30. 恋するカレン/大滝詠一
この年のオリコンアルバムランキングで年間2位に輝いた「A LONG VACATION」からのシングル・ヒット。この頃、オールディーズリバイバルのような気分が世の中にあり、それでこのようなマニアックな音楽もナウな感覚として流通していたのではないかと思える。失恋による胸の痛みと強がりというテーマもまた良かった。
29. Soul Life/近田春夫&ビブラトーンズ
それほどヒットはしなかったと思うのだが、都市生活者の生態を描写した素晴らしいアルバム「ミッドナイト・ピアニスト」収録曲。シングル「金曜日の天使」はこの曲の歌詞を変えたものである。終電車が終わってしまったら、もう始発を待つしかないという深刻な問題について言及されている。
28. ラストショー/浜田省吾
ニューミュージックなのだが時代背景的にシティ・ポップ的なライト感覚もあり、その絶妙なバランスがまた良いのだが、当時の日本人にとってのアメリカへの憧れのようなものが透けて見えるような気もするところが、またとても良い。
27. My Foreplay Music/サザンオールスターズ
「ステレオ太陽族」に収録され、シングル・カットされた「栞のテーマ」のカップリング曲でもあった。後にテレビドラマ「ふぞろいの林檎たち」で流れがちという印象も強いが、マイルドにセクシーな描写も当時の若者達をたまらない気分にさせたように思える。タイトルの「Foreplay」とは、つまり「前戯」である。
26. センチメンタル・ジャーニー/松本伊代
松本伊代のデビュー・シングルで、オリコン週間シングルで最高6位を記録した。キャッチコピーは、「瞳そらすな僕の妹」。スタイルがまだ確立していないボーカルの初々しさもまた、たまらなく良い。「花の82年組」における松本伊代はつまり、ブリットポップにおけるスウェードのような役割を果たしたのではないかと思っている。
25. いちご畑でつかまえて/松田聖子
松田聖子のアルバム「風立ちぬ」の半分は裏「A LONG VACATION」とでも呼ぶべき内容だが、この曲も大滝詠一のある曲と対になっている。ボーカルも楽曲も素晴らしいのだが、それにノベルティー的な楽しさも加わり、最高なのである。
24. 雨のウェンズデイ/大滝詠一
「A LONG VACATION」から「恋するカレン」とのカップリングでシングル・カット。情景が浮かびそうな美しい失恋ソング。
23. 千のナイフ/イエロー・マジック・オーケストラ
「A LONG VACATION」と同じ日にリリースされたアルバム「BGM」に収録。坂本龍一のソロ曲を別バージョンでやったものだが、当時、細野晴臣から「千のナイフ」みたいな曲を書いてよと言われたので、そのまま別バージョンをこのアルバム用にレコーディングしたらしい。
22. HAVANA EXPRESS/寺尾聰
オリコンアルバムランキング年間1位、しかも2位に大差をつけてのぶっちぎりだった寺尾聰「リフレクションズ」の1曲目に収録。フュージョンからの影響も感じられる快適さを追求したかのようなサウンドと、大人の渋みが感じられるボーカル。これがこの年の日本の一般大衆が求め、支持した気分だったような気もする。
21. TWO PUNKS/ザ・モッズ
日本でパンク・ロックは初期衝動的で直情的だと捉えられていたような気もするが、ザ・モッズのデビュー・アルバム「FIGHT OR FLIGHT」に収録されたこの曲は、ザ・クラッシュを思わせるレゲエからの影響や、曲のスピードが変わっていく構成なども含め、ひじょうにユニークだということができる。