伝えなければいけないこと | ムーブメントコーチ ロボラガーのブログ

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ムーブメントコーチ(重心移動のスキルを指導)として、高校生や大学生中心にトレーニング指導をしております。現場での試行錯誤を書きたいと思います!

School of movement 認定 マスターコーチ

高校生と大学生の部活でのサポートを22年ほどしている。若い頃に比べると怒る事は格段に減った。下手すると冗談ばっかり言っている変なおっさんでさえある。しかし、今でも時々怒る。

それは、仲間に茶々入れるような言動があった時だ。

例えば、立ち5段跳びのトレーニングをしている時とかに、それは起こる。

目標は12.5m以上。当然、その目標値を超える選手もいるが、一方、はるか手前までしか跳ぶ事ができない選手もいる。そんな選手のパフォーマンスは、見た目的にも、いかにも不恰好である。

私は、何故彼が上手く跳べることができないか、よーく観察しようとする。だから、気づいた事があれば、次にやる前にアドバイスしたりする。

ところが、選手達の中には、そんな不恰好な選手を見た時に「アッハハハハ」と声高らかに笑う選手がいる。下手すると、それも複数の人間がだ。

そして、大抵、そういうチームだと、その上手く跳べない選手の中にも、ヘラヘラ笑いながらやってしまう選手がいる。

私は、率直に言って、こういう雰囲気のチームは大嫌いだ。だから、そんな時は、たいてい集めて、こんな話をする。

「仲間が一緒懸命にやっているのに、それを茶化すように笑うなよ。笑われた選手はどう思うよ。

俺がチームメイトだったらヤダね。勿論、茶化す選手が悪いけど、跳べない選手が誤魔化すようにヘラヘラと跳ぶなよ。それもカッコ悪いよ。でも、ハッキリ言うよ。こんなチームで強いチームは見たことないよ」と。


人間誰でも得手不得手がある。そんな事は当たり前である。また、すぐに出来る人、出来ない人もいる。だからと言って、上手く出来ない人を馬鹿にするのは最低である。私は嫌いである。

出来ないのを誤魔化すヤツも嫌いである。自分が出来ない事に向き合わない限り成長はない。自分の弱さを認める事が、その選手が伸びるための第一歩である。


Googleのプロジェクトアリストテレスで、チームの生産性を上げるには、どのようなチームがよいのかという答えで、「心理的安全性が確保されている」チームの方が、優れた個人を集めたチームより優れていたという。

まさに、そう思う。下手くそな選手、失敗した選手を、馬鹿にするチームでは、心理的安全性が確保されるわけがない。

逆に言えば、上手くいかない時に、本当に真摯にアドバイスしてくれる仲間がいたとしたら、彼はそのチームにいる事が誇りにさえ思えるだろう。


ここまで書いてきて思い出した。

私の高校野球部時代、東京都立東大和高校野球部では、監督である故佐藤道輔先生、そして助監督、学生コーチ、先輩、同期、後輩は、下手くそだからと言って馬鹿にするような選手はいなかった。むしろ、手を抜いてる選手がいた時は選手同士で罵声が飛んた。「妥協すんじゃねえ」と。

そして、手抜きのプレーや人をイジるような選手がいたら佐藤先生は烈火の如く怒った!その眼光の鋭さは尋常ではないほどだった。

「お前、ダメだよ!」と。


私は高校生という多感な時に、人として大切なことを教わった。今でも、そんは選手を見ると腹が立つのは、間違いなく高校時代のおかげである。

そして、学生に携わる限りは、この事は伝えたいと思う。

もしかすると、そのために私は東大和高校野球部にいたのではないかとさえ、長く学生に関わってきた今、そう思うくらいである。

この事を伝えるのが、私の使命かもしれない。