しゅん
著者のウィリアムズは、プーとプーの世界に登場する仲間たちの言動に次々と哲学的意味を見出していった。A・A・ミルンが書いたクマのプーさんには西洋哲学のすべてが詰まっていると言う。一つの出来事を使って、古代ギリシア時代から、合理主義、実存主義までいくつもの哲学を描き出している。こじつけとも思われるが、いつも間にか、ウィリアムズの造り上げた「偉大なるクマ」のプーの世界に引き込まれてしまうのである。
しゅん
東京ディズニーランドでアルバイトすることになった21歳の若者。友情、トラブル、恋愛…。様々な出来事を通じ、裏方の意義や誇りに目覚めていく。秘密のベールに包まれた巨大テーマパークの<バックステージ>を描いた、史上初のディズニーランド青春成長小説である。自分がバイトをしているような気分で読むことができる。フィクションであるのに、描かれているディズニーランド裏側はどこか、リアルで、異質であった。実際の裏側はどうなっているのだろう・・・。あーさんにおすすめしたい一冊。
しゅん
接続助詞「が」に多くの用途があり、便利なため文章の中で多く使われる。
しかし、文章の勉強は「が」を警告するところから始まるものと清水は述べている。
「が」は無規定的直接性をそのまま表現するのに適している言葉である。無規定的直接性というのは、簡単に言い換えると頭に浮かんだ曖昧な表現ということである。「が」が曖昧な表現だと藤井先生が言っていた意味が理解できた。
曖昧な表現を具体的な表現にするために、考えなければならないのだ!!本当に文章を書くということは曖昧を抜け出して、書かれている2つの事実の関係を認知し表現することである。つまり文章とは認知であるのだ!
なつき
自分のスタイルを実感できるということは、自分の生を肯定できることにつながっている。自分の得意技を磨き、自分のトータルなスタイルを表現できることによって、自分の存在感を十分に味わうことができる。「上達の秘訣」は、この充実感を味わうための、いわば梯子である。
成功経験などから自分のスタイルを確立していくことが大切だ。道徳プロジェクトの成功経験からも、他の領域にも通づる自分のスタイルを模索していきたい。
しゅん
あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと―。
あたらしい僕の大学生活はこうして始まった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同級生の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いている。
(下)になり、事態はさらに複雑になり、人間関係は絡み合ってくる。人間関係に嫌になるときもあるだろうが、結局人は人を求めて生きていくのだろう。
しゅん
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。
限りない喪失と再成を描き新境地を拓いた長編小説である。村上春樹の作品は初めて読んだ。深い森を彷徨うように、するすると物語世界に引き込まれていく。
しゅん
「接続詞は、独立した選考文脈の内容を受け直し、後続文脈の展開の方向を示す表現である。」とこの本では定義している。
会話の中や文を書くときに、接続詞を乱用したり、接続詞の正しい使い方ができていなかったりすることがある。接続詞一つで、読み手に方向付けをすることが可能となるため、使い方に気をつけなくてはならないと感じた。
なつき
クラスの「みんな」の中に入っていこうとしない足の不自由な恵美ちゃんと体の弱い由香ちゃん。自分よりデキる転校生が気にくわないブンちゃん。小学生・中学生を主人公とした「友だちとはなにか」を考えさせられる物語。長編の中にいくつかのストーリーがあり、それぞれ主人公が変わっていく。さまざまな視点からとらえた「友だちのかたち」が見えてくる。重松清らしい、細かな子どもの心、変化が気持ちよく描写されている。友だち関係に悩んだり、友だちの意味がわからなくなってしまった子どもにも大人にも元気を与えてくれる温かい本である。
ありさ
発達障がいは、早期発見、早期治療がその後の成長をスムーズにすると杉山さんは述べている。
発達障がいが、虐待を引き起こす可能性が高いこと、虐待が多動や愛着障がいを引き起こし、発達障がいに類似の症状を引き起こすことも書かれている。虐待と発達障がいが密に関わっているのには驚いた。
ちなみに杉山さんは、静岡大学教育学部の教員でもあった。
なつき