プリンスのアルバム・ベスト10。 | …

i am so disappointed.

6月7日はプリンスの誕生日ということで、好きな10曲を選ぶのは昨年やったので、今年はアルバムを選んでカウントダウンしていきたい。

 

10. PRINCE/PRINCE

 

1979年にリリースされた、プリンスの2作目のアルバム。デビュー・アルバムの「フォー・ユー」が予算を超過してつくられたにもかかわらず期待ほど売れなかったので、急いでレコーディングされたらしい。すべての作詞・作曲・編曲、歌や演奏もほとんど自分だけでやっていて、1曲だけコーラスで他の人が参加しているという。セルフ・タイトル・アルバムだが、邦題は「愛のペガサス」である。

 

先行シングルの「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」は全米シングル・チャートで最高11位を記録し、プリンスにとって初めてのヒット曲となった。1984年にチャカ・カーンのカヴァー・ヴァージョンがヒットした「アイ・フィール・フォー・ユー(恋のフィーリング)」も収録されている。全米アルバム・チャートでの最高位は22位であった。

 

 

 

 

9. DIAMONDS AND PEARLS/PRINCE & THE NEW POWER GENERATION

 

1991年にリリースされた、プリンスにとって13作目のアルバムで、バッキング・バンドのニュー・パワー・ジェネレーションが参加した最初のアルバムである。90年代に入り、ポップ・ミュージック界のトレンドは変化していたが、それと拮抗しうる強度を持った作品で、シングル・カットされた「クリーム」は久々の全米NO.1ヒット、アルバムも最高3位を記録した。

 

 

 

8. CONTROVERSY/PRINCE

 

1981年にリリースされた4作目のアルバムで、全米アルバム・チャートでの最高位は21位であった。邦題は「戦慄の貴公子」である。音楽評論家などからは高く評価されはじめていたが、まだ人気は一般的ではなかった。後にプリンスの最大の魅力として認知されるオリジナリティーが当時は、ロックでもなければソウルでもないというように、どっちつかずのように取られて理解されにくかったのかもしれない。このアルバムのタイトル・トラックにおいては、そういったプリンスのアイデンティティーについての問いかけをも含んでいる。

 

 

 
 

 

7. LOVESEXY/PRINCE

 

1988年にリリースされたプリンスにとって10作目のアルバムで、全米アルバム・チャートでは最高11位を記録した。攻撃的な内容も持つ「ブラック・アルバム」の発売を中止した後のアルバムで、性愛の力がもたらすポジティヴィティーを讃えるような内容になっている。全裸のプリンスが描かれたアートワークも話題を呼んだ。CDやストリーミングではアルバム全体が1トラックになっていて、曲順を組み替えて聴くことができないようになっている(後にプレスされたCDには、曲ごとにトラックが振り当てられているものもあったが)。

 

 

 

6. DIRTY MIND/PRINCE

 

1980年にリリースされた、プリンスにとって3作目のアルバムで、全米アルバム・チャートでの最高位は45位であった。ニュー・ウェイヴやファンクの要素もあり、クリエイティヴィティに満ち溢れた作品として批評家から評価がひじょうに高いアルバムだが、当時はあまり理解されなかったようだ。歌詞には過激な性的描写も見られる。

 

 

 

5. 1999/PRINCE & THE REVOLUTION

 

1982年にリリースされた5作目のアルバムで、全米アルバム・チャートで最高7位を記録した。このアルバムからシングル・カットされた「リトル・レッド・コルヴェット」が初の全米トップ10入りを果たし、一気に知名度を上げることになった。マイケル・ジャクソン「スリラー」やデュラン・デュラン、カルチャー・クラブなどの第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン勢が全米チャートを席巻していた頃に、プリンスもまた一般レベルでのブレイクを果たしたといえる。

 

 

 

4. AROUND THE WORLD IN A DAY/PRINCE & THE REVOLUTION

 

1985年にリリースされた7作目のアルバムで、全米アルバム・チャートでは1位に輝いている。しかし、一般的にこの手の企画での順位はもっと低い。一般的に大ブレイクして時の人となったが、間髪入れずに、このサイケデリックでそれほどコマーシャルとはいえないアルバムを、先行シングルも無しにリリースし、しかもヒットさせることによって一過性のトレンドにとどまらぬ、しっかりとしたアーティスト性をアピールした作品のように、個人的には記憶している。1985年にはなぜかサイケデリックが流行っていたのだが、いわゆる80年代的な物質主義が行きすぎかけた時に、程よい精神性のようなものがなかなか良かったのではないか、とは思っている。というような時代背景を抜きにしても、純粋にカッコいいポップ・アルバムだと思うのだが。

 

 

 

3. PARADE/PRINCE & THE REVOLUTION

 

1986年にリリースされた8作目のアルバムで、全米アルバム・チャートでは最高3位を記録した。プリンス自身が主演をした映画「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」のサウンドトラックでもあるのだが、この映画自体は忘れ去られているし、当時、渋谷の映画館に観に行った私もまったく印象に残っていない。シングル・カットされて全米シングル・チャートで1位になった「キッス」は、贅肉を極限まで削ぎ落としたものすごくシンプルなサウンドでありながら、ちゃんとダンサブルでファンキーというすごい曲であった。アルバム全体も虚飾にまみれた80年代(その側面もまた好きではあるのだが)にあって、実にストイックな音づくりがされていて、アートフォームとしても最高にカッコいいと思った。このアルバムが私にとって、プリンスのベストだった時期もわりと長かったはずである。

 

 

 

2. SIGN O' THE TIMES/PRINCE

 

1987年にリリースされた9作目のアルバムで、全米アルバム・チャートでの最高位は6位である。「1999」はLPレコード2枚組だったが、CDでは1枚にまとめられていた。このアルバムはCDでも初めての2枚組であった。社会的イシューに言及したタイトル・トラックにして先行シングルをはじめ、別キャラクターで歌っていたり、シーナ・イーストンとデュエットしたり、日本でのライヴ音源が入っていたり、とてもバラエティーにとんだ内容である。クリエイティヴィティが炸裂していて、これをプリンスの最高傑作とするのが一般的だともいえる。1998年に出版された「80sディスク・ガイド」という本に掲載された常盤響との対談記事で、小山田圭吾もこのアルバムを80年代の10枚に選んでいた(常盤響は「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」だった)。

 

 

 

1. PURPLE RAIN/PRINCE & THE REVOLUTION

 

1984年にリリースされた6作目のアルバムで、プリンス自身が主演した映画「パープル・レイン」のサウンド・トラックでもある。全米アルバム・チャートで1位、シングル・カットされた「ビートで抱かれて」「レッツ・ゴー・クレイジー」が1位、「パープル・レイン」が2位で、つまり大ヒットである。プリンスというアーティストもその作品も普通ではない、非凡である。それがアメリカで大ヒットしてしまったという不思議、バック・バンドのレヴォリューションとは「革命」を意味するが、そのメンバーの性別や人種は様々であり、音楽性を象徴していたともいえる。つまり、多様性の肯定である。「ビートに抱かれて」はベースラインも無い、ひじょうに特殊な全米NO.1ヒットである。「パープル・レイン」はペンライトを揺らしながら聴きほれたくなるタイプのパワー・バラードでもあり、エモーショナルなギター・ソロやシャウトもある。この全米で売れまくったアルバムに収録されたうちの1曲は、マスターベーションの描写からはじまる。これがプリンスのベスト・アルバムなのではないかと、いまは思っている。