新潟を拠点として活動するアイドルグループ、Negiccoは2003年7月20日に、やわ肌ねぎなるもののキャンペーンのために結成された。当初は1ヶ月限定の予定だったようなのだが、活動は続き、昨年で15周年を迎えた。私がこのグループの音楽を遅ればせながら初めて聴いて、すぐにファンになったのは、3年前のことであった。以来、この結成記念日には、新宿でバーベキュー、品川でカラオケ、新潟の古町商店街でフリーライブと、毎年、Negiccoのライブやイベントに参加していた。特に昨年の新潟は本当に楽しく、もしかするとあれが人生のピークだったのかもしれないとすら思っている。今年は佐渡ヶ島でコンサートならぬコン佐～渡が開催され、もちろん行きたい気持ちでいっぱいなのだが、生業で必要以上に重責がのしかかり過ぎているためにそれが叶わず、とても悲しい思いをしている。「変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵をあたえたまえ」という名言は、こういう時のためにあるのかもしれない。
悔しいのでせめてNegiccoの過去の映像でも観て気を紛らわせようと思ったのだが、それならば好きなミュージックビデオを10本選び、カウントダウンしながら好き勝手なことを書いていくというパターンのやつをやってみることにした。
10. ときめきのヘッドライナー
2013年11月6日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高20位を記録した。この曲のリリース時に、私はNegiccoの音楽をまだ聴いたことがないのだが、新宿のタワーレコードで特典会を行っているNegiccoを目撃している。ノーナ・リーヴスの西寺郷太による、ライブ向きでひじょうに盛り上がる曲である。恋愛における本命と、音楽フェスティバルのヘッドライナーとをダブルミーニング化した歌詞も秀逸であり、ビデオでは架空の大きな会場をファンで埋めつくしたNegiccoライブが疑似的に描かれているが、数年後、この風景は現実のものとなるのであった。
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9. カナールの窓辺
2015年12月26日にリリースされたシングル「圧倒的なスタイル-NEGiBAND ver.」にカップリング曲として収録された、とても美しい曲である。失われた恋に対する感傷を歌った内容で、ビデオはレコーディング風景を撮影したものとなっている。Negiccoをアイドルグループというよりは音楽アーティストとして好きな私にとっては、ひじょうに味わい深い映像である。
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8. アイドルばかり聴かないで
2013年5月29日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高23位を記録した。小西康陽が作詞・作曲・編曲ということで、いわゆる「渋谷系」的な楽曲となっている。ビデオもそのイメージに合わせたスタイリッシュなもので、当時のことはよく知らないのだが、この辺りから東京などでもファンが増えていったのだろうか。
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7. トリプル!WONDERLAND
2014年4月16日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高16位を記録した。新潟から世界へ、的な高い志と勢いが感じられる曲で、ライブでもひじょうに盛り上がる。ビデオではライトなポップ感覚と、「新潟」が強調されているところが特に最高である。
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6. あなたとPop With You!
2012年6月20日にリリースされた最高のサマー・チューンで、オリコン週間シングルランキングで最高41位を記録した。ビデオではメンバーのなんとなく冴えない表情とノリノリな様子との両方が楽しめて、とてもお得である。ヨーン・マルニの風に吹かれて、アーバンチュールな曲を踊りたくなることは間違いない。
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5. 愛、かましたいの
2016年12月20日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高14位を記録した。アルバム「ティー・フォー・スリー」の大人ポップ路線に続いて届けられたのは、オリエンタル風味も漂うユニークな楽曲であった。作詞・作曲は堂島孝平、レトロな映画館や中華料理店で撮影されたビデオでは、チャイナドレスを着たメンバーのコミカルな面も楽しむことができる。
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4. 光のシュプール
2014年12月2日にリリースされ、オリコン週間ランキングで最高5位を記録した。当時、悲願であった初のトップ10入りを果たした曲は、外部の有名アーティストではなく、活動初期からグループを支え続けてきた、connieによる作品であった。ステディーな恋人との関係について歌われたウィンターポップで、フィンランドで撮影されたビデオも楽しくて最高である。
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3. カリプソ娘に花束を
2018年2月6日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高6位を記録した。YOUR SONG IS GOODが編曲をしたカリプソ調のアレンジに音楽面における新しさを感じたが、歌詞が結婚する娘から父に宛てたものというのも、これぞ大人のアイドルポップスというべき内容である。ビデオにおけるナチュラルさも素晴らしいが、翌年にはリーダーのNao☆が結婚と、その後もアイドルを続けることを発表し、それをファンも心から祝福するという、アイドルグループとしては異例であり新しい事態への布石だったと考えると、また味わい深いものがある。
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2. サンシャイン日本海
2014年7月22日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高11位を記録した。作詞・作曲・編曲は、これがアイドルに対する初めての楽曲提供だったという田島貴男で、後にオリジナル・ラヴのアルバムでセルフ・カバーしている。生まれ育った地元にいる時のアイドルは最高、というのは、私の数少ないアイドルファンとしての体験の中で見いだした真実のようなものなのだが、この曲はNegiccoの地元である新潟を舞台にしたサマー・ポップで、ビデオも新潟のいろいろな場所で撮影されている。Negiccoを好きになると新潟に行きたくなるのだが、私が初めて行った時には、このビデオを参考にファンの方々から情報もいただきながら、いろいろなところを訪ねた。リラックスしたメンバーの表情も最高である。このビデオにも映っている新潟のランドマーク、朱鷺メッセでNegiccoはこの4年後にワンマンライブを行うことになる。
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1. ねぇバーディア
2015年8月11日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高7位を記録した。作詞・作曲は、レキシの池田貴史である。Negiccoはこのシングルのリリース直後に、当時における過去最大規模である日比谷野外大音楽堂でのライブを控えていた。楽曲は一般的なラヴ・ソングのようでもありながら、Negiccoとファンとの関係性について歌っているとも取ることができる。ビデオではメンバーのNao☆、Megu、Kaedeが個別に車、新幹線、飛行機というそれぞれの交通手段で東京に向かう。Nao☆はキュートなレインコート姿、Meguは趣味のカレー店めぐり、Kaedeは特定研究員を務める新潟薬科大学での白衣姿と、それぞれの個性が生かされたシーンも見どころである。そして、終盤で3人は合流するのだが、ここで歌詞の1人称が「あたしたち」と複数形であることが分かる。そして、メンバーが向かう先には日比谷野外大音楽堂があるという素晴らしい構成である。
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