いまさらながら脇田もなりのアルバム「I am ONLY」をちゃんと聴きはじめて、その良さに打ちのめされているところである。
9月のはじめに旭川の実家に帰った時にあまりにも暇で、いろいろなブログなどを読みまくっていたのだが、その中でWHY@DOLLのアルバム「WHY@DOLL」を気に入られている方がこのアルバムを絶賛しているのを見たのだ。これは聴いてみた方がいいのではないかと思い、まずはApple Musicを検索したのだがカタログには無く、iTunesストアで購入することもできないようであった。そこでアルバムを聴くのはあきらめて、MVが公開されている何曲かをiTunesのYouTubeアプリで視聴した。グルーヴィーで、なかなか好みの音楽だと感じた。
東京に戻ってきてから、このCDはじつは買っていたのだが、それから忙しかったり、他にも聴きたいものや聴かなければいけないものがあったりして、ちゃんと聴けないままでいた。というか、気に入るのはなんとなく分かっていたので、落ち着いてじっくり聴ける時に聴こうと思っていたのかもしれない。
1曲目に収録された「IN THE CITY」という曲がすごく好きで、よく聴いたりかけたりしていたのだが、これがあまりに好きすぎるために、2曲目以降がもったいなくてまだ聴けないというような、よく分からない気分になっていたことも事実である。
脇田もなりはすでに解散してしまったEspeciaというグループの元メンバーだということであった。EspeciaはNegiccoとも関わりがあったということで、少し聴いてみたこともああったのだが、かなり好きな曲も多く、特に「きらめきシーサイド」という曲がとても気に入っていた。
「IN THE CITY」はタイトルがあらわしているように、シティポップの影響がひじょうに強い楽曲である。それでいて、アイドルポップスというよりはグルーヴ歌謡と呼びたくなるような大人っぽさもあり、それは脇田もなりのユニークかつ魅力的なボーカルが昭和歌謡テイストも感じさせるからではないかと思った。
「IN THE CITY」といえば、ザ・ジャムの最初のヒット曲とタイトルが同じであり、ザ・ジャムというかポール・ウェラーの大ファンである私にとってはマイナスに作用する可能性も高いわけだが、それでも最高にカッコイイ曲だと思えるし、やはりこの曲のタイトルは「IN THE CITY」が最もふさわしいと思えるのである。
私が旭川の高校を卒業して東京で暮らしはじめたのは、もう何十年も前のことである。その頃、最も印象深く覚えているのが、街にはたくさんの人が溢れているのだが、お互いのことをほとんど気にしていないということである。自分自身が不特定多数のうちの一人になれるし、その匿名性が心地よくもあった。この感覚は生まれながらの都市生活者にはあまりよく理解してもらえないのかもしれない。
「IN THE CTY」ではこのあたりの感覚が歌われていて、いろいろと懐かしい気分も味わうことができた。たとえば、「つながってくテールライト 工事中のブールヴァード 誰も見てもいない」という部分などである。
たとえば「つながってくテールライト」だとか「工事中のブールヴァード」だとかを、なぜ「誰も見ていない」のかというと、それが特に珍しいものでもないということもあるし、他に関心を持たなければいけないことが多々あるというような理由もあるのであろう。
逆に「つながってくテールライト」や「工事中のブールヴァード」に対し、何らかの美意識を刺激されるがゆえにわざわざ歌うのであって、この辺りの感覚がまたひじょうに好ましい。憧れの街としての都会に抱くロマンティシズムが、極上のポップ感覚として昇華されているのである。
ふと気になって脇田もなりの出身地を調べてみたところ、長崎県の五島列島だということであった。
WHY@DOLLの主催による脇田もなりとの2マンライブというのが、渋谷Gladで行われ、私はすでにそのチケットを購入していたわけだが、直前になって「I am ONLY」の良さが理解できたことにより、これはとんでもなく楽しみな2マンライブとなったわけである。「WHY@DOLL」と「I am ONLY」は、共に私のアルバム・オブ・ジ・イヤー候補であり、その2組が一気に観られるとなれば、これは楽しみに決っているわけである。
WHY@DOLLの曲はすべて好きだが、中でもいま最も熱いのは「Tokyo Dancing」である。東京の街を非日常的空間であるダンスフロアに見立て、「辛いなら忘れにおいで」「僕らの秘密のワンダーランド」と歌われる、ある意味においてのアンセムですらある。
これもまた、大阪出身の仮谷せいらによって作詞され、札幌出身のWHY@DOLLが歌い踊る、地方出身者であるがゆえの憧れの街としての東京が、舞台装置としてフルに生かされた傑作となっている。
水曜日の夜ということで、「WHY@DOLL~ほわどるに恋なのサー」の配信があり、もちろんリアルタイムで視聴した。今日はハロウィンイベントに用意したものの1回しか着ることができなかったナースの仮装での配信となった。オープニングのライブは私が大好きな「clover」であり、これで3週連続で観ることができた。この曲の内容とナース衣装とのマッチングがなかなか攻めている感じで、とてもよかった。
「20の質問」なるコーナーがあまりにも盛り上がりすぎて時間が押し、フリートークの時間は短く、生ライブは中止という状態であった。
先週の「WHY@DOLL〜ほわどるに恋なのサー〜ラジオ編」も盛り上がりすぎて時間が延びていたが、これはなかなか良い傾向だと思うのである。
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