仮想通貨とNFTを混同している人もいるみたいですが、
それぞれ別のものです。
どっちも簡単に言ってしまえば、
仮想通貨はお金で、NFTはデジタル資産です。
仮想通貨の場合、同じビットコインであればA君が持っていようがBちゃんが持っていようが区別はつきません。
いっぽうNFTでは、A君が持っているものとBちゃんが持っているものではそれぞれに固有のブロックチェーン番号が付いており、
全く別のものと区別することができます。
仮想通貨は「代替性トークン(FT)」ともいい、
NFTは日本語にすると「非代替性トークン」です。
つまり、仮想通貨の性質に「唯一無二」の証明を付与することでNFTになると考えることもできるでしょう。
両者は全く別のものを指す言葉でありながら、
どちらもブロックチェーンと深い関係のある存在なのです。
もしかしたら、なかには
正式には仮想通貨だけどNFTに近い性質のもの、
NFTとして発行されているが仮想通貨と同等の性質だと考えられるもの
があるかもしれません。
韓国の金融サービス委員会(FSC)は、
NFTの一部は仮想通貨に該当する可能性があるとし、
「NFTの暗号資産判断ガイドライン」なるものを発表しました。
これをざっくり説明すると、
NFTの規格を有していても、実質上暗号資産(仮想通貨)に該当する場合は「暗号資産利用者保護法」が適用される
というのがFSCの見解です。
ガイドラインではまずNFTが「資本市場法」の証券に該当するか判断され、
証券に該当しない場合は「暗号資産利用者保護法」の暗号資産に該当するかを判断します。
暗号資産(仮想通貨)だと認められれば、仮想通貨市場における不正取引行為の禁止や金融当局からの事業者監視が適用されることになるそうです。
仮想通貨寄りのNFTとして考えられるものは、
ほとんど同じデザインの色違いやパーツ違いといったジェネラティブコレクション、
同一コンセプトの中で展開される大規模なシリーズ作品、
商品やサービスなどの支払い手段として使用されるようなトークン性の高いNFTが挙げられます。
日本のコレクションで言ったら、
CryptoNinjaやCNPかな?
世界的有名コレクションならBAYCなどの量産型NFTが、
韓国では仮想通貨扱いになると思われます。
これらはアートとして発行されているかもしれないけど、
あまりに数が多いと「唯一無二の」とは言えないでしょう。
目の色が違うとか、
キャラクターが持っているアイテムが違うとか、
その程度の違いで数万個あるNFTの一つひとつに独自性を認めるのは難しいですよね…
FSCの決定は、NFTが本来の姿を取り戻すうえでも正しい判断になると思います。
今はまだ明確な発行数を判断基準として設定することは考えておらず、
ケースバイケースでNFTか仮想通貨かを判断していくとしています。
こういう具体的な話を、
日本でも詰められるようになるといいんだけど…