「キングオブコント2019」について。 | …

i am so disappointed.

コント日本一を決めるというような名目のお笑いコンテスト番組「キングオブコント」が今年も放送されたため、その感想のようなものを適当に書いておきたい。

 

ここ数年間はほぼリアルタイムで視聴することができていたのだが、今年は仕事で観ることができず、妻に録画をお願いしておいた。それでも経過や結果が気になり、iPhoneでチェックはしていたのだった。

 

昨年から決勝進出者が事前には公表されず、番組中にはじめて分かるという形式になり、賛否両論を呼んでいるようである。あらかじめ発表されていた準決勝進出者34組から10組が選ばれ、他のお笑いコンテスト番組にありがちな敗者復活の制度は存在しない。

 

個人的な好みで、決勝進出がこの10組ならいいなと思っていたのは、蛙亭、かが屋、空気階段、GAG、ジェラードン、ジャルジャル、ビスケットブラザーズ、ファイヤーサンダー、マヂカルラブリー、ロングコートダディで、よしもとクリエイティブエージェンシー所属がやはり多くなってしまう。綿ナベエンターテインメント所属のファイヤーサンダーは昨年の「ABCお笑いグランプリ」で優勝し、ネタのクオリティーも高いにもかかわらず、いまひとつ話題になっていないような気がしたので、「キングオブコント」のファイナリストになることが箔がつけばいいと思ったのもある。マセキ芸能者所属のかが家はとにかくお笑いファンの間で評判をよく聞き、ガールズバーで働く女子大学生も名前をあげていたので、これはぜひ観てみたいと思っていた。空気階段も評判をよく聞き、存在は認知していたものの、じつはよく知らなかった。とにかくお笑いファンの間では、かが家と空気階段が旬だという、そんな印象がなんとなくあった。

 

私の場合はお笑い全般というよりは、主にbaseよしもと→5upよしもと→よしもと漫才劇場的なお笑いがどうやら好きなようなので、蛙亭、ビスケットブラザーズ、ロングコートダディは現在におけるその流れだし、GAGとジャルジャルは過去からのそれである。ジェラードンは数ヶ月前にルミネtheよしもとで観たときに、アインシュタインの河合ゆずるファンである妻がなぜかかなり気に入ったらしいので、私もなんとなく応援しようという気になった。マヂカルラブリーはおそらく「キングオブコント」ではやらないと思うが、「あらびき団」でやっていたラップバトルのネタが好きすぎて、定期的にYouTubeで観ている。

 

私がこの10組が決勝進出すればいいのにと思っていたうちの、かが屋、空気階段、GAG、ジャルジャル、ビスケットブラザーズは選ばれたようである。10組中5組だから、かなりの高確率である。じつはこの10組についてはリーク情報がインターネット上に出回っていて、まったくその通りだったらしい。ところでGAGについては、トリオ名がGAG少年楽団だった一昨年から2年連続で決勝進出して、思わしい結果を残せていなかったため、今年は厳しいのではないかと思っていた。おもしろいし好きなのだが、「キングオブコント」にはそれほど向いていないのではないかとか、そのようなことを考えていた。それ以前に、もっとおもしろいし「キングオブコント」向けのネタがあるような気もするのだが、本当にこのチョイスが最善なのだろうか、というような典型的な素人らしい疑問をいだいたりもしていた。

 

ジャルジャルはYouTubeのチャンネルで毎日ネタを公開するというひじょうにストイックな活動を行っていて、「キングオブコント」向きではないが、かなりおおしろいネタがいくらでもある。たとえば、「関東出身のツッコミ下手な奴」「シュールなネタしそうな奴」「チャラ男番長のネタを見る奴」などである。

 

「M-1グランプリ」にもいえることだが、いまやお笑いのネタは多様化しすぎて、たとえば漫才であったりコントに限定した大会であっても、異種格闘技戦的な様相を呈し、結果には審査員の好みが強く反映しているようなところがある。それだけに、先日の「歌ネタ王決定戦2019」におけるラニーノーズの優勝には、有無をいわせぬ説得力があった。あと、今年の「歌ネタ王決定戦」が私にとって個人的に好ましかった点としては、中年男に受けそうな下品なネタをやる芸人が決勝に残っていなかったということもあるだろう。お笑いコンテスト番組もなかなか捨てたものではないと思っていた矢先の「キングオブコント2019」で、決勝進出者にもわりと観たかった人たちが選ばれていたのだが、その結果には個人的に失望を禁じえなかった。やはりこのようなお笑いコンテスト番組は、審査員の採点や結果に一喜一憂するのではなく、純粋に普段は地上波のゴールデンタイムであまり観ることができない旬の芸人によるネタがたくさん観られることだけを楽しむに限る。

 

そういった意味で、空気階段は推薦人として銀杏BOYZの峯田和伸が登場した時から良い予感はしていたのだが、完全に好きなタイプのコンビであった。世界観とワードの1つ1つがイマジネーションを広げ、快感のツボを連続して押してくるという感じで、じつに心地よく観ることができた。2人のキャラクターも対照的でありながらとても良く、他のネタももっと観てみたいと思った。あと、かが家も評判どおりの素晴らしさで、演劇的であったり時系列をうまく使ったりしていて、フレッシュな感覚があった。ゾフィーは腹話術の技術と、批評性もあり、かなり楽しめた。

 

GAGはまたしても、もっと「キングオブコント」向きのネタがあるのではないか、などと素人らしい感想を持ったのだが、今回は得点がわりと伸びた。今回のネタは確かにおもしろいのだが、「ブス」という単語がこの世から完全に無くなればいいとかなり本気で考えている私にとっては、その批評性は分かるのだが、ミソジニストのゴミみたいな連中にもカジュアルに受けそうなところが完全に気に入らなく、特に松本人志、さまぁ~ず、バナナマンという審査員に高得点だったことが、なんとなく嫌な感じであった。このような面倒くさい見方をしている人間はそれほど多くはないと思うので、もちろん取るに足らない感想ではあるのだが。

 

ジャルジャルは周波数の関係で距離が離れると日本語で話しているので英語に聞こえるという、まったくもって理解不能だが、やはり笑ってしまうアイデアを、なぜか抜群の安定感で見せてしまうという、おそるべき実力を見せつけ、2本目も空き巣というわりとありがちな題材でありながら、オリジナリティーに溢れまくった世界観を展開していた。しかもこれらのネタを、その夜のうちに公式YouTubeチャンネルにアップするという素晴らしさである。

 

うるとらブギーズは以前から実力派として評価されていたが、今回、初の決勝進出で準優勝と、大健闘であった。キャラクターに派手さはまったく感じられないのだが、職人技ともいえるネタ運びであり、審査員にとっても評価しやすかったのではないかと思う。

 

優勝したコンビについては芸風がまったく好みではないので観てもいないのだが、メンバーとファンにとってはじつにめでたいことなので良かった。

 

トータルとしては、審査員の得点はそれほど高くなかった、空気階段、かが家、ゾフィーが個人的にはおもしろく、これらのネタを観ることができたのは収穫であった。