感覚と現象は違う。だから、どれだけ選手自身の感覚を引き出す事ができるがが大切ですと、School of movement代表の朝倉さんが教えてくれた。
これは、トレーニングを教える我々だけでなく、いわゆるスキルコーチもむちゃくちゃ大切なことだ。特に今は、スマホで動画撮影して、すぐに現象をフィードバックできる。コマ送りすれば、肉眼では見えないことにも気づくことができる。
でも、だからと言って、起きている事そのものを選手に伝えて動作を修正しよう、あるいはアドバイスしようとしても上手くいかない事がほとんどだ。
なぜなら、それこそが、実際に起こっている現象と選手自身の感覚にはズレがあるからに他ならない。
それはわかっていても、選手を目の前にすると、「丸まっているから、もっと胸張って」とか、「つま先荷重にならないように」とか現象面に対しての言葉がけが多くなってしまう。もちろん、それで選手自身の動きが良くなる事もあるから、その全てが悪いわけではないが。
でも、それだとその場では修正できて、指導者も本人も満足してしまいやすいが、また同じエラーが起きたときに、自分自身で修正が効かなくなってしまう可能性がある。
多かれ少なかれ、運動指導をした事がある人なら経験した事があると思うのだが、同じ失敗を繰り返す選手に「お前さ、この前も言っただろう、なんで出来ないんだよ」と、選手の理解度の低さ、あるいは努力不足な事に問題を変えてしまうのだ。
そして、それはタチの悪いことに、選手がその動きを出来なくなるばかりでなく、関係性さえ悪くしてしまうことになりかねないのだ。
では、感覚を引き出すにはどうしたら良いのか。一つのヒントが、こちらからアドバイスするのでなく、選手に聞くというやり方がある。
「今のどんな感じだった?」
「キツかったです」
今まで、そうした質問をされてこなかった選手たちは、そんな風にしか表現できない。
ならば、もうちょっと具体的に聞いてみる。
「足の裏の荷重している感覚は、どんな感じだった? つま先側? 踵より?」
「んー、少しつま先側の感じがします」
「そうか、じゃあ、次は足裏の接地の感覚を真ん中に感じてやってみて」
「どうだった?」
「さっきよりは、真ん中に乗っていたと思います」
「じゃあ、その感覚を忘れないで練習してみて」
まあ、こんなに上手くはいかないが、選手の感覚を引き出すために、質問するのは悪くない。これだと、次に自分でトレーニングする時に、足裏の感覚を求めて修正することができるのだ。
他に感覚と現象を擦り合わせること、何かできないか。
そう、実はバイオメカニクスを指導者側が理解できていると、少し伝え方は変わるかもしれない。おっと、これを書いたら本を片手に書かなければならないので、今回はここまでにしたいと思う。というか私の物理や力学の理解度では、どこまで書けるか怪しいが。
さてさて、本日は初めて私のムーブメントトレーニングを受けるチームへのセッション。
どれだけ、彼らの感覚を引き出す事ができるか。





