これを聴いて死ねっ -5ページ目

これを聴いて死ねっ

ヘヴィメタルやハードロックを中心に作品紹介を行うサイトです。


「The Psychics」 2008

イギリスのハードロックバンドThe Psychicsの1stアルバム。
Lionsheartの1stのサウンドに貢献したOwers兄弟が結成したバンド。となればやっぱりそう言う音を期待してしまうのですが、そのメロディセンスを端々では見せてくれているものの、主体となっているのはあくまでバンドグルーヴであり、感性の貧しい私には正直言って苦手気味の作風。全く解さない訳では無いのでこの様な音の良さは頭では理解出来るのですが、如何せん耳が満足してくれないんだよぉ~。まぁLionshertの1stだって大分グルーヴィーだったので意外でもなんでも無いのですが。
4曲目は好き。この張詰めた緊張感がメタル耳に心地よいし、終盤のギターソロの狂おしさと言ったらかなりゾクゾクします。10曲目の英国情緒と男の哀愁を感じさせる琉麗なインストもグッド(子供の声、いらねえけど)。あと、歌っているのは兄貴の方ですが存外に上手くてバッチリハマっています。
大人のハードロックですね。

「Voice of Harmony」 1995

スウェーデンのメロディックデスメタルバンドExcretionの唯一のアルバム。
同時期に現れたメロデスバンドの中でも突出して暗いサウンドだったのではないでしょうか。曲的には攻撃性と叙情性のバランスが良く取れた非常に正統的なメロデスでありながら、この常に腹にドスッと来る重苦しさと圧迫感は、ある意味牧歌的なメロディックデスメタルと言うジャンルのイメージからすると異質。例えば、薄暗くカビ臭いアパートの一室でこれから自殺しようとしている男の悲しみや絶望…そう言ったネガティブな世界観が思い浮かぶ。扇情度は高いが、気分は高揚しない。むしろ沈み込んで行く。そう言う音。
本作の希少性と言うのは、このメロデスバンドらしからぬディプレッシブな存在感にあるのだと私は思います。一作限りで解散したのは必然だったのでしょう。この音からは次作の姿、と言うよりバンドの将来が全く想像出来ません。

「Tales From The Morgue」 2010

スウェーデンのデスメタルバンドEntrailsの1stアルバム。
Entombedに似過ぎなロゴはご愛敬として、活動自体は1990年から始まっており、黎明期のスウェディッシュデスシーンを経てきた存在なのだ。そこから作品を発表するまでには20年も掛かってしまったが。
楽曲的には輪郭がEntombedでメロディックな要素はDismember、ついでにブラストしている時はVomitoryっぽいと言う何だかスウェディッシュデスの良いとこ取りみたいな感じ。個性が希薄と言えばそうなんですが、曲が良いと言う強力な武器を持っていらっしゃる。特にダーティな叙情を乗せて突っ走る3曲目”Voice”は予想外のカッコ良さでぶったまげた。こんなの聴かされたら褒めざるを得ないでしょ。これぞスウェディッシュデスと言うのを聴きたい人には持って来いですよ。
※ちなみに本作でセッションとして参加しているFredrik Widigsと言う人物は現Mardukのドラマーである。

「Three Kings」 2013

イギリスは北アイルランド出身のハードロック/ヘヴィメタルバンドStormzoneの4thアルバム。
NWOBHMバンドSweet Savageの元メンバーらを中心に結成されたと言う出立ちからしてコンテンポラリーなサウンドになるはずもなく、ダサさとひたむきさが好事家の心をくすぐる古き良き大英帝国産メタルを高らかに掲げております。ギターソロの「俺の見せ場なんだァ!」感が熱いゼ。ケルティックな哀愁を含んだついつい一緒に口ずさんでしまう歌メロのキャッチーさがポイントで、その最たるものと言えるタイトルチューンの”Three Kings”は今後のバンドアンセムたり得る名曲。腰の据わった演奏の説得力もさることながら、渋いオッサン声のヴォーカルが楽曲の雰囲気をよく盛り立てています。
多少一本調子だがそれも良し。燃えるブリティッシュ魂炸裂のグッドアルバム。

「Lovecraftian Dark」 2003

フィンランドのメロディックデスメタルバンドDawn of Relicの2ndアルバム。
本作は3つのチャプターから成る小説家ラヴクラフトをテーマとしたコンセプトアルバムとなっています。と言っても音は小難しい事などなく、タイトでアグレッシブな高クオリティのメロデスです。デスラッシュ的硬質感と神秘的な音色のキーボードの組み合わせが特徴。個人的にははもっと泣きのクサメロを聴かせてくれた方が好みですが、世界観からするとこれで良いのでしょうし、6曲目などはこのバンドなりの手法で壮麗かつ扇情的な楽曲に仕上げています。
難点を言うなら全部で14曲は多過ぎる。後半では普通声の歌唱や女性ヴォーカルの導入などの趣向を凝らして起伏を設けようとしているのは分かりますが、印象が残らない曲の多さから結構ダレます。
3rd発表の後一度解散していますが、2009年に復活。しかし新作は未だ出ていません。