永谷久真の練習画。落語『そこつ長屋』のパロディっぽいストーリー『そこつガイノイド』に登場するそそっかしいOLです。

「永谷久真の改造1(練習画)」

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「研究所にやってきたけれど案の定入り口にロックがかかっているわね…番号入力になっているから、こんな時はとりあえず当てずっぽうで誕生日を入力して…開いたわ」
「ええっ、八千、あんたどうしてここの研究所員の誕生日なんか知ってるの?」
「久真、そんなものあたしが知っているわけないじゃない。自分の誕生日を入力したのよ」
「この研究所で無関係なあんたの誕生日をパスワードにしてるわけないでしょ」
「それもそうね。でも開いたわよ」
「一体あんたの誕生日っていつなの?」
「11月11日」
「1、1、1、1…偶然ここのセキュリティの手抜き具合と一致したのね…」
「まあ結果オーライよ。入ってみましょう…この正面の部屋みたいよ」
「ここにロボットが一体立っているわ…あれ、これがあたし?」
「そうよ」
「なんだか、死人みたいな顔ねえ」
「そりゃあ、生きてないからよ。ロボットだもの」
「あたしったら、こんな冷たくて硬いメタリックボディの情けない姿になっちゃって…こんなことになると思ったら、もっと美味しいものでも食べていれば良かったわ…どうしよう?」
「どうしようったって、泣いてても仕方ないじゃない。なにごとも因縁だとあきらめて、このロボットをひきとらなくちゃ…さあ、急いで運びだそう…あれ、このロボット、動き出したわよ…」
「でも、八千。なんだかわからなくなってきたわ」
「デモ・ハチ・ナンダカワカラナクナッテキタワ…ピポポッ!」
「ええっ!2人とも同じことをしゃべり出したわ…どういうこと!?」
「私の前に立っているのは確かに私なんだけれど、そうするとこの私は一体どこの誰なんだろう…」
「私ノ前ニ立ッテイルノハ・確カニ私ナンダケレド・ソウスルトコノ私ハ・一体ドコノ誰ナンダロウ…ピキュ~ン!」
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「いやはや、この間の被験者が研究所に忍び込んで、ロボットを持ち出そうとしたのにはびっくりしたなあ」
「内容が内容だから、本人の同意の上で終了後に実験の記憶を消してもらってたんだけれど、それがかえって悪かったかもしれんな。友達に変なこと吹き込まれちゃってるし…なんとか誤魔化して帰ってもらったけれど」
「人格と記憶を等しく2分割して、一方を元のまま、一方をロボットの電子脳に移植する実験だから、実際のところどっちが本物ってこともないんだよな。ある意味、どっちも本物だから」
「まあ、ロボットに人格と記憶を移植された方にとっては、実際に自分がロボットに改造されたのと同じことになるだろうから、そいつが覚醒して人間側の自分を見たら『ここにいる私は一体どこの誰だろう?』ってなるわな。まさしく現代版そこつ長屋だ」
「サッキ私ノ前ニ立ッテイタノハ・確カニ私ダッタケレド・ソウスルトコノ私ハ・一体ドコノ誰ナンダロウ…ピキュ~ン!」

『粗忽長屋(Wikipedia)』

【今回描いた絵】(仮仕上げ)


【今回描いた絵】(下描き)

【最近描いた絵】

★001

【AI絵】They used to be bright and lively girls, but their personalities and memories were transferred to mechanical bodies, turning them into subservient robots that follow orders from humans.