こんにちは。行政書士の名倉武之です。

 

2023年7月4日、厚生労働省より、

2022年国民生活基礎調査

の結果が公表されました。

 

「わかってはいる」ものの

やはり、数字で見せられると、

より深刻度が増します。

 

  • 老老介護
  • 認認介護

という言葉をご存知でしょうか?

 

老老介護とは、

65歳以上の高齢者が

自分と同じ

65歳以上の高齢者を

介護している状態のこと

 

認認介護とは、

認知症の人が

自分と同じ

認知症の人を

介護している状態のこと

 

まず、老老介護の実態ですが、

過去最高の63.5%に達しました。

 

この折れ線グラフを見ると、

3年前より3.8ポイント上昇しています。

このままだと…ショボーン

 

老老介護は、

「なんとなく理解できる」

という方が多いと思いますが、

今回、改めて驚いたのは、

認認介護の実態です。

先ず、調査結果をお見せします。

 

下表(表16)は、

介護保険法の要支援又は要介護と認定された者のうち、

要支援者のいる世帯と、要介護者のいる世帯の実態です。

 

単独世帯も深刻な問題ではありますが、

私が着目したのは

「夫婦のみの世帯」です。

お二人で生活されている世帯。

この中で、

要介護者のいる世帯が

68.3%です。

 

 

続いて、下表(表17)は、

介護が必要となった主な原因です。

要介護者で は

「認知症」が 

23.6%で第一位です。

 

 

この表16と表17の結果から、

私がなぜ驚いたのか、

おわかりになるかと思います。

 

ご夫婦のみの世帯において、

身近なところに、

お子さんや、ご親戚の方が

いらっしゃるご家庭もありますが、

近くに身寄りがいない方もいます。

後者を想像してみてください。

 

ご夫婦のみの世帯において、

要介護者の割合の方が高い

・要介護者になった原因では、

 認知症が最も多い

という実態を鑑みると、

今後、認認介護は増える

ことが容易に想定できます。

 

気が付くと、

老老介護から認認介護に発展

する恐れもあるように思います。

そのように考えると、

老老介護の63.5%という数字は

とても深刻な数字だと思います。

 

また、

認認介護のリスク(問題点)

例えば、以下が考えられます。

  • 体調の管理

  ⇒ お互い体の不調を言葉に出せない…

  ⇒ お互いの体調不良に気づかない…

  • 服薬の管理

  ⇒ お互い薬を飲み忘れる…

  ⇒ 誤飲、多飲する恐れがある…

  • 食事の管理

  ⇒ お互い食事したかを忘れる…

  ⇒ 期限切れ(腐食も)の食品を食してしまう…

  • 金銭の管理

  ⇒ 金銭トラブルに巻き込まれやすい…

  ⇒ 金融機関からお金を引き出せない…

 

等です。

 

老老介護は、非常に深刻な社会問題ですが、

ご夫婦のうち、お一人がご健康であれば、

ご健康である方が、

解決方法を専門家等にご相談しながら、

これらのリスクを軽減することも可能です。

しかしながら、

お二人とも認知症になると、

どうなってしまうのかガーン

 

老老介護、認認介護という

二重の介護問題に対して、

他人事ではなく

真剣に向き合い

今後どうすればよいのか

何をすればよいのか

考えなければならないと痛感しました。

 

今の私には、何かよい解決策をご提案できる

知識や経験を持ち合わせておりませんが、

これを機に考えてみたい

と思いました。

 

幸せに暮らし続けるには、

どのような将来を描くべきか…

 

みなさんのご家庭内で、

または、お住まいの地域内で、

話し合いが必要かもしれません。