10. 3 FEET HIGH AND RISING/DE LA SOUL
1989年にリリースされた、ヒップホップグループによるデビューアルバム。当時のヒップホップにあったマッチョ的なイメージとは真逆であり、より平和的かつ知的な方向性に好感が持てた。そして、ダリル・ホール&ジョン・オーツをもサンプリングしてしまう自由な音楽性とコラージュ感覚が最高であった。
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3 Feet High & Rising
18,137円
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9. A LONG VACATION/大滝詠一
1981年にリリースされたシティ・ポップの名盤。爽快感溢れるリゾート感覚のポップスに新しさを感じ、また、アルバムの内容をうまくあらわしたジャケットは部屋に飾っておきたくなった。
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A LONG VACATION 30th Edition
2,331円
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8. FOR YOU/山下達郎
1982年にリリースされた山下達郎の6枚目のアルバムで、とにかくすごく売れた。前の年にリリースされ、オリコン年間アルバムチャートで2位の大ヒットとなった大滝詠一「A LONG VACATION」と同じく、こちらもリゾート感覚に溢れている。先日、読んだ萩原健太さんの「80年代 日本のポップス・クロニクル」でも書かれていたが、当時、この2枚はセットで記憶されがちであった。「A LONG VACATION」が永井博、「FOR YOU」が鈴木英人と、ジャケットのアートワークにイラストレーターが起用されていたことも共通点である。
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FOR YOU (フォー・ユー)
2,164円
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7. THE VELVET UNDERGROUND AND NICO/THE VELVET UNDERGROUND AND NICO
ロック名盤ガイド的なものではポップ・ミュージック史における重要作だがリリース当時はまったく売れず、しかもやや難解な内容だというようなことが書かれていたような記憶がある、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドによる1967年のデビューアルバムである。アンディー・ウォーホールによるバナナのジャケットが印象的であった。それでもこれは聴いておかなければと思い、大学生の頃に小田急相模原の駅の近くにあったレコード店で買った。ジャケットのバナナの皮はむけないタイプのやつだった。レコードに針を落としてみたところ、めちゃくちゃ聴きやすいお洒落なポップスで拍子抜けすると同時に、普通にこれは良いじゃないかと思ったのだった。その後、より複雑だったり難解だったりする曲もあり、最後はほぼカオス状態なのだが、アルバム全体としてはひじょうに楽しめた。当時、ほとんど売れなかったということだが、その後のオルタナティヴなロックやポップスの素となるものは、ほとんどこのアルバムにあったのではないかとすら思う。
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Velvet Underground & Nico
604円
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6. LOW/DAVID BOWIE
すでに解散しているバンドだったり、実質的に活動していなかったり引退しているアーティストならば過去の偉大なアーティストとして聴いてみようとも思うのだが、1980年代のデイヴィッド・ボウイは1983年に「レッツ・ダンス」を大ヒットさせたり、その後もいまひとつ大ヒットには至らない作品を出し続けたりしていたため、その機会が遅れてしまった。とにかく次々とカメレオンのようにイメージを変えると、そのようなことは「宝島」の特集かなにかで読んで知っていた。そして、トニー・ヴィスコンティとの共同プロデュースによりベルリンでレコーディングされた1977年のアルバム「ロウ」をはじめて聴いたのも1990年代になってからだった。これには本当に驚いた。私はCDで買ったのだが、LPでいうところのA面はレトロ・フューチャーとでもいうべき音楽性のめちゃくちゃカッコいいポップスが続き、B面はブライアン・イーノとの共作による「ワルシャワの幻想」からはじまるアンビエントなインストゥルメンタルである。グラム・ロック期やソウルっぽいアルバムも最高だが、やはり最も好きなのはベルリン三部作、中でもこのアルバムである。
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ロウ <2017リマスター>
1,781円
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5. LONDON CALING/THE CLASH
ザ・クラッシュが1979年の終わりにイギリスでリリースした3枚目のアルバムで、パンクロックの枠を超え、ひじょうに自由でバラエティーにとんだ内容を持つアルバムである。アメリカでは1980年になってからリリースされたため、「ローリング・ストーン」誌の80年代のアルバムベスト100的な企画において、1位に選ばれたりもしていた。
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LONDON CALLING
645円
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4. PET SOUNDS/THE BEACH BOYS
