【恋に落ちた海賊王】激情⑤(リュウガ) | 恋に落ちた☆妄想女子

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読んでも何の得も無し。




パタリと、男が来なくなり、三ケ月も過ぎただろうか。

相変わらずアタシは、店を切り盛りしながら、…ずっと。



…心の何処かで、あの男が来るのを待っていた。


客を取らない訳にはいかないから、客はとるけど…。


あの男に抱かれてしまった今、もうカラダが言う事を聞きやしない。


お客さんには悪いけど…。


演技、演技、演技。


の、連続だよ…。



『…姐さぁん…。』


アタシの部屋で、アタシの膝にゴロゴロと甘えながら。

リズが、甘ったるい声で言った。


『…姐さん、ほんっとうにあの兄さんが好きなんだねぇ…。』


『…何言ってんだい。』


リズの髪を撫でながら、アタシは笑い飛ばした。


でも、リズは、ふふふと笑いながら、壁に掛けた、カレンダーを指差す。


『…だって姐さん、あの赤いシルシは、兄さんが店に来た日じゃないかぁ。

…で、最後に来た日から、ずーっと、日付がバッテンで消されていってるよ?』


…目敏いコだね。


『…兄さん、遅いね…。』


『…リズ…。』


ああもうなんて可愛いコだろうね!


アタシは、優しくリズの髪を撫でてやる。


『…いいんだよ、リズ。

…どうしたって、報われないんだ…。

とっくに、覚悟は出来てる。

…これだけ時間が空いたんだ…。

もう、来ないのかも知れないよ。


…来たとしても、ケジメを付けに来るか。』


『…姐さぁん…っ!』


『アンタが泣いて、どうするんだい…。』



『…だってリズ、知ってるものぉ。

姐さん、あの兄さんと居る時、本当に幸せそうに笑ってた。

あんなにキレイで可愛い姐さん、見た事無かったよ?

…だから。


アタシ、2人を見てるのが、好きだった…。』


リズの、その言葉は。


ずっと、ガマンしていた、アタシの心の奥に。


染み渡った。


『…あんたってコは…っ!』


ボタボタッと、涙が零れた。


『…姐さぁん…っ!』


釣られて、リズも泣き出す。




待っていては、いけない。




信じても、ダメ。




期待するのは、もっと。




それが、この世界で生きて来た、アタシが学んだ事のハズ。


『…店に出る前に、顔の腫れをどうにかしなゃならないね!』


リズの瞼にキスをして。


あたしは、笑った。


胸の傷は、じわじわとくすぶる様に、痛むだろう。


それも、受けとめる。


『…ありがとうね、リズ。』


…あの男と居る時の自分が、アタシも好きだったよ…。



ただひたすら好きで。



それだけで。




…強くならなけりゃ。


アタシはこの店と、女の子達と、


そして自分を。



守っていかなけりゃならない。



『…さ、お喋りはおしまいだよ、リズ。

今日もアンタ目当ての金づるがゴマンと来るだろうさ。

…たっぷり稼がせて貰おうじゃないか。』


『はぁい、姐さん!』



アタシは、両手で、ぱしん!と頬を叩いた。






でも、今日。




あの男は、店にやって来るんだ。







海賊王、という。







…別の人に、なって…。