夢の花はもっともっと咲く。 | …

i am so disappointed.

去る11月14日火曜日、新星堂サンシャインシティアルタ店での定期インストアイベントにおいて、一週間ぶりにファンの前でライブを行ったWHY@DOLLが一曲目に選んだのは、「菫アイオライト」であった。

 

WHY@DOLLのライブセットリストにおいて、最も盛り上がる曲の一曲であり、曲そのものの素晴らしさももちろんだが、ライブの回数を重ねるごとに、そのパフォーマンスも完成度を高めている。そして、この日のパフォーマンスには、いつもに増して気持ちがこもっているようにも見えた。

 

この日のMCを聞いた感じだと、この選曲はWHY@DOLLのリーダーであるちはるんこと青木千春によるもののようである。

 

その夜、ちはるんはこのイベントでのライブについて、以下のようなツイートをしている。

 

「明日で菫アイオライトをリリースして1年が経つので、節目として1曲目にアイオライトを歌ってジーンときた!この曲にはとても強く成長させられた1曲だしこれからもホワドルの道しるべになる1曲。改めてみんないつもありがとう!」

 

ちはるんがツイートにおいて言及しているように、「菫アイオライト」がWHY@DOLLのT-Palette Records移籍第一弾シングルとしてリリースされたには、いまから一年前、2016年11月15日のことであった。

 

当時、私はWHY@DOLLの名前ぐらいは知っていたかもしれないが、詳しいことについてはほとんど何も知らないといってもいいような状態であった。Negiccoの音楽が好きで、曲を聴いたりライブに行ったり、その感想のようなものをブログに書いたりしていたこともあり、ツイッターではNegiccoファンの方々を何名かフォローさせていただいていた。そして、WHY@DOLLという北海道出身のアイドルがNegiccoと同じT-Palette Recordsに移籍し、その第一弾シングルである「菫アイオライト」という曲がなかなか良いらしい、というようなツイートやリツイートをいくつか目にしたのだと思う。

 

それで、試聴してみたところ、すぐに気に入った。ダンス・ミュージックに影響を受けたカッコいい音楽に、アイドルらしくかわいいボーカルがのっているのがすごく良いと思った。iTunesのライブラリにある「菫アイオライト」のファイルを見てみると、追加日時が「2016/11/17 1:58」となっている。つまり、リリース翌日の深夜である。この時刻に、私はApple Musicにあった「菫アイオライト」を、iTunesのライブラリに追加したのである。それから、かなりの頻度で聴いていたはすである。

 

確か気になってMVも検索して視聴したはずなのだが、メンバーがずっと料理をしていて、途中で歌って踊るようなシーンもあるのだが、何となくゆるふわな雰囲気で、ライブにおけるWHY@DOLLのパフォーマンスを想像させるようなものではなかった。

 

ちょうど同じ頃に、私は堀埜浩二さんによる「アイドルばかり聴け!」という本を注文し、読みはじめていたようである。タイトルはNegiccoの「アイドルばかり聴かないで」にインスパイアされていて、本の内容はアイドルの楽曲ガイドである。最初にNegiccoの曲がたくさん紹介されていて、次に清竜人25についてはこの時点でリリースされていた全曲を取り上げるという力の入れようである。そして、確かその次にWHY@DOLLが紹介されていたはずである。

 

じつはこの時点では「菫アイオライト」をかなり気に入っていたはずの私ではあったが、WHY@DOLLというアーティスト名を何と読むのか、まだ知らなかった。この本によってやっと「ホワイドール」と読むこと、さらに「ほわどる」という愛称があることなどを知った。この時点では「菫アイオライト」しかおそらくまだ聴いていなかったと思うのだが、この本ではアルバム「Gemini」収録曲までしか取り上げられていなかった。そして、まだ聴いたことがない曲の数々について書かれているその文章を読んで、おそらくこれはかなり気に入るのではないかという予感がした。当時のブログにおいて、私は以下のように書いている。

 

