“好青年”と呼ばれる豊は、日本で待つ美しく純粋な女性光子との結婚を控え、バンコクで仕事に励んでいた。そんな中、謎の美女沓子と出会い、2人は激しい性愛の日々を過ごす。日が経つにつれ、次第に愛し合っていく2人。しかし豊は迷いの末、光子との結婚を選ぶのだった。そして25年後に沓子と再会した豊は・・・。
 真実の愛とは何なのか。“好青年”の、純粋ながらも派手に揺れ動く、心の変化に注目です。

「人は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトにわかれる。」
あなたはどちらを思い出しますか?(はっち)


・・・・ちなみに私は愛したこと、かな?
 湖畔の別荘で起こった奇妙な事件。四組の家族が集まり息子の中学受験に向けての勉強合宿をしているときのことだった。物語の中心人物は、息子の受験にあまり興味がない父俊介と、その愛人である。合宿中、俊介の愛人が別荘を訪れる。しかし俊介が留守の間、その愛人が殺されるのである。俊介の妻は自分が殺したと認め、そこに居合わせた他の三家族は、その事件を隠蔽しようとする。しかし、そのうちに俊介の頭に浮かび上がってきたのは、思いがけない事件の真相だった・・・。
 読んでいてハラハラしてしまう、ミステリー小説。夜中に一人で読むことはおすすめしません。(はっち)
「経済学は難しい」そんなイメージを変えてくれた一冊。
私たちをとりまく経済をわかりやすく、面白く学ぶことができる。
金融リテラシー、つまり金融に関する知識や能力をもっていないことによって、私たちは気付かずに損をしていることがある。
損をしないためにも、金融知識を身につけたり、経済学的な考え方を学んだりすることは、人間の本能的な思考方法を見直して、よりよい選択を可能にしてくれる。
様々なリテラシーを身に付けることは、あらゆる選択をするときに重要となってくる。しかし、学校では学ぶ必要性が見いだせず、子どもの学習意欲の向上に直結しないため、授業で詳しく取り扱われないものが多い。学校で取り扱われていなかったが、社会にでたときに必要となる知識を身に付けるために、本を読んで自分の知層を厚く広くしていきたいと思った!なつき

 人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。知識を得るという行為において、人間には到底かなわないコンピューターという存在ができた。ならば、人間しかできない「創造性」を伸ばしていかなけらばならない。したがって、知識も得て、それをまた自分で変えていくというグライダー兼飛行機のような人間にならねばならないのだ。本書では、自分の思考を整理して、どうあたらしいものを作っていくのか論じている。

 お茶の水大学名誉教授でもある筆者は卒業論文にも話を展開している。「論文づくりをビールづくりだ」とたとえていたところは、非常に興味深かった。いわゆる本などを読んで情報(麦にあたる)を得る。そして、その情報をしっかり寝かせる。寝かせている間に、様々なアイデア、ヒントが舞い込んできて、寝かせていた情報が新たに生まれ変わり(醗酵)、論文(ビール)となっていくのだ。私自身、今は、情報収集をして、寝かせている状態である。しっかりとアンテナを張って、アイデア、ヒントを掴んでいきたいと思う。今、この時期に、この本を読むことができてよかった。

 しゅん

 

 うっかり足をすべらせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう。今の日本は、「すべり台社会」になっているのではないかと述べている。筆者で反貧困ネットワーク事務局であり、貧困の現場で活躍しているため、本書にも、多くの現場の声が書かれていた。そういった声には、自己責任論がはびこる日本の社会を責めるものが大多数だ。ゆえに、社会を相手取り、貧困問題解決を目指している。

 しかし、社会という大きな組織は中々変わらない。したがって、社会だけではなく、今私たちにできること、求められていることは何だろうと考えて、行動を起こしていくという意識が必要だと感じた。

しゅん

シブヤを拠点として、さまざまな人々に学びの場を提供してしているのがNPO法人「シブヤ大学」である。そこでの授業の内容や、シブヤ大学が目指している「地域密着型の新しい教育のカタチ」について知れる一冊。

卒論のテーマにしようと考えている「NPOが学校と連携することで、学校の負担を解消する手助けとなるのではないか?」という問いのヒントが本に書かれていた。

シブヤ大学は、学校応援プロジェクトを進め、NPOが学校で授業を行う活動をしようと試みている。これは、大変興味深いので、是非見に行きたい!!

なつき

学校化社会をズバッと斬った一冊。
先生や親のいうことを聞いてそれにただただ従ってきたエリートの東大生たち。彼らは、それである程度達成感を感じることができたし、頭をなでられてほめられもした。しかし、自分がなにをしたいのか、自分の考えや意思を表現できなくなってしまった。東大生から日本の課題を提起している。
学校という枠に縛られて、期待に応えよう、評価をもらおうと頑張ってきた子どもたちが学校的価値を内在化し、大人になってそれをその子どもに押し付ける。学校的価値が社会に次世代にどんどん蔓延して、右向けと言ったら右しか向かない人ばかりが増えていく。
学校は学校的価値を塀の外まで垂れ流してはいけない。学校的価値はたくさんある価値の中の一部でしかないのだ。さまざまな考えをもっていい。いま、自分になにがキモチいいかという感覚を鈍らさせない、つまり、自分のやりたいことを見つける鋭い感覚こそが「生きる力」になる。
なつき

シブヤ大学とは、渋谷区全体をキャンパスとし、さまざまな施設を教室にして授業を行っている「学びの場」である。授業内容、講師陣も多種多様。そのシブヤ大学の10授業を紹介している。様々な分野を取り上げるところや、異年齢が交流できるところ、月1回の開催なので持続可能なところなど、リベラルアーツカフェによく似ていると感じた。(まりえ)

非正規雇用の増加、不安な雇用、劣悪な賃金…。「なぜ若年労働者ばかりが過酷な就労環境におかれなければならないのか」という問いから「教育の職業的意義」の重要性を主張している。
若者は、教育を通して今の就労環境に<抵抗>すること、個々の職業分野に即した知識やスキルを学び会社に<適応>することを学ぶ必要がある。そうして、日本社会の再編に取り組まなければならないのだ。
なつき
 「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその神経科医の名医は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎硬直症、妄想癖…訪れる人も変だが、治療する医者のほうがもっと変。患者と医者の変な関係から、症状は治って?いく。はたして伊良部は名医か、ヤブ医者か、変態なのか・・・。

しゅん