シェイム「ソングズ・オブ・プレイズ」を聴いた。 | …

i am so disappointed.

NMEの今年最初の号を読んでいたところ、アルバム・レヴューでシェイムというバンドの「ソングズ・オブ・プレイズ」というアルバムが大絶賛されていた。Apple Musicで検索したところ見つかったのでライブラリに追加し、聴きながら歩いて帰って来たのだが、これがすこぶる良い。

 

いわゆるインディー・ギター音楽であり、私がおそらく最も好きなジャンルなのだが、2018年においてはそれほど新しさが感じられるジャンルではない。NMEというこのイギリスの音楽メディアを私は25年以上にわたって購読しているわけだが、主にインディー・ギター音楽を取り扱いながらも、ヒップホップやエレクトロやポップスなど、様々なジャンルにも目配せしているというバランス感覚が私にはずっと丁度いい。

 

昨年末に発表された年間ベスト・アルバムとトラックの両方においてニュージーランドの女性シンガーソングライター、ロードが1位であり、それはもちろん優れた作品ではあるのだが、私の好きなインディー・ギター音楽はいよいよもう同時代の最先端から大きく後退してしまったようだな、という思いを強くしたのであった。

 

もちろんポピュラー音楽は主に若者のものではあるし、私が10代や20代の頃には同時代感覚を失った大人たちの物言いが鬱陶しくて仕方がなく、年を取ってもそんなふうにはなりたくないなと強く思っていたので、こうなればもうこっそりと退場し、かつて好んで聴いていた音楽をメインで聴きながら余生を送っていこうと、そのようなムードにもなっていたわけである。

 

ところがこのシェイムというバンドの音楽は、かなり良い。良さが分かる。たとえばザ・スミス、ストーン・ローゼズ、スウェード、アークティック・モンキーズなどが良いと思えるのとほぼ同じ感覚で、すごく良い。

 

確かに2018年というこの時代において、このジャンルの音楽はまったく新しくはないのだが、強度がすさまじい。古いとか新しいとかの話ではなく、ただただ良い。というか、大好きである。

 

サウスロンドン出身のポストパンクバンドらしい。NMEのレヴューでもザ・フォールが引き合いに出されていたし、ポストパンクといわれればそんな気もするのだが、私の感覚としては直球ど真ん中のインディー・ギター・バンドという感じである。

 

「ワン・リズラ」という曲のビデオクリップを視聴したのだが、農場のようなところで撮影されていて、ルックスも私が考える正しいインディー・バンドという雰囲気である。そして、歌詞に注目すると、「財布は空っぽで、一文無し」というようなフレーズがある。

 

そして、後半のリフレインは「You're bringing to conflict. Just let go」であり、衝突や葛藤のようなものに陥りがちであるが、それを行かせるのだというようなニュアンスの、若者らしい精神的な苦悩が感じられるものである。インディー・ギター音楽の精神性とはこのようなものであり、それゆえの必然性あってのあの音楽性なのであろう。

 

これがノスタルジーではなく、リアルでヴィヴィッドな現実感覚として捉えられるのだが、とにかく年のはじめぐらいから良いものを聴いたという気分である。

 

たとえば数ヶ月後にもこのアルバムを好きで聴いているかどうかは定かではないが、現時点では久しぶりにかなり好きな、新しいインディー・ギター・バンドによる音楽である。

 

 

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