Real Life Pop Top 10 (2020年10月27日付) | …

i am so disappointed.

現在、リアルタイムで好きな10曲をカウントダウンするだけの回だが、前回からちょうど1週間後になった。毎週、決った曜日にやっていくようにすると「ザ・ベストテン」みたいで面白いような気もするのだが、どうせすぐ飽きるので決めないことにする。

 

10. ハニーメモリー/aiko

 

初登場の先週と変わらず、第10位である。忘れようとしても忘れることができない、終わってしまった恋愛に対しての後悔が切々と歌われている。個人的にはこの恋を失くしてしまうぐらいならば死んだ方がましなどといつも思いながら、終わってしまえばいつの間にかすっかり忘れてしまうような底が浅い人間であるため、この曲のような想いに至ったことがないが、それでもとても良い曲だということは感じ取れるのだ。先週はミュージックビデオをお届けしたのだが、今回はライブ映像でこれもまた良い。

 

 

9. Worth It/Beabadoobee
 
フィリピン生まれ、ロンドン育ちの20歳のシンガー・ソングライター、ビーバドゥービーのデビュー・アルバム「フェイク・イット・フラワー」から、先週は「ケア」がランクインしていたが、今週はこの曲が初登場。90年代のオルタナティヴ・ロックからの影響を受けながらも、ベッドルーム・ポップ出身のZ世代的な感性が感じられて良いものである。デビュー・アルバムは全英アルバム・チャートで初登場8位を記録した。
 

 

8. Holy/Justin Bieber feat. Chance The Rapper
 
次のシングル「ロンリー」もリリースされ、そろそろトップ10圏外かとも思ったのだが、聴いているとやはり好きが溢れて止まらずに、今週も先週と変わらず8位である。現在のヒットチャートにランクインしているような人達の中では、最も好きな男性ボーカリストかもしれない。ゴスペル音楽の要素も取り入れたコンテンポラリーなポップスであり、現在の世界を覆っている祈りにも似た気分に寄り添うようなところもあるように思える。
 

 

7. Let Me Love You Like A Woman/Lana Del Rey
 
昨年の素晴らしいアルバム「ノーマン・ファッキング・ロックウェル」の延長線上にあるような、ノスタルジックな気分が感じられる曲だが、表現はより本質を捉えようとしているようにも感じられる。これが次のアルバムからの先行トラックでもあり、そのクオリティーにも期待が持てる。先週からは3ランクダウンである。
 

 

6. Levitating/Dua Lipa feat. DaBaby
 
最新アルバム「フューチャー・ノスタルジア」収録曲にダベイビーをフィーチャーしたニュー・バージョンで、今週が初登場である。ダベイビーは「ロックスター」がBLM運動のアンセムとなりロングヒットを記録しているが、そんな今年の顔とでもいうべきアーティスト同士による豪華コラボレーションである。デュア・リパのアルバムはコロナ禍がなければもっと良かったかもしれないと、リリース当時は思われたのだが、このような状況でもしっかりと支持されていて、リスニング・ミュージックとしても十分に魅力的なアーティストだと認識されたようにも思える。
 

 

5. Lovesick Girls/BLACKPINK
 
2020年はK-POPが本格的に世界的なトレンドになった年としても記憶されそうだが、その象徴となったのがBTSの「ダイナマイト」であろう。BLACKPINKはそれに続くべきグループであり、アルバムは全米、全英共に最高2位のヒットを記録したが、シングルはまだそれほどではない。やはり英語詞の曲が必要なのだろうか。それはそうとして、この曲そのものはまさに現在の旬を身にまとっているといっても過言ではないぐらい、ポップスとしての強度を強烈に感じさせてくれる。先週から2ランクアップで、トップ5入りである。
 

 

