プリンスの曲ベスト10 | …

i am so disapointed.

6月7日はプリンスの誕生日ということで、その数ある楽曲の中からベスト10を決めていきたい。

 

10. I Wanna Be Your Lover (1979)

 

2作目のアルバム「愛のペガサス(Prince)」からの先行シングルで全米シングル・チャートで最高11位、これがプリンスにとって初の全米トップ40ヒットとなった。当時、流行していたディスコ・ポップ的な楽曲だが、ファルセットで歌われるボーカルにはすでに記名性が感じられる。

 

 

9. When You Were Mine (1980)

 

1980年のアルバム「ダーティ・マインド」は批評家からは高い評価を受けるが、過激だとされる歌詞などが影響したせいか、セールス的にはそれほどでもなく、カットされたシングルはいずれも全米シングル・チャート圏外となっている。アルバムの2曲目に収録されたこの曲はシングル・カットはされていないものの、シンセサイザーを効果的に用いたニュー・ウェイヴ的なポップスとし魅力的であり、シンディ・ローパーが「シーズ・ソー・アンユージュアル」でカバーしたことによって知名度を上げた。

 

 

8. If I Was Your Girlfriend (1987)

 

プリンスの最高傑作とされることもある2枚組アルバム「サイン・オブ・ザ・タイムズ」からシングル・カットされたが、全米シングル・チャートでの最高位は67位とそれほど高くはなかった(同じアルバムからは3曲がトップ10ヒットとなっている)。もし自分が男ではなく、あなたのガールフレンドだったとしたら、というようなジェンダーのイシューをこの時代にして切実なテーマとして扱っている。

 

 

7. 1999 (1982)

 

ノストラダムスの大予言では、1999年に世界が滅亡するとされていて、それほど深刻ではなかったとは思うのだが、それはある程度には信じられてもいたような気がする。アメリカとロシア(当時はソ連)との冷戦が続き、核戦争の恐怖と緊張が世界を覆ってもいた。2枚組アルバムのタイトルトラックでもあるこの曲は、そんな来るべき世紀末をテーマにしたパーティーチューンである。

 

 

6. Sign O The Times (1987)

 

2枚組アルバム「サイン・オブ・ザ・タイムス」の1曲目に収録されたタイトルトラックにして先行シングルで、全米シングル・チャートで最高3位を記録した。エイズ、ドラッグ、貧困、自然災害、宇宙計画、核の恐怖といった社会的イシューを取り上げた歌詞が話題になった。

 

 

5. Purple Rain (1984)

 

プリンス自身が主演した自伝的なところもある映画「パープル・レイン」のサウンドトラックに収録された、タイトルソングである。アルバムから3枚目のシングルとしてカットされ、全米シングル・チャートで最高2位を記録した。音楽的には80年代的なパワーバラードではあるのだが、プリンスの個性が際立ったボーカルと歌詞によって、ひじょうに魅力的な楽曲となっている。

 

 

4. Little Red Corvette (1982)

 

「1999」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで最高6位、プリンスにとって初の全米トップ10ヒットとなった。時はマイケル・ジャクソン「スリラー」が大ヒットしたり、デュラン・デュランやカルチャー・クラブなどをはじめとする第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン勢の躍進により、全米ヒットチャートの雰囲気が大きく変わりつつあったような時期である。どこか違和感があるのだがなんとなく気になり、いつしかクセになっているという不思議な魅力が当時のプリンスには感じられたような気がする。

 

 

3. Raspberry Beret (1985)

 

この前の年の「パープル・レイン」がまだ売れていて、しかも発売から1年も経っていないのに、早くも次のアルバム「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」がリリースされたのには当時、ひじょうに驚かされた。しかもこれからしばらく、そのリリース自体がポップ・ミュージック界全体に影響を及ぼすような新作を毎年、コンスタントに発表していったのである。前作とは打って変わったサイケデリック路線で、アメリカではこの曲が先行シングルとしてリリース、全米シングル・チャートで最高2位を記録した。

 

 

2. Kiss (1986)

 

これもまた前作から1年も経たずにリリースされたアルバム「パレード」からの先行シングルで、全米シングル・チャートで1位に輝いた。アルバムは自身が主演した映画「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」のサウンドトラックだったが、映画そのものは「パープル・レイン」のようなヒットにはならなかった。しかし、音楽は好評で、特にこの曲の贅肉を徹底的に削ぎ落とし、シンプルなのだが強靭なファンクネスが感じられるところなど、まったく新しくてカッコよかった。

 

 

1. When Doves Cry (1984)

 

「パープル・レイン」からの先行シングルで邦題は「ビートに抱かれて」、プリンスにとって初の全米NO.1ヒットとなった。この次のシングル「レッツ・ゴー・クレイジー」も1位で「パープル・レイン」が2位、このアウトサイダー的なアーティストは世間一般的にも完全にブレイクを果たし、ポップ・アイコン化していったのであった。しかも、コマーシャリズムに迎合して無理やり分かりやすくしたとかそういうことでもなく、確かにキャッチーではあるのだが、やはりひじょうにユニークであり、当時の他のヒット曲とはまったく異なる新しいタイプのポップスであった。