「orchestra(オルケストラ)」@参宮橋(☆☆彡)
https://www.instagram.com/orchestra_jp
2023年9月1日オープンの小川慎二シェフの劇場型カウンターイタリアン。2012年からトスカーナ州のトラットリアやモデナのミシュラン一つ星「ストラーダ ファチェンド」を経て、ミシュラン二つ星に「リストランテ サン ドメニコ」に5年勤務してスーシェフまで務めた方。
生産者、料理人、サービス、カテラトリーなどの職人がさながらオーケストラのようにコース料理を構築していることからつけられた名前で、逆にその遊び心が随所に活かされています。
イノベーティブなイタリアンに、薪を使った熾火、良いサービスを8席完全予約制のカウンターで堪能する。
通いたいと思う素敵なお店が遠いというのはとても悲しい〜!!
住所:渋谷区代々木4-1-7 森田ビル 1F
電話:03-6383-4036
定休:日・月曜
営業:17時半〜/19時半〜/20時半〜
参宮橋駅からほど近い場所の建物の1階。
灰色の塗り壁に古い感じに仕上げられた重厚な木の扉。入り口右には小さく店名。左には木の格子。
扉を開けると中はL字型のカウンターのダイニングにすぐ繋がっています。右の壁には木梨憲武が書いたという前衛的な油絵、奥の壁にも鶏の落書き的な絵が描かれています。
厨房内には薪の調理器具。
ホールには支配人でソムリエの矢島聡氏。この方、印象的に「サローネ」にいた藤巻さんと同じくらいのポテンシャルをもっている感じがします。
カウンターの上には漆塗りのランチョンプレート。
2023年11月7日夜の来訪。
19時からの道明寺さくらさんの貸し切り会です。
ディナーコース 16500円 + ティーペアリング 6600円
ティーペアリング乾杯の1杯目は白牡丹の白茶を濃いめに抽出してソーダで割ったものです。炭酸があると白茶の香りが強くなっているのがよく分かりました。ただし、甘味や酸味はないので賛否分かれるかも。
お楽しみ7種
ピアノをイメージした黒い箱が奥から運ばれてきます。ピアノと同じ塗の製法のつややかな黒。
開けると鍵盤をイメージした黒と白の皿に7種のピンチョス的な料理。
一番左がキャビアとブルーチーズのブルスケッタ。上に金箔。ブルーチーズがとても香る。トーストはブリオッシュ生地でしょうか、しっとり目で不思議と辛味を感じました。
アオリイカのラビオリ。周りは薄切りのあやめかぶで包んでいます。中にあるイカの食感が印象に残る。
イル・フィオリーノのピアディーナ。イタリアはロマーニャ州の前菜ピアディーナは薄く焼いたトルティーヤのような生地に具を巻いたもの。タップリのチーズとむっちりした小麦粉の皮とハムです。
岩手牛のヒレバーガー。小さなバンズにしっかりした牛肉。この肉の香りが強い!
ムール貝。薪の香りを着けていると行っていたような。上には玉ねぎなど香味野菜を刻んだソース。
焼いた秋刀魚に焼きなすのペーストと極薄にスライスしたマッシュルーム。
白レバーのペーストを挟んだマカロン。濃厚で素晴らしい。マカロンはカボチャかな? 周りにはピスタチオ。
これは満足度が高い。
二杯目は水出しの烏龍茶で黄金桂。少し濃いめに出しています。水出し用のボトルに茶葉を入れているのですが、引き上げをしていないためか濡れた烏龍茶葉の匂いがやや気になります。適度なところで茶葉を引き上げてしまうか、濃いめに淹れて氷にかけて冷たくした烏龍茶のほうが良いとは思ってしまった。
トルテッリーニ イン ブロード 地鶏 焼きあご パルミジャーノ
粗挽きの鶏が入る小さなパスタ、トルテッリーニ。このトルテッリーニインブロードはイタリアのマンマの味。
目の前で注いだスープは、通常の鶏だけではなく、焼きあご、ネギ、昆布、生ハム、パルミジャーノ、鶏節で取ったオリジナルのスープ。
