水瀬川早紀の練習画(速描き)。

アシモフのSF短編『われはロボット』の中の『堂々めぐり』を元にしたパロディストーリーです。

改造絵日記(4月7日)「ロビイとグローリア」
改造絵日記(4月21日)「ロビイとグローリアⅡ」
 

宇宙開発に憧れる日本人女性水瀬川早紀は自ら志願して水星開発用ネオサイボーグSPD13号になり、2名の人間の隊員(1人は彼女の元恋人)とともに水星へとやって来ました。第一次探検隊の失敗理由を調査するために。

SPD13号は人間水瀬早紀の人格と記憶を量子レベルで複写した通常の電子頭脳と水瀬早紀の思考と行動のデータを超AIに学習させた陽電子頭脳の2種類の頭脳を持つ人間とロボットの両方の長所を備えた最新型のネオサイボーグでしたが、非常に高価な機体であるため「ロボットは自己を守らなければならない」というロボット第3原則が通常より強化されており、それが緊急の命令ではなく簡易命令をした場合のロボット第2原則と均衡状態になりやすいという隠れた欠陥がありました。

 

そのため命令どおりに光電池バンクを修復するのに必要なセレンを取りに行ったSPD13号は、進路の途中でロボットのボディに有害な金属腐食ガスと出会ったため、人間の命令を聞かなければならない第2原則と自己の身体を守らなければならない第3原則の板挟みになり、同じ地点を中心にぐるぐるいつまでも円状に走り続ける無限ループ状態に陥ってしまいました。

 

第2原則と第3原則の平衡状態を打ち破りSPD13号の電子頭脳を正常に戻すためには、「ロボットは人間に危害を加えてはならない」という第1原則を目覚めさせるしかなく、そのためには耐熱服でも30分も持たない水星の太陽側で彼女にひん死の自分の姿を見せつけられるかイチかバチかの賭けに出るという彼女の元恋人の命がけの愛が必要だったのです…。

『われはロボット(Wikipedia)』

『ロボット工学三原則(Wikipedia)』

【今回描いた絵】