続いて、WHY@DOLLであり、通称はほわどるというらしい。こちらは私が生まれ育った北海道出身のアイドルグループということで、名前だけは少し知っていた。最近、Negiccoと同じT-Palette Recordsに移籍したということで、新曲の「菫アイオライト」はApple Musicで聴いてかなり気に入っていた。この本を読んで、これは全部ちゃんと聴き込まなければならない、という気分になってきた。なんとなくこれは気に入るに違いない、という予感がしている。

そして、その予感は的中したわけである。

 

私はWHY@DOLLのアーティスト名だけではなく、すでにかなり気に入っていたはずの「菫アイオライト」の曲名すら、ちゃんと読めてはいなかった。もちろんスミレという花のことは知っていたのだが、漢字ではこのように書くことをはじめて知った。そして、その後の「アイオライト」についても、まったく分からない。それでもとにかくすごく良い曲なので何度も聴いていたし、タイトルの意味を調べてみようとも、当時は思っていなかった。

 

「アイオライト」は菫青石という鉱物の、宝石としての呼び名らしく、バイキングの時代に羅針盤として使われていたともいわれているらしい。「昔々の物語 そうやって未来を見つけた」という歌詞は、おそらくそういうことを言っているのだと思う。

 

当時、私はWHY@DOLLのことを北海道を拠点として活動しているローカルアイドルだと思い違いをしていたのだが、今年の夏にリリースされたアルバム「WHY@DOLL」が気に入り、いろいろ調べはじめた時点でやっと、数年前に上京し、いまは東京を拠点に活動していることを知ったのであった。

 

それからライブやイベントにも行くようになり、音楽やパフォーマンス、メンバーのキャラクターや現場の空気感など、どんどん好きになっていったのだが、そうなると他にももっといろいろ調べてみるわけである。そして、ここに至るには様々な紆余曲折があったのだということを知るのである。

 

メンバーの脱退やユニットとしてのコンセプトの変更など、様々な過程を経て、メジャーデビューを目指して上京することになるのだが、その時点で、メンバーはちはるんとはーちゃんこと浦谷はるなの二人になっていた。武者修行といわれるプロモーション活動の結果、ついに念願のメジャーデビューを果たすのだが、音楽性が大きく変わったことなどもあり、より幅広い層にアピールできるようになった一方で、以前からのファンがそれ以上に離れて動員が落ちるなどということもあったようである。

 

もちろん当時、私はWHY@DOLLのことをまったく知らず、これはここ数ヶ月間の間で、聞いたり読んだりしたことに過ぎない。

 

そのような過程を経てのレーベル移籍であり、このシングルには新たな出発というような意味もあったようである。当時のインタビューを読むと、ちはるんは「菫アイオライト」について、「歌詞もT-Palette Recordsへの移籍やファンとの関係性ということを踏まえた、第2の出発にふさわしい内容です」と話している。

 

「菫アイオライト」にはラップパートのような部分もあり、ここでは歌詞の中に、WHY@DOLLの過去の曲名が散りばめられている。当時、私はそのこともよく分からないまま、それでもこの曲をかなり気に入っていたのだが、WHY@DOLLをずっと応援してきたファンの人たちにとっては、これまでの歴史を踏まえて新たな一歩を踏み出すのだというような気分が実感できたのではないだろうか。

 

この部分はライブでもひじょうに盛り上がり、ちはるんがヒップホップのライブによくあるように、手の平を上下に動かし、ファンを煽るような感じになるのだが、じつは当初はちゃんとした振り付けがあったらしく、これはちはるんがアドリブでやりはじめたもののようである。

 

当時、はーちゃんはこれを見て、普段はそういうキャラクターではないちはるんが、ラップだからそうやって煽っているのだと思い、かわいいと感じたようである。

 

このラップパートのような部分に散りばめられている過去のWHY@DOLLの曲名は、全部で13曲である。順番に「向日葵」「LOVERS on EARTH」「Magic Motion No.5」「バニラシェイク」「セツナSHOOTING STAR」「曖昧MOON」「Tactics」「GAME」「ユメミルツバサ」「CANDY LOVE」「clover」「初恋☆キラーチューン」「シグナル」であり、札幌で活動していた頃の曲までも含まれている。

