この曲でしたね。

 

 

このアルバムでは、キーボードだけでなく、ギターやベースもこなしていて、音楽少年にとっては憧れの対象でもありました。

アメリカでは彼の人気は下降していきましたが、日本ではずっと愛されて彼も親日家になったようです。おしゃれなCMにも彼の歌はぴったりでした。日本でのライヴ映像で、どうぞ。

 

 

彼しか作り出せない世界観があって、実に魅力的です。

 

アメリカでは、歌手としてよりもソングライターとして認識されていたようです。

Boz Scaggsに提供した「Heart Of Mine」は、もろにBobby節で素晴らしい作品です。

 

 

もちろんBobby自身も後にセルフ・カヴァーしていますが、彼の代表作の一曲だと思います。

 

 

 

 

 

私が洋楽に目覚めた頃から青春時代の音楽三昧の時期までの重要人物が相次いで亡くなったことで、自分の歳を痛感させられました。

 

Jim Gordon、Bobby Caldwell、数々の素晴らしい音楽をありがとうございました。

 

 

R.I.P.