リアルタイムで好きなポップソング10曲をただカウントダウンするだけのこの企画が、奇跡的に1ヶ月ぐらいは続いているのだろうか。とはいえ、急に飽きて予告もなく止める可能性は以前としてひじょうに高い。それでは、(欽ちゃんのドンと)いってみよう!
10. Sister/TSHA
TSHAと書いて「ティーシャ」と読む、ロンドンを拠点とする新進気鋭のプロデューサーによる最新EP「フラワーズ」からの1曲。コロナ禍のロックダウン期間中に初めてその存在を知った異母妹との新しい関係について歌われた、アップリフティングで希望に満ちたダンス・ポップ。
9. Worth It/Beabadoobee
フィリピン生まれでロンドン育ち、20歳のシンガー・ソングライター、ビーバドゥービーのデビュー・アルバム「フェイク・イット・フラワーズ」からの先行トラック。Z世代によるベッドルーム・ポップ的な感覚を持ちながら、90年代のオルタナティヴ・ロックから強く影響を受けた音楽性は、わりと幅広い層から支持を得ているようである。
8. Magic/Kylie Minogue
カイリー・ミノーグは最新アルバム「ディスコ」によって、80年代、90年代、00年代、10年代、20年代のすべてにおいて全英アルバム・チャートの1位に輝いたアーティストとなった。快挙である。フューチャー・ノスタルジックなこの先行シングルにも、バリバリの現役感覚を感じずにはいられなく、同世代としても励みになったりはする。
7. 射抜け!Midnight/Nao(Negicco)
楽曲派アイドル・グループ、Negiccoのリーダー、Nao☆のソロミニアルバム「gift songs」の1曲目に収録されている。聴けば聴くほどどんどん良くなってくる。夜の街に繰り出そう的なご機嫌なダンス・ポップで、「無限大の YOU & I」というフレーズもまた嬉しすぎて最高である。
6. 朝になれ/加納エミリ
コロナ禍の気分を最もヴィヴィッドに表現したポップソングということに個人的にはなっている、札幌出身、気鋭のシンガー・ソングライターにしてトラックメイカーによる素晴らしい曲。表面的な平熱感のその先にある強い思い、とでもいうような感覚がとても現在的、だと思うの。
5. Levitating (Feat. DaBaby)/Dua Lipa
アルバム「フューチャー・ノスタルジア」収録曲の、ダベイビーをフィーチャーした新バージョン。
4. Lovesick Girl/BLACKPINK
K-POPの大人気グループ、BLACKPINKの超キャッチーで最高の曲。Netflixで配信されているドキュメンタリー映像も最高で、ジャストナウな旬が実感できる。いま、これがポップだと言い切れるだけの強さを感じずにはいられない。
3. Positions/Ariana Grande
普通に良質なポップ・ミュージックだが、アリアナ・グランデならではの記名性はバッチリOK(オッケー)である。ラヴ・ソングでもありながら、ジェンダー・イコーリティーなどについても言及しているようである。アリアナ・グランデがアメリカ大統領に扮したミュージックビデオもタイムリーでありながら予見的でもあり、とても素晴らしい。
2. NIGHT ON THE PLANET -Broken World-/大森靖子
世界はあらかじめ壊れているのだという真実を直視しているその眼差しこそが本物であり、それゆえの深刻さが大森靖子の音楽にはあり、それは他のどれとも代えがたいものである。という認識をもうずっといだいているわけだが、あえて英語詞で歌われたこの曲においては、それもまた新たなフェイズに達したなという感想や感慨をいだかせるにじゅうぶんである。良いだけではなく、少なくとも私にとってはいまとても必要な音楽。存在してくれていて、本当にありがとう。
1. Therefore I Am/Billie Eilish
哲学者、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」の英訳からタイトルは取られているようで、歌い出しの歌詞は「私はあなたの友達ではない」である。シグネチャー的ともいえるダークなシンセ・ポップはしかし、「バッド・ガイ」以来ともいえるキャッチーさを持ってもいる。SNS時代のファンダムやキャンセルカルチャー的なものをも含めて、それらに対してのアイ・ドンド・ケアな精神性がじつに痛快なのである。誰もいないショッピングモールで走り回りながら、プレッツェルやドーナツやフライドポテトなどをつまみ食いしまくるミュージックビデオも、やはり最高なのであった。