 

ライブでこれらを全部言えると、メンバーにほめてもらえることがある。

 

この一年間、この曲をもう何度も聴いているのだが、いまだに新鮮に聴くことができる。イントロのギター、そして、ブラスやホーンが大活躍するノリノリのイントロ、アナログ盤の針が落ちる瞬間の感動が感じられる出だしに違いない。つい先日に購入したアナログ盤「WHY@DOLL+2」のA面一曲目がこの曲であり、もちろんその体験がいまや可能になったわけだが、残念ながら私の自宅にはレコードプレイヤーが無い。

 

「WHY@DOLL+2」のリリースを記念するDJイベントが先日、開催され、私は行けなかったのだが、参加されたファンの方のブログによって、当日、「菫アイオライト」を作曲した吉田哲人さんが日本のブラス・ロックバンド、スペクトラムの「トマト・イッパツ」をかけたことを知った。私がWHY@DOLLの、特にブラスやホーンが使用された曲に無条件に反応してしまうのは、生れてはじめて行ったライブが旭川公会堂でのスペクトラムだったこととも関係があるのかもしれない。

 

「菫アイオライト」は全体的に前向きで力強く、カッコいい曲ではあるのだが、「どうしようもないと ため息 涙 後悔」「たまにネガティブばっかり 顔を出す日は」など、少しだけ弱気になる箇所がある。そこではメロディーもややメロウな感じになっていて、それがこの曲により深みをあたえているような気がする。

 

アルバム「WHY@DOLL」リリース時、吉田哲人さんが「菫アイオライト」にはスティーヴィー・ワンダーの「ゴールデン・レディ」に影響された部分がある、というようなことを言っていた。私は「ゴールデン・レディ」が収録されたスティーヴィー・ワンダーのアルバム「インナーヴィジョンズ」が大好きで、四半世紀近く聴いていて、特に「ゴールデン・レディ」は大のお気に入りなのだが、「菫アイオライト」を聴いて「ゴールデン・レディ」のことはまったく思い出さなかった。しかし、そう言われてみると確かにそうであり、さらにこの曲が楽しめるようになった。

 

吉田哲人さんには「菫アイオライト」について話せることが、三万字分ぐらいはあるということなので、いつかどこかで読んでみたいものである。

 

私がWHY@DOLLの現場にはじめて行ったのは今年の8月7日、ヴィレッジヴァンガード渋谷本店でのリリースイベントであり、その時点で私はWHY@DOLLのパフォーマンスがこんなに素晴らしいとは思っていなかったので、それほど期待はしていなかったのだが、あの「菫アイオライト」のパフォーマンスが生で観られるかもしれない、というのが大きな動機づけとなった。実際にはリハーサルの「Dreamin' Night」「あなただけ今晩は」の時点で、これは歌もダンスもかなりちゃんとしているし、これだけしっかりしたものを(すでに特典会に参加するためのCDを買っていたとはいえ)無料で、しかもこんなにも至近距離で観られていいのだろうか、と思ったのである。

 

そして、ミニライブの一曲目は、「菫アイオライト」であった。パフォーマンスは素晴らしく、大満足であった。そして、はげしい振りコピをしたりもするファンの方々にも、熱いものを感じた。いつか、あのキメのポーズなどが自分にも出来るようになりたいものだ、と思ったのであった。

 

その日のMCで、WHY@DOLLは渋谷のライブハウスで定期的にライブをやっていて、翌日は浴衣を着ての公演だということが話されていた。私はこの日がWHY@DOLLの現場に来るはじめてであり、これほど好きになるとは当時はまだ思っていなかったし、何よりも翌日は埼玉県の川口市というところにNegiccoを観に行くことになっていた。

 

