リリーのすべて | cinema ROCCO and...

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映画のことや日々のあれこれ。


3/21(月)、“リリーのすべて”。



1926年、デンマーク。


風景画家として才能を高く評価されている


アイナー・ヴェイナーはある日、


肖像画家の妻ゲルダが制作中のバレエダンサーの


肖像画のモデルの代役を頼まれる。


モデルは女性だったが


『足元だけだから』


というゲルダにしぶしぶ引き受けたアイナーは、


ストッキングとバレエシューズを履き


チュチュを腰に当てる。


最初は気恥ずかしかったアイナーだったが、


次第に今まで感じたことのない感覚が込み上げる。


それからアイナーは


自分の中に女性の存在を意識するようになる。


女性用の下着を身に付けるアイナーを


見つけたゲルダはそれを芸術家の遊びだと思い、


舞踏会に女性として出席しようと提案する。


ゲルダと衣装やウィッグをそろえ


メイクや歩き方を教わったアイナーは


“アイナーの従妹のリリー”として舞踏会に出席する。


リリーはそこで出会った男性ヘンリクに口説かれ


キスを迫られ・・・。





世界で初めて性別適合手術を受けた


デンマーク人画家のお話。


自分の中に女性を見つけてしまったアイナーは


それが本当の自分の姿だと気付き、


女性として生きることを選ぶのです。


戸惑いながらもそんなアイナーを支え続ける


妻ゲルダの愛も素晴らしいね。



アイナー役のエディ・レッドメインが素晴らしい!


最初からどこか女性らしさがうかがえたアイナーが


リリーになっていく気持ちや動きの変化を見事に演じ、


登場する女性の誰よりも繊細で女性らしかったです。


アカデミー賞主演“女優”賞でもいいぐらいでした!



アリシア・ヴィキャンデルが演じた妻ゲルダは美人だけど


どっちかというとかわいい勝ち気でサバサバした印象で、


よけいにアイナーの女性らしさが際立っていました。


アイナーの変化に戸惑い苦しみそれでも愛し続ける


芯の強い女性を演じ切りアカデミー賞助演女優賞!!



あと、


じつは男性と知りつつリリーを口説くヘンリク役が


ベン・ウィショーで


『あ、ホンモノ』


と思ったのでした。



第88回アカデミー賞は、


助演女優賞(アリシア・ヴィキャンデル)受賞、


主演男優賞(エディ・レッドメイン)など3部門ノミネート。