ゴッド・ブレス・アメリカ | Life is Like A Perfectgarden

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スター・トレックの事や見た映画 読んだ本やCDの感想などを書いています。

ゴッド・ブレス・アメリカ

2012年制作

あらすじ

平凡な中年男性フランクにある日、 最悪の事態が起きる 元妻と娘は自分を疎んじ
誤解からセクハラで有無を言わさす解雇され 医師からは脳腫瘍で余命が短いと宣告。
自分が世界の雑音を我慢し生きていた事の意味を見失う。
拳銃自殺をしようかと考えていたフランクはそんな世界の雑音に一発反撃すると決意
行動の途中に賛同された 女子高生・ロキシーと共に世界の雑音に反撃するロードムービー。


映画冒頭でいきなり 隣の部屋のTVの音は五月蠅い 声は大きい 車の止め方の悪いDQN夫婦の赤ん坊をショットガンで破裂させて始まる作品です。
絶対に 読解力のない人は見ないでほしい映画です。

一番嫌なのがこの映画の表層で誤解されたメッセージを受け取られることです。
監督はこの作品を特典映像で『相手への思いやりの気持ちを持つこと』を伝える作品と言っています。

自分は物凄く大好きな作品です。
どれぐらい好きかというと偶然レンタル落ちを安価で購入し見て面白すぎて 特典映像見たさにセル版を購入するくらい
人生ベスト10に入るくらい好きな映画です。
裏に『キックアス スーパー!より超過激なポストゼロ世代の俺たちに明日はない!』と書かれていますが本当に
キックアス スーパー!の最終系譜みたいな作品です。もはやヒーローですらないという。
(キックアスはマシュー・ヴォーン監督の スーパー!はジェームズ・ガン監督の映画作品です。
 共に 冴えない男性がヒーローとして街の本物のギャングと戦うヒーロー映画風の映画です)

あらすじに書いた『世界の雑音』とは何か 差別主義 排他的な宗教 権威からの弱者の見下し
リアリティ番組の馬鹿なセレブ アホで下品なCM 映画館でのマナー違反・・・
これらを同一に並べて殺しにかかります。

特に映画館でのマナー違反者を射殺するシーンは最高です。
自分たちではそんなリスクと感じずに 電話をする 友達と話す イキがってポップコーンを投げる
そんな方々が 何故に こいつヤバい奴じゃんと思いながら死んでいきます。

そう この映画の凄い所の一つが『世界の雑音』を演じる方の上手さです。
よく考えたら 映画の中では演技でやってるんですもんねぇ。
本当に いる こんな感じの馬鹿!!殺したい感じの馬鹿!!(おっと失礼)と思わせてくれます。

そして演じるでいうと 平凡な中年男性を演じるジョエル・マーレイさん(ビル・マーレイの実弟)の困り顔で全然狂気に見せない感じと
女子高生・ロキシー演じるタラ・リン・バーさん(キックアスではクロエ・モレッツ スーパー!ではエレン・ペイジの役回り)が本当にかわいらしく 狂気の似合う 狂気に目を輝かす感じのアンサンブルが最高です。
 不思議なダサい服がビックリするほどに合う二人 アメリカの風景を綺麗に見せる二人です。

そして謎のスタートレック愛が凄いです。
劇中でも『what a  Prime Directive 我々の最優先指令は何?』というロキシーにフランクが『スタートレックファンかよ』からの『スタートレックも新スタートレックも好きだ』とか
更に特典映像でも『ナチュラルボーンキラーを向こうはバルカン人』みたいだとか
『ジョージタケイ(宇宙大作戦のスールー役) の次にだよ』 とか
因みに無知なため カーダシアン三姉妹もスタトレネタかと思ったらセレブでいるんですねぇ

後 ちょっとだけ真面目に 最近『ゴッド・ブレス・アメリカ 』という言葉を聞きませんでしたか。
何年も前に その方に警笛を鳴らしているような作品です。
本当に『相手への思いやりの気持ちを持つこと』を忘れるのなら 
安全な椅子に座っていると思うかもしれないけど こちらにも考えがあると。

最後に 一応 低予算コメディーですからね!!