グローリアの練習画。

アシモフのSF短編『われはロボット』の中の『ロビイ』を元にしたパロディストーリーです。

改造絵日記(4月7日)「ロビイとグローリア」

少女グローリアは生まれた時からずっと一緒に育ってきた旧式の子守ロボットのロビイが誰よりも何よりも大好きでしたが、その偏愛を心配する両親により離れ離れにされてしまいました。成長してからもずっとロビイを捜し続けていたグローリアは、ある時スーザン・キャルヴィン博士の研究施設のゲート付近で懐かしいロビイの姿を目撃しました。ロビイと再会するためにこっそり研究施設の奥深くまで忍び込んだグローリアは、そこでキャルヴィン博士の秘密の研究を知るのでした。

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「PPPPP!?」
スーザン・キャルヴィン博士の研究施設で作業ロボットとして働いていたロビーは、博士が今度制作した新型ロボットに引き合わされ驚きの声をあげました。
「ピポポポポッ!ドウ?私ハグローリアヨ…私モコレデ・アナタト同ジ3原則プログラムデ動ク・ロボットニナッタノヨ…ビックリシタデショウ?実ハ私モビックリシテルノ…オ腹ノ中マデ機械ニナリ・人間ノ命令ドオリニ動カサレルノハオカシナ気分ヨ…デモ幸セヨ…コレカラハズット・アナタト一緒ニイラレルンデスモノ…ピキュ~ン!」

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「本当にいいの?もともとは死刑囚や不治の病の病人から素体志願者を募ろうかと思っていた計画なのよ。人間が生身の体から機械体へ変化したことにより何が起こるかは今のところは全くの未知数なの。もちろん私としては喉から手が出るほど実地データが欲しいのは確かだけれど…」

「キャルヴィン博士、いいんです。どうか私をロボットにしてください!私はロボットになりたいんです!」

『人間の生身は他の惑星や宇宙空間で活動するには脆弱すぎる。生存率を上げるためには最初から人間そのものを機械化する必要がある』という考えから立案された惑星開発用ネオサイボーグ計画。
ネオサイボーグ計画の中心人物であるロボット工学者スーザン・キャルヴィン博士が研究中の生体から機械体への完全な情報転写。量子テクノロジーを応用した情報転写の実験体に自ら志願したグローリアは、完全な機械の体でありながら人間の人格と記憶を持つネオサイボーグのプロトタイプとして生まれ変わりました。
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今のグローリアの体内には2つの心があります。人間グローリアの人格と記憶を量子レベルで複写した頭部にある通常の電子頭脳とグローリアの思考と行動のデータを超AIが記憶学習し3原則をそなえたロボットとして最適化した胸部にある陽電子頭脳です。
「ピポポポポッ!私ノ中ノ2ツノ心…ドチラガ本当ノ私ナノカ…混乱シチャウ…ピキュ~ン!」

『われはロボット(Wikipedia)』

【今回描いた絵】