フレディ・ギブスはラッパー、マッドリブはおもに音楽プロデューサー、トラックメイカーとしてそれぞれ名を成しているアーティストであり、この2人によるコラボレーションアルバムは、2014年の「ピニャータ」に続く2作目となる。
マイルス・デイヴィスとサン・ラから強く影響を受けたというマッドリブがクリエイトするサウンドは、ひじょうにユニークなものである。ポップ・ミュージックの歴史に敬意を払いつつ、それらをコラージュ、再構築し、まったく新しいアートをつくり上げる、1980年代の後半に私がヒップホップに夢中になったのはそのようなところだったのだが、このアルバムにはそれを思い出させるような音楽的な興奮が満ち溢れているように思える。
ひじょうに新しいと思えるサウンドではあるのだが、一方でひじょうに都会的で聴きやすい部分もあり、ヨット・ロックやシティ・ソウルがトレンドとなる時代の必然性をも感じる。
カタカナ英語を読んでいるようなセリフ的なところもあり、これもひじょうに面白い。最近、すっかり忘れっぽくなっているので、もしかすると他にもなにかあったかもしれないのだが、おそらく現時点では今年になってから聴いたすべてのニューリリースの中で、最もカッコいいのではないかと思っている。
マッドリブはこのアルバムに収録されたすべてのビートをiPadでつくったというのだから、夢のような話である。キラー・マイク、プッシャ・T、アンダーソン・パークなど、ゲストも豪華だが、主役であるフレディ・ギブスとマッドリブの存在感が前作と比べ、圧倒的である。今年の年間ベスト・アルバム候補の有力な1枚になりそうな予感がする。
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