こんにちは。行政書士の名倉武之です。

→ 事務所HPはこちらになります。

 

2024年も1/3が経過し、GW目前です。

そろそろ、新紙幣の流通開始(7月3日)が目前に迫ってまいりました。

飲食店では新券売機の導入で頭を悩めているようです。

導入コストは「100万円/台」以上かかるケースもあるとのこと。原材料も高騰する中、個人経営者には深刻な問題です…

 

さて、今回は「少子化・高齢化※」の話題を取り上げたいと思います。

令和4年10月1日現在、

・日本の総人口は1億2,495万人

・うち、65歳以上人口は3,624万人

総人口に占める割合(高齢化率)は29.0%

これが、日本の高齢化の現状です。

これを踏まえた上で、

日本の将来(世帯の推計)

について触れたいと思います。

※過去にご紹介した少子化・高齢化のブログはこちらです。

(出所)令和5年版高齢社会白書(内閣府)より抜粋

 

先日(4月12日)、

国立社会保障・人口問題研究所による

の公表がありました。令和 2(2020)年の国勢調査を基に、2020~50年の30年間について将来推計をしています(※2020年は実データ)。

 

プレスリリース(以下、1~4の文言抜粋)では、

  1. 世帯総数は2030年をピークに減少、2050年の平均世帯人員は 1.92人に
  2. 2050年には単独世帯が44.3%、2,330万世帯に
  3. 65歳以上の高齢世帯数のピークは2045年、75歳以上の世帯はいったん減少した後再度増加する
  4. 2050年の男性高齢単独世帯の6割は未婚、近親者のいない高齢単独世帯が急増

とあります。

個人的に気になるのは、

  • 単独と夫婦のみ世帯の割合

です。

当該研究所の公表データを基に、単独と夫婦のみ世帯の割合をグラフ化しました。

上図:一般世帯(全体)に占める「単独と夫婦のみ世帯」の割合

下図:一般世帯(全体)に占める「65歳以上の単独と夫婦のみの世帯」の割合

 

2050年(推計)には、65歳以上の

  • 単独世帯は20.6%(5世帯に1世帯)
  • 夫婦のみの世帯は12.1%
  • 双方を合わせると32.7%(3世帯に1世帯)

になります。

 

また、65歳以上の高齢単独世帯に占める未婚の割合は、男女ともに大きく増加(表7は、当該研究所の公表資料より一部抜粋 P.14)。

 

2050年の未婚率は

男性が約6割、女性が約3割

 

 

現在、「単独世帯、夫婦のみの世帯」であっても、子供世帯は親と独立して生活をしているケースがあります。この場合、万が一(病気、ケガ、認知症発症等で入院や施設の入居を要する等)の時には「子供が親を支える」ことも可能です。

しかしながら、今後の未婚率の増加は「完全単独世帯の増加」を意味しています。

  • 完全単独世帯において万が一の時は?

多くが第三者のサポートを要することになると思います。

「病院への付き添い、家事手伝い、金銭管理、行政等への各種手続き」等、子供や兄弟姉妹に代わり、サポートする方が必要になる場合が想定されます。

この第三者とは、多くが身近な地域・コミュニティの住民と考えられます。

 

地域・コミュニティでの相互扶助

の必要性を強く感じます。

地域・コミュニティで「孤立させない」ことです。

 

一昔前は、「地域、隣人同士の繋がり」が日常的でした。

・町内に誰が住んでいるかを知っている

・町内会や自治会への加入している

・地域の交流への参加している

も当たり前の時代もありました。

 

下表は、総務省による「自治会・町内会の活動の持続可能性について」の公表資料を基に加工したものです。人口の少ない自治体の加入率は高く、人口50万人以上の大都市の加入率はH22からR02の10年間で▲6.5%と減少し、R02の加入率は6割を下回っています。都市部では、益々、地域社会との繋がりが希薄化するように感じました。

 

 

「メリット・デメリット」、「損得勘定」で物事を考える傾向があると、地域との関わりにメリット(見返り、遣り甲斐、モチベーション等)が感じられない場合、人は地域・コミュニティから離れていく可能性があります。

 

また、プライベートが重視される時代において、『ご近所付き合い』はかなり薄れつつあります。

 

しかしながら、この先(何十年後)のことを考えると、「一昔前の関係性を取り戻す」必要性を感じます。

 

地域・コミュニティ離れを抑止するには、

 

魅力ある地域・コミュニティを目指す努力

 

が必要です。

 

先日、横浜市が「横浜市の将来人口推計」を公表しました(令和6年3月28日)。

下表は公表資料の一部抜粋です。

 

 

この推計によりますと、横浜市全18の行政区のうち、50年後の2070年に、人口が増加と推計した行政区は5つのみです。

行政区別に色分けすると以下になります(公表資料より一部抜粋

50年後、私が住む横浜市金沢区の人口は、2020年に対して▲51.3%です。

横浜市金沢区の高齢者人口(65歳以上)の割合は約30%と、横浜市で第2位です。

高齢化率の高さも影響しているように思います。

 

今回取り上げた、世帯・人口の推計は、あくまでも予測です。

予測、将来は「進み方、やり方によって変わる」ため、推計を悲観的に捉える必要はありません。

 

人口減を抑止し、高齢者に優しく、子育て世代にとって魅力がある住みやすい街づくりの在り方を、地域住民、お一人おひとりが「意識し、考え、行動すること」で将来は変えられます(変えられると信じたいものです)

 

物事を変えるには、まず現状(足元)把握から始めることが肝要です。その意味で、世帯・人口の将来推計は、参考となるデータです。

 

是非、良い方向に変えていきたいと思います。