人間の基本的な心理的欲求には次の3つがあると言う。
①有能感(Competence)
自分が「できる」という感覚
②自律感(Autonomy)
自分のやることを自分で決められるという感覚
③関係性(Relatedness)
居場所がある、関わっているという感覚
自分に置きかえてみてみたい。
ひとつめの有能感。もう間違いなく、「できる」「できた」という経験は単純に嬉しい。もちろん、最初からできるような簡単なことだと、この喜びは少なくなる。できそうでできないこと、自分にはとても無理だと思っていたことができるようになったときの喜びは計り知れない。
ふたつめの自律感。私は18年、個人事業主としてトレーニングのサポートをしている。だから、この自分のことを自分で決められる環境にある。それゆえ、ここに対するストレスはあまりないのが現状である。しかし、時々ではあるが、監督やスキルコーチが、私の担当しているフィジカル面に強く介入してくることがある。そうなると、とうぜん、かなりのストレスを感じる。なんで自分のことを信頼してくれないのか、そんな疑心暗鬼な気持ちにさえなってしまう。
最後の関係性。さきほどの、自律感ともつながるのだが、やはり、そこにいることで、自分にしかできない役割を感じられることは、むちゃくちゃ大切であると思う。個人事業主ということもあるが、「森下さんでなければダメだ」という存在になろうと思ってきた。居場所を感じること、超重要!
では、果たして指導している選手たちに、この3つのことを感じさせていることができているだろうか。
毎回のセッションの中で、有能感を感じるプログラムを実施できているだろうか。全てがこちらからの一方的な指示で、彼らの自律感を奪ってはいないだろうか。そして、そこに一人一人の居場所を作ることができているだろうか。
指導者側の私の考え方ひとつで、選手たちの伸びしろは、まだまだ無限にあるのだ。私が変わること、それが選手が成長する一番の近道である。