このスープ自体の旨みが濃く、驚くほどパルミジャーノの味がします。
量は少ないけど、実に美味しい。
スプーンの構造上、どうしても最後まで掬えず、皿の底にスープが残ったの残念。最初から「アラン・デュカス」の漆の器みたいな口をつけること前提の器で提供してくれたほうが嬉しい。
愛媛 藤本さん 鰆 細造り 発酵トマト 椎茸 花穂紫蘇
アーティスティックで手間のかかった一皿。
下に敷かれているのはセルクルで円形に配された神経締めの鰆の細造り。
上に乗っているのは発酵トマトと椎茸とトマトのゼリー。
その上に椎茸とサワークリームの茶色いソースと花穂紫蘇。
鰆美味しい〜。
愛媛 藤本さん 甘鯛 ポルチーニ茸 蔓紫
甘鯛の鱗焼きです。高温で鱗をサクサクにして、身の方は薪の熾火で火を入れたもの。実に美味しい。
下に引いたクリームソースのポルチーニの香りがこれまた凄い。
蔓紫は石川県の高農園のもの。散らされているのも蔓紫の花の蕾で、これも食べるとトロミがあります。
3杯目は花茶。ジャスミンに緑茶をあわせています。
ラヴィオーロ リコッタ 法蓮草 卵黄 トリュフ + 白トリュフ 5000円
ラヴィオーロは目の前でシェフが打っています。
「サン ドメニコ」のスペシャリテ。
パスタ生地に半熟の卵黄と法蓮草とリコッタチーズ。流れ出す卵黄を絡めていただく。上にはパルミジャーノとトリュフを削りかけていますが、さらにプラスで白トリュフを削ってもらっています。
美味しいのは間違いない。
つけるのは福岡のマスカルポーネと生クリームを合わせたバターのようなホイップ。
美味しいのでペロリと食べてしまった。
4杯目は東方美人。これも少し濃い目に淹れています。
リゾット 神奈川 長谷川さん スカンピ 甘酒
スカンピは神奈川県産で長谷川さんのもの。この立派な海老が神奈川県の海にいるというのが信じられない。その身が上に半生な感じで乗っています。ブリブリ美味い!!
日本の米ではなくイタリアのカルナローリ米を生米から炊いたリゾット。とろみがありながら硬さも素晴らしい。甘酒を加えているのはここだったかな?
香味野菜とスカンピのソース。アクアレーロを使用。酸味を感じてが実に美味しい。
口直しとしては結構食感があるグラニテ。和梨にエストラゴンを混ぜ込み、イタリアのウォッカのベルベヴェルデをひとたらししています。ただ、口直しなので、エストラゴンの食感は余分だったかも。香りを移すだけのほうが良かったな。
熊本 あか牛 サーロイン
薪焼きの赤牛。さっぱりしたサーロインという話でしたが、外はパリッとして中はジューシーで素晴らしい質と火入れ。
石川軒の高農園のスティックセニョールとブラジル原産の唐辛子のビキーニョ。
つけるのは五島の塩と黒ニンニクのペースト。塩がやっぱり好き。
メニュー外のパスタ。アーリオオーリオペペロンチーノで。量を指定できるので40gで。
上にはニンニクオイルで炒ったパン粉。
60度で2時間、塊のニンニクで香りを移したニンニクオイルで作っているそう。
文句なく美味しい。
「サローネ」のアマトリチャーナ90gで食べれはしたものの撃沈した記憶がありましたから40gでした。でも、もうちょっと多くても良かったな。
モンブラン 愛媛 和栗 マスカルポーネ ラム
今日の栗は美玖里だとシェフはおっしゃられていました。
底にはラムをつけたスポンジ、とろけるようなマスカルポーネ、栗のクリーム、メレンゲとアーモンドの焼き菓子、上に栗の渋川煮と栗を削りおろしたもの。
食後のお飲み物と小菓子
ミント4種類とレモングラス、マリーゴールド。フレッシュハーブティー、爽やかでものすごく美味しい。
「カフェ・ファソン」のコーヒーもあるそうなので、次回はそちらにするか迷う。
小菓子はカンノーリ。ココアの入る薄い生地の中にたっぷりのクリーミーなリコッタ。メレンゲを蝋燭の炎で溶かしていただく。
これまた美味しい。
帰りにお土産をいただく。