RYUTist「ラリリレル」とやくそくの橋のことなど。 | …

i am so disapointed.

昨日、RYUTistの西興部村との関係や「口笛吹いて」という曲のことについてブログに書いて上げたわけだが、ファンの方々におかれてはこいつは何をいまさら分かりきったことについていちいち感動しているのだろうか、という感じだと思うのだが、にもかかわらず初心者にも分かりやすくツイッターで有益な情報をツイートしてくださる方がいて大変ありがたい。そして、それを知ることによってまた興味がわいて調べたりすると、これがまた良くてそのことについて書きたくなるということの繰り返しである。

 

このブログはあくまで一個人の日常の記録を目標とした、きわめてプライベートなものである。その時に最も書きたいことについて書くので、それがアイドルや音楽である場合もあれば、そうではない場合もある。更新ができなかった時のためにストックしてある記事もあるのだが、ここ数日間、それよりも書きたいことがあるのでずっと先延ばしになっている。

 

一昨年の5月15日、新潟のお祭り「古町どんどん」にNegiccoを観に行った時、同じステージで直前までライブを行っていたRYUTistを少しだけ観た。新潟駅前からバスに乗り、古町で降りてステージがある辺りまで歩いていくと、アンコールを求める人たちの声が聞こえた。ステージの前にはたくさんの人たちが集まっていて、私はかなり後の方からステージを観ることになった。RYUtistのライブパフォーマンスはひじょうに溌剌としていて、好感が持てるものであった。そして、最後に「ラリリレル、バッハハーイ!」というような独特の挨拶をしていたのが印象に残っていた。

 

この時のライブ動画はまるごとYouTubeにあったので、あの時以来はじめて視聴してみた。アンコールで歌われていたのは「Beat Goes On~約束の場所」であった。その時、私のすぐ目の前に熱心なRYUTistファンだと思われる2人の男性がいて、「オーオッ!」というような声を上げていたのが印象的だったのだが、今回、動画を観ることによってその箇所も確認できた。「ラリリレル、バッハハ~イ!」については、時間を取ってしっかりとやられていたので、初見の私でも印象に残ったわけである。それと、お辞儀がとても長くしっかりされていて、礼儀正しさが感じられる。

 

魔法の呪文のようなこの「ラリリレル」という言葉には特に意味はないのだろうと思っていたのだが、見るに見かねた(と思われる)ファンの方が重要なヒントをくださったので、その意味を理解した。

 

RYUTistにはこの言葉をタイトルにした「ラリリレル」という曲もあり、これもまたファンの方のツイートで知ったのだが、ライブでは必ずやっているのだという。それぐらいRYUTistにとって重要な曲だということである。

 

RYUTistのアルバム「日本海夕日ライン」「柳都芸妓」は好きでよく聴いていたのだが、その前の「RYUTist HOME LIVE」はじつはあまりちゃんと聴いていなかった。しかし、先日、繰り返し聴いていて、かなり好きになった。「ラリリレル」はこのアルバムに入っている。アイドルの楽曲によくある、ファンとの関係性をテーマにした内容だと思われる。WHY@DOLL「菫アイオライト」の「眩しい笑顔に1番なりたいのは キミに会えるあの場所だよ」、Negicco「さよならMusic」の「次の休みも 君に会えるの?」などが連想された。

 

「一緒に歌ってみたママの世代の歌も 不思議なくらいに新鮮に聴こえた」という歌詞があるが、RYUTistには50曲にも及ぶカヴァー曲のレパートリーがあることを、雑誌「雲遊天下」の特集で知った。昨年末に行われた「レパートリー人気投票2017」においては、カヴァー曲の1位にセイントフォー「不思議Tokyoシンデレラ」が選ばれたようである。1984年にデビューしたこのアイドルグループはパフォーマンスにアクロバットを取り入れたりして、かなりのインパクトがあった。先日、RYUTistのシングル「青空シグナル」のCDを新宿のタワーレコードで買って帰ろうとすると、セイントフォーのCDが再発されたらしく、大きく展開されていたのと、イベントに本人たちが来るという告知も見て、衝撃を受けたばかりであった。また、私が旭川の実家を出て東京で一人暮らしをしてからはじめてのクリスマスに向けてリリースされた佐野元春「Christmas Time In Blue」が10位に選ばれている。1995年~2001年生まれのメンバーによって構成されるRYUTistにとって、これらはまさに「ママの世代の歌」であろう。

 

このすぐ後に「やくそくの橋を渡って」という歌詞があるのだが、私はすぐに佐野元春の「約束の橋」を連想した。RYUTistは「Christmas Time In Blue」をカヴァーしているだけではなく、「世界は慈悲を待っている」のミュージック・クリップコンテストにおいて、「佐野元春賞」を受賞していたようである。

 

しかし、これもまた早合点であり、ファンの方のツイートによると、この「やくそくの橋」とは新潟の信濃川に架かる萬代橋のことなのではないかという説があるという。

 

「やくそくの橋を渡って 違う場所にかえる ないしょだよ 秘密言葉」

 

RYUTistがホームとしている古町に行くには、この萬代橋をわたらなければならない。そして、いまのところ私がライブで聴いたRYUTistの唯一の曲「Beat goes On!~約束の場所~」では、このように歌われる。

 

「君の輝く瞳 また会えたよ みんなが信じてた ここが約束の場所だから」

 

私がはじめて新潟の街に行った時にはiPhoneのグーグルマップアプリを頼りに行動したのだが、最も印象に残ったのは信濃川であった。私がそれまでに見て知っていたどの川よりも広かったからである。その時はNegiccoファンの方々が「サンシャイン日本海」のビデオに出てきた場所をいろいろおしえてくださったため、はじめてだったにもかかわらず有意義に過ごすことができた。新潟市歴史博物館に行くために萬代橋から下りて、信濃川の川べりを歩いて行った。ぐずついた天候だったのだが、この時に空が急に晴れわたった。バッグの中には万代バスセンターの近くのayame poppoというお店で買ったぽっぽ焼きが入っていた。「サンシャイン日本海」のビデオにも出てくるあのお店は、もう閉店してしまったらしい。川べりを歩いているのに、なぜか海の近くを歩いているような気分である。それはこの川の広さのせいだろうか。そして、海でしか見たことがないようなタイプの船も停泊していた。当たり前のことだが、川はやがて海に通じている。頭では分かっていたのだが、それをこのようなかたちで実感するのは人生ではじめての経験であった。長生きはするものである。そして、幼少期を北海道の留萌や羽幌といった町で過ごした私にとって、海といえば日本海だった。

 

夕暮れが近づいていた。学校や会社帰りの人たちが徒歩や自転車で萬代橋をわたって行った。私は旅行者であり、この風景に軽い感動を覚えていたのだが、この人たちにとっては見慣れた日常なのだと思った。何かの演劇のようなものをやっているらしき場所の前に、おそらく地元の若者たちが列をつくっていた。古町のモールによくある街の本屋さんがあって、近くの大きなスクリーンにはNegicco「矛盾、はじめました。」のビデオが映しだされていた。近くのお店でタレかつ丼を食べた。

 

何もかもが不確かであり、嘘や裏切りに満ち溢れた世界において、われわれが求めるのは約束が守られるような当たり前の安心なのかもしれない。たったそれだけのことが、ものすごく難しく、それゆえに尊いものに感じられる。「やくそくの橋」をわたり、「約束の場所」に行けば確実に守られるとするならば、それはおそらく1つの希望であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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