もう辛い。
あなたのことばかり考えている。
あなたからの着信ばかり待っている。
鳴らない携帯に、
どうしようもなく悲しみが降り積もる。
何も手に付かなくて、
何も考えられなくて。
会いたい。
会いたい。
会いたい。
またギュッって抱きしめてよ。
優しいまなざしで私を見て。
髪をそっと耳にかけて。
「今度はいつ会える?」って、
そう言ったのはあなたなのに。
会いたい。
もう辛い。
あなたのことばかり考えている。
あなたからの着信ばかり待っている。
鳴らない携帯に、
どうしようもなく悲しみが降り積もる。
何も手に付かなくて、
何も考えられなくて。
会いたい。
会いたい。
会いたい。
またギュッって抱きしめてよ。
優しいまなざしで私を見て。
髪をそっと耳にかけて。
「今度はいつ会える?」って、
そう言ったのはあなたなのに。
会いたい。
1時をまわり、彼が現れた。
2週間ぶりに見る顔。
隣に座るKさんが帰ってくれればと心の中で願うけど、
まだまだ帰らなそうだ。
彼はカウンターに座り、
常連客と飲んでいる。
そっと席を立ち、
彼の横に小さくなって座る。
「今日、何時まで?」
そう聞くと、
私の髪を、やさしく耳にかけるようなでながら、
「2時には出るよ」
自分の席に戻り、またKさんと話す。
さっきまであんなに楽しく話していたのに、
もう会話に集中できず、
心がざわめいているのが分かる。
心が痛い。
私とKさんも、カウンターの彼の横に移動し、
マジックを見ながら、笑い合う。
マジックのタネ明かしをしようと、
必死に技を盗もうとする彼を、
愛おしく感じてしまう。
3時をまわり、
Kさんが席を立った。
やっと、二人きりの時間。
あんなに会いたくて、
話したかったのに、
うまく言葉を紡げない。
4時を過ぎ、
「もうそろそろ、オレ、行くわ」
一番聞きたくなかった言葉が胸を刺す。
「そうだね、私も帰る」
早く家に帰って、
一人で泣きたい。
コートを羽織り、バッグを手にすると、
「送っていくよ」
と、1階まで一緒に来てくれた。
タクシーを止めようとすると、
「キスしていい?」
「キスだけじゃなく、朝まで一緒にいてよ」
言葉にならない思いが、
胸の中をこだまする。
ビルの陰に隠れ、
優しいキスを繰り返す。
背の高い彼に、
背伸びをして抱きつき、
ずっと触りたかった彼の体を抱きしめる。
忍び込んでくる舌。
体を愛撫する大きな手。
厚い胸。
どうしてこんなに愛おしいんだろう。
コートのジッパーを開け、
ワンピースの下から、
彼の手が入って来る。
脚、
お腹、
背中。
大きく、温かい手が、
私の体を優しく撫でる。
ブラジャーのホックを外し、
胸を温かく包む。
外だということを忘れて、
声が漏れた。
彼の体が、
硬くなっていく。
「もっと、いちゃいちゃしてたいね」
優しいまなざしで彼が言う。
「一緒にいたい」
思わず、本音が出る私。
「でも、今日はどうしても無理なんだ。
来週、また会おう」
「じゃ、あと10秒だけ」
彼の胸に顔をうずめる。
また、彼の手が愛撫を始める。
離したくない。
行かないで。
でも、行かなきゃ。
そっと体を離し、
「来週、会おうよ」
と、再び彼が言う。
「いつ?」
「連絡ちょうだい」
「Mさんが連絡して。
きっと、Mさんの方が忙しいから」
「分かった」
タクシーを止め、乗りこむ。
彼が笑いながら手を振る。
彼が、遠ざかっていく。
タクシーの中、
ぼんやりとした頭で、
今の出来事を思い出していた。
彼の顔、
彼の声、
彼の体。
家に着くと、うずくまり、
この先のことを考えた。
どうしても手に入れることができない
「普通の幸せ」。
何度願っても、
他の男性へと心が移る。
一人をずっと愛せない。
大切にできない。
こんな自分が嫌で嫌で。
いつまでたっても愛せない。
生涯、一人身でいた方が、
周りを傷つけずに済むのに、
一人になることが怖い。
前にも、
後ろにも進めず、
ただただ後悔ばかりが頭をよぎる。
一体、いつになったら、
心は穏やかになるんだろう。
大切な人を、
大切にできる日が来るんだろう。
自分を、
ちゃんと好きになれるんだろう。
誰か、助けて。
恒例になった、週に一度の泊まり。
一年前は、泊まるなんて考えられなかったのに。
どんなに遅くまで一緒にいても、
必ず、タクシーで家に帰った。
寂しく、
どうしようもないくらい切ないタクシーでの時間。
でも今は、
週にたった一度だけど、
朝まで一緒にいられる。
火照る体を私の中に沈め、
「ずっと隣にいろよ」
彼が囁く。
一緒にいたい。
何度、繰り返し願っただろう。
彼の熱い体から、
汗が落ちる。
いとおしい彼の顔が、
目が、
体が、
私だけのものならいいのに。
「一緒にいたい。
その思いは、
一年前からずっと変わらないよ。」
そう答えた私の目から、
初めてあなたの前で、
涙がこぼれたこと、
あなたは気付いていますか?