中学生の頃に角川文庫から出ていた片岡義男の小説をよく読んでいて、波乗りをテーマにした作品も多かったので、サーフィン的なものにはとても興味があった。といっても、自分でやろうとはまったく思っていなく、それを描いた作品に興味があったのだ。高校に入学すると「花の82年組」の年でアイドルブームだったので、とりあえず早見優のファンクラブに入ったのだが、ハワイ出身ということで会報にも好きな音楽はビーチ・ボーイズとカラパナとか、そのようなことが書かれていた。NHK-FMの「朝のポップス」というまったくひねりのないタイトルの番組から「サーフィンUSA」を録音して、これは良いやと繰り返し聴きまくっていた。やがて、旭川のミュージックショップ国原で「サマー・プレゼント」という日本で編集した2枚組のベスト・アルバムを買って聴いてみると、これが最高なのであった。曲順はほぼ時系列になっていて、最初の方は勢いがあってノリノリなのだが、後になるにつれて爽快感が薄れ、複雑な感じになっていくなと思っていた。このレコードを録音したカセットを、リリースされたばかりの山下達郎のベストアルバムのものと一緒に、友人たちと行ったキャンプに持って行ったのだが、やはり盛り上がるのははじめの方の曲であった。その後、ロックの歴史や名盤などについていろいろ調べていくと、どうやらビーチ・ボーイズの最高傑作は「ペット・サウンズ」というアルバムらしい。「サマー・プレゼント」でいうと、あまり爽快感がなくなる「神のみぞ知る」とかが入っているアルバムである。そんなのが本当に良いのだろうかと思っていて、大学に入学し、アルバイトの給料があり余っている時にやっと買った。それまでに1985年のアルバム「ビーチ・ボーイズ」だとかベスト・アルバム「メイド・イン・USA」などを買っているので、「ペット・サウンズ」を買うことにそれほど執着はなかったのだろう。しかし、いざ聴いてみるとこれがすごく良い。こんなに美しい音楽があったのかというほどである。そして、悲しい。この理由については、後にこのアルバムにまつわるエピソードを知って、納得したのであった。
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PET SOUNDS
591円
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3. THE QUEEN IS DEAD/THE SMITHS
1986年にリリースされたイギリスのインディー・ロックバンドによるオリジナルとしては3枚目のアルバムである。渋谷公会堂で松本伊代のコンサートを観た後、まだ宇田川町にあった頃のタワーレコードで買った。とにかくオリジナリティーの塊のようなバンドであり、ボーカルで作詞をしているモリッシーはいまでこそ哀れなネット右翼もどきの差別主義者に成り下がり、まともに取り合う価値がまったくなくなってしまったが、一時期は私が最も共感を覚え、天才ではないかと思うような詞の数々を書いていた。このアルバムにおいても、それは冴えまくっている。そして、あらゆるポップスからの影響を楽曲に生かすギタリスト、ジョニー・マーのソングライティング能力と繊細な演奏もまた素晴らしいものである。ポップ・ミュージックを言葉、メロディー、音の三位一体となった芸術と考えた場合、労働者階級のリアリティーとしての強度によって、ザ・スミスを超える存在は過去にも現在もいないのではないかと、それでも私は思っている。そして、その最高傑作がこのアルバムである。
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ザ・クイーン・イズ・デッド
1,288円
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2. カメラ・トーク/フリッパーズ・ギター
1990年にリリースされた2枚目のアルバムで、歌詞が日本語になってからははじめてである。先行シングルの「恋とマシンガン」で、フリッパーズ・ギターの日本語の曲をはじめて聴いたのだが、これがじつに衝撃的であった。私は主に海外のポップ・ミュージックを聴くリスナーだったのだが、コアの部分で最も好きなタイプの音楽はおそらく日本語で表現するのは不可能なのだろうな、と思っていた。それは私が10代の頃に海外のそのような音楽を好きになってしまったからであり、たとえば1980年の後半に登場したブルーハーツを見て、もしも14歳でこのバンドに出会っていたら海外のポップ・ミュージックを聴く必要も感じなかったかもしれない、などと思った。そして、フリッパーズ・ギターがはじめての日本語の曲で実現していたこととは、私がほぼ不可能だと決めつけていた、海外のポップ・ミュージックのような音楽性とセンスを持ったまま、日本語で歌うということであった。シングルで聴いた2曲だけならばたまたまだったかもしれないのだが、アルバム「カメラ・トーク」を発売されてすぐに買って聴くと、その日本語の歌詞はさらに冴えていて、音楽面でもネオ・アコースティックやスタイル・カウンシル的なものにとおまらず、打ち込みをはじめ、いろいろ幅広くやっていた。このアルバムを聴いたことによって、私はいつか出来るかもしれない日本語による完璧なポップ・ミュージックが、もうすでに他人によってやられていたことを知ったのであった。
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カメラ・トーク
6,950円
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1. 靖幸/岡村靖幸
日本のシンガー・ソングライターダンサー、岡村靖幸が1989年にリリースした3枚目のアルバム。一般的にはこの翌年にリリースされた「家庭教師」を最高傑作とする場合が多いようである。岡村靖幸はその音楽に対する影響をプリンス、ビートルズ、松田聖子から受けたと言っている。また、桑田佳祐、佐野元春以来となる、また新しいタイプの日本語の歌詞にも驚かされた(フリッパーズ・ギターが日本語で歌いはじめるのはこの翌年である)。そして、その内容は同世代の私にとって、ひじょうに深刻だと思える性生活や将来についてのものであった。その哲学、行動原理とは「Vegetable」で歌われていた「青春しなくちゃまずいだろう」であり、なんと「聖書」とまで題された曲においては、「奥さんもいる 妻帯者」である「35の中年」と不倫関係にある「Teenagerのあなた」に対し、「きっと本当の恋じゃない 汚れてる 僕の方がいいじゃない」と歌っている。また、「祈りの季節」においてはこの国の少子高齢化を憂い、「Boys」においては「僕達は子供の育てられるような立派な大人になれんのかなあ?」と不安になる。このアルバムにおいて投げかけられた問題はどれもまったく解決していなく、ゆえにシリアスであり続けると同時に、音楽的にも多彩なアイデアに溢れ、優れたポップアルバムとしての魅力を失っていない。
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靖幸
2,295円
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