甘い観測、甘い記事 | メタボリックがとまらない ver.7 東京出戻り編

メタボリックがとまらない ver.7 東京出戻り編

副題 : もう遠距離の異動は無いだろう

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/79410 


こんな記事を見かけたので読んだのですが、観測が甘いと言うか、日本人が自動車に対して持つ感情や、日本人が自動車に何を求めているのかを理解してないというか、とても残念な記事だなと思った。




自国で自動車を生産している国は沢山あり、そのような国においては、その国で作られている自動車が、その国民の自動車に対する基準となる。
その国で作られている自動車の車種が沢山あれば、その車種ごとに国民の持つ基準があり、その基準に合わせて購入する車を決める。
例えば日本のように、軽自動車もあればスポーツカーや高級セダンもあり、SUVもあればハイエースも有るといった国においては、自分のライフスタイルや懐具合という基準の中から、それに合った国産車を選ぶ事が出来る訳で、そのような選択肢の中から、自社製品を選んでもらえるよう、日本の自動車メーカーは切磋琢磨してきたというのが、日本の自動車メーカーと日本社会との関係性の歴史だと言える。




今の日本人の中では、日本の自動車メーカーが基準となっている。
そして外車を選ぶ際にも、日本の自動車が基準となっている訳で、日本の自動車の性能や、日本の自動車メーカーが提供しているサービスを基準に、その外車を購入するかどうかを判断している。
日本の自動車メーカーが出してる自動車と、その外車が同等の性能だったとしても、そのメーカーが提供しているサービスが、日本のそれと比較して低レベルであれば、購入の選択肢から外れる可能性は高いですし、そもそも日本人のライフスタイルに合わせて、日本の自動車メーカーは多種多様の自動車を出してますから、そこそこ値段が安かろうが、自分のライフスタイルに合わなければ候補から外れる。
一枚看板で日本で勝負出来るのは、名の通った高級スポーツカーを出してるメーカーぐらいなもので、そうではない外国メーカーが日本に参入するのは、相当の資本投資をして販売網やアフターサービスに力を注ぎ込まない限り無理だろう。




日本人が自動車を購入する際に求めているのは、優秀なカタログスペックだけではない。
端的に言えば安心感とであり、多様化したニーズにマッチする車種と性能であって、安心感を提供し、多様化したニーズにマッチする車種と性能を提供している日本の自動車メーカーがあるのに、業績不振となればすぐに撤退するような海外メーカーが、たとえ素晴らしいカタログスペックの車を持ち込んだとしても、日本人からすぐに信用されるはずがない。
これについて「日本人は保守的」とか、「日本人は韓国製品を見下している」と言うのは簡単だが、日本車より若干安いからと言って、信用してない物に高い金を出すほど、日本の消費者は甘くない。
100均だったら国を選ばず購入しても、高い買い物であればあるほど、それまでの信用や信頼を重視して、ブランドを選ぶのが日本人である。




そのような日本の消費者から、韓国のメーカーは信用や信頼を獲得しようとしてるだろうか?
日本の消費者ほど、多様化したニーズを持たない韓国の消費者を基準として、今回も日本に参入しようとしているのであれば、どんなにカタログスペックでは遜色ない自動車を持ち込もうが、日本人からの信用や信頼を獲得する事は出来ない。
ましてや、これだけネットで情報が簡単に手に入れられる現在、発火炎上する韓国車のニュースや、リコールを繰り返すニュースを日本人が見ている以上、日本において韓国車の売れ行き不振が続くのは仕方ないだろう。




少なくとも日本市場で50年は営業を続ける覚悟が無い限り、韓国の自動車メーカーが日本市場で信用や信頼を得る事は出来ない。
信用や信頼を持てない物に、日本人が高い金を使う可能性は非常に低い訳で、「安物買いの銭失い」ということわざは、日本人の中では真理である。




まあ、この記事を書いた人は、そんな事までは書けないのだろうし、基本的に宣伝のための記事だろうから、甘い観測や甘い記事を書くしか無かったのだろう。