◇ならず者◇ | のーびす探検隊 ~ぷにぷにを継ぐ者~

のーびす探検隊 ~ぷにぷにを継ぐ者~

ラグナロク・オンラインの日記です。スーパーノービス 『 ちゃまる。』 の探検記録と、『 ぷにぷにを継ぐ者 』 の物語です。興味がある人は、ぜひ見て行ってください^^

全てを見透かされたような言葉に、

ちゃまるの心からもどかしい気持ちが込み上げてくる。

自分で変えようと思っても変えられない、

分からない、誰も教えてくれない、

どうしたら良いのかも分からないまま、

ただ何となく生きてきたことを実感する。


ちゃまる:『う、うるさいぷに!』

ちゃまる:『おっちゃんには分からないぷによ!』

おっちゃん:『あぁ、分からねぇな!』

おっちゃん:『逃げ腰の生き方なんてな!』

ちゃまる:『い、言ったなぷにぃ!!』


ちゃまるは無意識に短剣へ手を当てていた。

しかし、その冷たくも温かい触り心地が、

短剣をくれた母親の記憶を呼び起こし、

ちゃまるの怒りを沈めていく。

それと同時に剣を抜こうとした自分に罪悪感を抱いた。

悔しそうに歯を食いしばり握り拳を作るちゃまる。


ちゃまる:(いつも・・・いつもこの繰り返しぷにっ)

ちゃまる:『でも・・・でも自分が弱いから!』

ちゃまる:『絶対に強くなってやるんぷにぃ!!!』


おっちゃんを睨みつけるように鋭い眼光を放つ。

その一連の仕草、感情の起伏、言動を、

おっちゃんは余すことなく鋭い目つきで見ていた。

互いに交わし合う視線の緊張感を先に解いたのは、

どこか気が抜けたようにため息をついたおっちゃんだった。


おっちゃん:『そうか、お前の覚悟は分かった・・・』

ちゃまる:(・・・覚悟?)

おっちゃん:『なら良く聞くがいい』

ちゃまる:『な、なんだぷにぃ!』


ちゃまるは少し身構えながら耳を傾ける。


おっちゃん:『いいか、ここに来る奴はな』

おっちゃん:『自分の可能性を信じてやって来る奴ばかりだ』

ちゃまる:(な、何の話ぷに!?)

ちゃまる:(・・・でも何でこんなとこに来るんだぷに!)

おっちゃん:『みんな例の噂を信じてやって来る』

ちゃまる:『う、噂って・・・何のことなんだぷに!』


おっちゃん:『伝説の英雄・・・』

おっちゃん:『それになれるという噂だ』

ちゃまる:『で、伝説の英雄に・・・なれる!?』


その噂が例え嘘だとしても、

今のちゃまるなら信じてしまうほど夢のある話だった。


ちゃまる:『そ、それって本当なのかぷに?』

おっちゃん:『がっはっはっはっは!』

おっちゃん:『そんなもん、嘘に決まってるだろ!』

ちゃまる:(だ、だと思った・・・)


呆れたように肩を落とし、

少しでも期待した自分を情けなく思うちゃまる。


おっちゃん:『そうやって噂に惑わされ』

おっちゃん:『淡い期待と浅い覚悟でノービスがやって来る』

おっちゃん:『大半は半ば中途半端な奴らばかりさ』

ちゃまる:(自分は違うぷにぃ。。。)

おっちゃん:『中途半端な奴らがここに来ても中途半端にしかならねぇ』

おっちゃん:『そいつらの行く先がどうなるか知ってるか?』

ちゃまる:『ど、どうなるぷにか?』


おっちゃん:『ならず者さ!』

ちゃまる:『な、ならず者!?』

ちゃまる:『それって悪い奴ってことぷにか!?』

おっちゃん:『一概に悪いとは言えねぇが、世間一般ではそう思われてるだろうな』

おっちゃん:『ここに来た大半は、今やならず者となっている』

おっちゃん:『自分に合った不正規な職を名乗り、あちこちで悪さし捕まっている』

ちゃまる:(っえ!?)

ちゃまる:(ここはならず者になるための場所なのかぷに!?)

おっちゃん:『だからワシがならず者を育てているかのように言う連中までいる』

おっちゃん:『国もワシを警戒してこの街の警備を強化しているのさ』

ちゃまる:『ほ、本当にここに来た人たちなのかぷに?』

おっちゃん:『最初は何かの間違いじゃねぇかと思ったが』

おっちゃん:『手配書を見ればここに来た奴かどうかなんてすぐ分かる』

おっちゃん:『残念なことに、ここに来た大半の奴らが手配書に乗っていた』

ちゃまる:(や、ヤベェとこに来ちゃったのかぷに!?)

おっちゃん:『噂を信じて来るノービスはならず者の芽となる』

おっちゃん:『だからノービスは特に警戒され、見張られている』

おっちゃん:『間違いなくお前も見張られているだろうな』


ふと兵士や宿の女性の顔が浮かぶ。


ちゃまる:(確かに兵士さんは噂のこと聞いていたぷに・・・)


しかし、ちゃまるはそうであったとしても、

助けてもらったことに変わりはなく、

信じられない気持ちで一杯だった。


ちゃまる:『何かの間違いぷによ!』

ちゃまる:『そ、それに・・・僕は違うぷに!』

ちゃまる:『ならず者なんてならないぷに!』

ちゃまる:『だいたいその噂だって知らなかったし』

おっちゃん:『確かにお前を見てれば違うのは明白』

おっちゃん:『だがここに来た時点で弁解はできない』

おっちゃん:『噂を知らぬ者、しかもノービスがわざわざここには来ない』

ちゃまる:『し、知らないぷにぃ!!』

おっちゃん:『それにお前は噂を知ってしまっただろ』

ちゃまる:(うっ・・・!?)

ちゃまる:『もしかして・・・僕もならず者にするために!?』


おっちゃん:『だとしたらどうする!?』


悪魔のような形相のおっちゃんに腰が引けるちゃまる。

ならず者になり自分の手配書が母親、妹、

ゲフェンの街に知れ渡ったらどうしようという危機感に苛まれ、

ただ生唾を飲み込むことしかできなかった。