2020年改訂版歴代で好きなアルバム・ベスト100(90位-81位)。 | …

i am so disappointed.

90. The Nightfly/Donald Fagen (1982)

 

スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンがリリースした初のソロ・アルバム。当時、最新ヒットアルバムの一枚として札幌のタワーレコードで買ったが、ジャズの要素を取り入れた内容はひじょうに渋く、真夜中のディスクジョッキーに扮したジャケットアートワークも含め、大人びた気分に浸ることができた。

 

 

89. Dare/The Human League (1981)

 

1982年に全米シングル・チャートでヒューマン・リーグの「愛の残り火」がポール・マッカートニー&スティーヴィー・ワンダーの「エボニー・アンド・アイボリー」を抜いて1位になった時には、これをどのように評価すればいいのか分からなかった。なぜなら、洋楽といえば全米ヒット・チャートものしかほぼ聴いていなかった私は、このようなタイプのポップソングに慣れていなかったからである。シンセサイザーを主体にしたサウンドと、ボーカルの声は低い。それぐらい新しかった上に、ポップスとしての強度も抜群で、いまや大好きなアルバムである。

 

 

88. Modern Life Is Rubbish/Blur (1993)

 

インディー・ロックにダンス・ミュージックの要素を取り入れた音楽が流行していた1991年、ブラーは「ゼアズ・ノー・アザー・ウェイ」をヒットさせた。しかし、その後は失速し、このまま一発屋としてポップ・ミューク史になお残すのではないかという雰囲気も確かにあった。そして、1993年にリリースされたこのアルバムはザ・キンクスなどの往年のブリティッシュ・ポップを感じさせる、センスとユーモアに満ちたものであった。それほど大きなヒットにはならなかったが評価は高く、この後に本格的に盛り上がっていくブリットポップ・ムーヴメントを考える上でも、ひじょうに重要なアルバムのように思える。

 

 

87. ウェルカム・プラスチックス/プラスチックス (1980)

 

80年代初頭の日本ではYMOことイエロー・マジック・オーケストラを中心とするテクノブームが巻き起こったが、テクノ御三家といわれていたバンドもあって、そのうちの一つがこのプラスチックス(他はP-MODELとヒカシュー)であった。テクノポップを表現する際に用いられた「ピコピコサウンド」なる形容は、プラスチックスにひじょうに相応しかったように思える。ポップでキャッチーなビジュアルと楽曲、メンバー全員が本職、しかもいわゆる片仮名職業に就いていて、バンドは片手間でやっているかのような軽さも、たまらなくカッコよかった。当時、中学生だった私はこのバンドが好きすぎて、美術室の机に彫刻刀でバンドロゴを彫ったりもしていた。

 

 

86. Dusty In Memphis/Dusty Springfield (1968)

 

1993年には渋谷のFRISCOや新宿のフラッグスではなくルミネの方にまだあった頃のタワーレコードなどで、いわゆる名盤と呼ばれる旧譜のCDをよく買っていた。これもそのうちの一枚で、適度に上品でおしゃれな気分になれるのがとても良かった。当時、付き合っていた女子大学生の部屋で朝のコーヒーを飲みながら聴くというような、いけすかないことをやっていた。彼女と別れた年の冬、また別の女性と新宿に「パルプ・フィクション」を観にいくと、劇中でこのアルバムから「プリーチャー・マン」が使われていた。

 

 

85. Duck Rock/Malcolm McLaren (1983)

 

「俺がマルコムだ!」という邦題に、なんともインパクトがあった。ピンクの背景とド派手にデコレーションされたラジカセのジャケットアートワークも印象的であった。マルコム・マクラレンはセックス・ピストルズの元マネージャーとして悪名高かったが、このアルバムも良い意味でインチキ臭くて最高であった。当時はまだメインストリームには広がっていなく、ストリート・カルチャーという印象の方が強かったヒップホップや、後にワールドミュージックなどとも呼ばれるようになるアフリカのポップスなどを雑食的に取り入れたとても楽しいアルバムである。

 

 

84. 綺麗/サザンオールスターズ (1983)

 

サザンオールスターズというバンドの大衆性と実験性とが、最も高いレベルで拮抗していた頃のアルバムという印象。特に矢口博康の貢献は大きかったように思える。シンセサイザーの積極的な導入や、中国残留孤児やレイシズムを題材にした曲があるかと思えば、高田みづえのカバーがヒットした昭和歌謡風の「そんなヒロシに騙されて」、「レコード・コレクターズ」誌の「シティ・ポップの名曲ベスト100」にも選ばれた「EMANON」など、バラエティーにとんでいながらも、サザンオールスターズ以外の何物でもないという記名性が明確なポップアルバムである。弘田三枝子に捧げた「MICO」も収録されている。

 

 

83. Greatest Hits/Sly & The Family Stone (1970)

 

スライ&ザ・ファミリー・ストーンのことは名前ぐらいはなんとなく知っていたのだが聴いたことがなく、浪人生だった頃にピーター・バラカンのラジオでかかった「スタンド」で初めて出会った。これはかなりカッコいいし、もしかするとプリンスのルーツなのではないだろうか、と興奮を覚えた。オリジナルアルバムにも良いものがたくさんあるのだが、ヒット曲がたくさん収録されたこのアルバムが個人的には最も好きである。

 

 

82. OK/RCサクセション (1983)

 

RCサクセションのカタログの中でもけして評価が高い方のアルバムではないし、バンドの状況も良くはなかったという。しかし、個人的にはとても思い入れがあり、いまでも大好きな作品である。先行シングル「Oh! Baby」はあまりヒットしなかったが、ビートルズからの影響も感じられる、美しく切ないバラードである。若かりし頃に書かれた曲だという「お墓」では、トロピカルな曲調で「ぼくの心が死んだところさ そしてお墓が建っているのさ」とシニカルに歌われる。「ドカドカうるさいR&Rバンド」ではご機嫌なサウンドに乗せて「子供だましのモンキービジネス」と自らを皮肉り、「指輪をはめたい」はダブルミーニングが効いている、大人のラヴ・バラードである。

 

 

81. When We All Fall Asleep, Where Do We Go?/Billie Eilish (2019)

 

最初に聴いた時には印象がいまひとつ曖昧で、その魅力がよく分からなかったのだが、聴き込むほどに分かってきた。繊細で脆弱なようでありながら、しっかりと強い芯があり、主張は明確である。そして、実際にはひじょうにエモーショナルであるというところが、とても現在的であるようにも思える。