久しぶりに生徒会に顔を出した僕は、アーサーを撫でようと手を伸ばした。
「いっ!」
いつものようにアーサーに噛まれる僕の指。
アーサーは何事も無かったように去っていく。ライいわくアーサーからの愛情表現らしいのだが…。
そうならば痛い愛だと思う。歪んでいるとも思う。
愛情表現は怪我をしない形が望ましい。
傷口からはタラタラと血が流れた。
「…スザク?」
じっと傷口から流れ出る血を見ていると、ふいに声をかけられた。
「ん?」
顔をあげるとライが顔を覗き込んでくる。
伸ばされる腕。
掴まれる手。
舐められる指先。
--舐められる指先?
指先がライに舐められてる?
「えぇぇぇっ!?」
思わず叫んで立ち上がった。
ライは僕の指をくわえたまま首を傾げる。
「な…ラ…何で僕の指っ。」
纏まらない思考で何とか伝えるとライはそっと指から口を離してくれた。
傷口からまた血が浮き上がる。
「こういった怪我は舐めておけば治るんだろ?」
またくわえられる指先。
そう言う意味じゃないんだよ…と言いたかったが、ライが可愛くて何とも言えなくなってしまう。
僕は黙ってポケットから絆創膏を取り出した。