4. Positions/Ariana Grande
 
アリアナ・グランデの最新シングルで、同じタイトルのアルバムからの先行トラックでもある。ポップなR&Bとでもいうべき楽曲だが、アリアナ・グランデの記名性が高いボーカルは十分に生かされているように思える。ラヴ・ソングのようにも取れるが、ミュージックビデオにはホワイトハウスやアメリカ大統領に扮したアリアナ・グランデが登場し、このアメリカ大統領選直前というタイミングや民主党支持を表明する発言などから考えるに、マイルドにハイテクストなステイトメントでもあることは明白であろう。今週、初登場である。
 

 

3. 射抜け!Midnight/Nao☆(Negicco)
 
Negiccoのリーダー、Nao☆のミニアルバム「gift songs」から、YOUR SONG GOODによる、ダンサブルで都会的なポップス。信頼と実績のNegiccoブランドからこれもまたいままでありそうで実はなかったタイプの曲である。しかも、良い感じにハマりまくっている。脚韻を踏みまくる歌詞や、「水着でKiss Me」の時代(実に分かりにくいたとえだが、こうとしか言いようがない)を感じさせるノリがまた最高である。先週と変わらず、第3位。
 

 

2. ナイスポーズ/RYUTist
 
RYUTistの素晴らしいアルバム「ファルセット」から、個人的に特に大好きな1曲。先日、雨上がりの新潟で行われた至高の野外ライブ「ファルセットよ、響け」ではニュー・アレンジで披露された。青春の何気ないひとときで、すぐに忘れ去られそうでもあるのだが、とても大切な時間をポップソングというフォーマットで真空パックした素晴らしい作品。まるで良質な短篇小説を読んだかのような感動を、個人的には観たり聴いたりするたびに感じている。そして、いまさらまた新たに気付いたことなのだが、この曲の歌詞では一貫して「思い出はもっと 目に焼き付けろ」と主張する相手に対し、「私はそうは 全然思えない 憶えていられないこともあるよ」と反論をするくだりがある。この場面をいかにも青春という感じで微笑ましいな、ぐらいの感じで味わっていたのだが、実はこれがまさに大切だけれどももしかすると忘れ去ってしまうかもしれない、「ナイスポーズ」的な瞬間に対しての伏線になっていたのである。通勤時の多摩モノレールの駅のホームでこの曲を聴きながら、そのことに気づき、もっと大好きになったのであった。この曲にはミュージックビデオが存在していないが、以下のライブ映像の13分50秒あたりから観られるはずである。また、「ファルセットよ、響け」のライブ映像だが、1000円のチケットを購入することにより、10月28日の水曜日までアーカイブ視聴ができる。また、最終日、28時の20時からはみんなで一緒に観ながら感想などをツイートし合う「ファルセットを、呟け。」なるイベントも開催されるらしく、いろいろと盛り上がりそうである。というわけで、先週と変わらず2位なのだった。
 

 

1. 朝になれ/加納エミリ
 
とにかくこれはとても良い曲であり、いまはまだ知らない人たちにもいずれ知られるべきだと強く思わずにはいられない。というわけで、先週に続き今週も1位。曲や歌詞も良いのだが、個人的にはやはりボーカルである。表面的にはクールでドライに聴こえながらも、内面にある人間的な葛藤のようなものが滲み出てしまいがちというか、バランス的に絶妙な感じである。そして、音楽評論家の石川真男さんがアイドル・ガールズポップ専門情報サイト「ガルポ!」に発表したインタビュー記事が本当に素晴らしくて、この曲が生まれた背景や、アーティストが考えていることなどに迫りまくっている。今年、読んだアーティストインタビューの中で、個人的には最も面白かった。この曲は現在のところ、インターネットでの配信でのみ聴くことができるのだが、11月25日には7インチ・シングルがリリースされるということである。いまやアーティストやアイドルが7インチ・シングルをリリースすることもそれほど珍しくはなくなったわけだが、この曲に関しては個人的に心のベスト10、第1位はこんな曲だった的なものの再筆頭なわけであり、ぜひレコードプレイヤーの上でくるくる回りながらスピーカーから音が流れてくるという体験をしてみる必然性も大アリというものである。