ミニライブは最高だったし、特典会も楽しく、これは近いうちにまたWHY@DOLLの現場には来てしまうのだろうなと思いながら、渋谷駅でその旨をツイートしたところ、とあるNegiccoファンの方からすぐに「いいね」が付いた。

 

翌日、アリオ川口のイベント会場で、その方とは言葉を交わし、WHY@DOLLがいかに苦労しているか、地元出身のファンンの応援がいかに力になるか、というような話を聞いた。同じイベントには、私がNegiccoを好きになりはじめた頃から大変お世話になっている、また別のファンの方もいて、イベント後に川口駅近くの居酒屋で呑むことになった。とても楽しい時間である。お互いの近況報告の中で、共に最近、WHY@DOLLの現場に行っていたことを知った。

 

翌週、代々木公演野外ステージで、Negiccoとlyrical schoolとのフリーライブがあり、そのオープニングアクトとしてWHY@DOLLも出演することになっていた。当日は仕事があったので行くつもりはなかったのだが、何となくこれは行っておくべきなのではないかと思い、予定を調整したところできたので、行った。当日は雨が降っていたが、lyrical schoolのメンバーが言っていたように、それゆえにより一層、素晴らしい夏の思い出になった。

 

物販の長蛇の列に並んでWHY@DOLLのCDを買い、はじめてチェキを撮った。

 

「シグナル」の歌詞にあるように、公園通りを下りて行った。学生時代から通いなれた渋谷の街、社会人になってからは疎遠になり、以前のような思い入れはなくなってしまった。

 

8月29日、はじめてWHY@DOLLの定期公演に行った。渋谷駅前のスクランブル交差点をわたり、道玄坂を上って行く。後にマークシティ側の出口からの行き方の方が近いことを知り、それ以来、交差点は通らずに行っている。

 

「菫アイオライト」の歌い出しは、「交差点 空が見つめてる 足元 影が伸びてゆく」である。そして、「小さく広げた手のひらをひらりひらり」するが、「行き交う人に紛れ込」み、「何だか少しダメ」であり、「コツンと踵を鳴らして 顔を上げ」るわけである。

 

そして、ややメロウな「どうしようもないと ため息 涙 後悔」で、「どんな私も今の本当の私」なのだが、「眩しい笑顔に1番なりたいのは キミに会えるあの場所」なのである。

 

これはつまり、渋谷のスクランブル交差点から、「キミに会えるあの場所」こと渋谷Gladまでのことなのではないだろうか。

 

8月7日、はじめてWHY@DOLLのイベントに行くにあたり、「菫アイオライト」のパフォーマンスとはどのようなものなのかと、YouTubeで動画を探したのだが、あの主に料理のシーンが撮影されたMVしか見つからず、よく分からなかった。

 

少し前に「菫アイオライト」のDanceMovieが公開され、これによっていまや、この曲のパフォーマンスがどのようなものなのかを、簡単に視聴することが出来るようになった。もちろん、実際にライブで体験するのは、この何倍も素晴らしいし、楽しい経験ではあるのだが、この動画がどうやら渋谷Gladで撮影されているようだ、というのがまたたまらなく良い。

 

おそらくこれからも私は「菫アイオライト」を音源で、ライブで、何度も何度も楽しむことであろう。ちはるんが先日、新星堂サンシャインシティアルタ店でのイベントで、この曲をこれからも大切に歌っていきたいと言ったように、私もその瞬間を大切に噛みしめていきたいと思う。そして、やはり歌詞にあるこの言葉が、その気持ちをうまく表現してくれている。

 

「どこまでも行こう ときめきを重ねて」

 

WHY@DOLLのファンにはその人それぞれの人生があり、また、夢もあるのだろう。その実現にあたっては、思ったようにいくこともあれば、そうではないこともある。しかし、「clover」の「くじけそうな時 この歌を口ずさもう」ではないが、どんな時も絶対的に素晴らしいと思える存在があるということが、どれだけ心の支えになっていることか。WHY@DOLLとは、少なくともいまの私にとって、そのような存在である。

 

 

 

 

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