プレミアムフライデーを考える | メタボリックがとまらない ver.7 東京出戻り編

メタボリックがとまらない ver.7 東京出戻り編

副題 : もう遠距離の異動は無いだろう

本日から、プレミアムフライデーとやらが始まったそうですが、どのようになるのやら。
なにせ日本人の考え方や、それを元とした日本型経営の考え方にまで踏み込むのだから、面白い事になるだろう。




今の日本型経営の主流は、売上至上主義だと思う。
たまに、利益至上主義が顔を覗かせるけど、それは利益が低下した時に思い出される程度で、全体の流れとしては売上至上主義だろう。
なぜ売上至上主義なのか?と言えば、日本人が売上至上主義を喜ぶからで、ではなぜ喜ぶのかと言えば、売上の目標達成こそが日本人にとって快感だからだ。




「利益の目標達成だって達成だろ?」と言われそうですが、達成感って奴を考えてみると、何かを積み上げるから達成感が生まれる訳で、差し引いた物から達成感は生まれない。
例えば強敵の鎧を貫くために、修行して強力な武器を手に入れるのは達成感がありますが、自分の武器の質に合わせるために、強敵の鎧に硫酸をかけて脆くするのは、これっぽっちも達成感を生み出さない。
強敵を打ち倒すという目的から見れば、相手の鎧を貫きさえすれば良い訳で、強力な武器だろうが、硫酸で鎧を溶かそうが、本来どっちでも良いはずなのだが、日本人は修行して強力な武器を得る事に達成感を見出だす。
言うなれば、日本人は達成感ジャンキーな訳で、生産性に快感を覚えず、達成した成果を見て快感を覚えるのだ。




「サービス残業が無くならない」「サービス残業は悪だ」というのが、今の日本の風潮だけど、目標達成に快感を感じる日本人にとっては、サービス残業が悪なのではなく、目標未達こそが悪だ。
「高い生産性をクリアし、目標達成も同時にクリアする」というのが、頭の良い人の考える未来像だろうけど、高い生産性をクリア出来ないが故に、目標達成も同時に出来ない人の存在を忘れてはいないか?
多様性を認める社会と言いながら、1つの基準で人の価値を決めるのだとしたら、それこそ生産性地獄を導きだしてしまうのではないか?




今一度、日本型経営の長所と短所を検証すべき時代が来たと思う。
日本型経営は、日本人の価値観から産まれたものなのだから、安易に他国の価値観から産まれた経営手法を採り入れても、失敗する可能性が高いのではなかろうか?
それも、経費削減という命題のみで採り入れる可能性が高い実情から言えば、より混乱する可能性が高いと思う。