「ほんとじゃないけど『今日はバースデイ☆』」
WHY@DOLLのすごく盛り上がる曲、「秒速Party Night」の歌い出しである。とはいえ、私事で恐縮だが、今日は本当に私の誕生日であった。何名かのほわどる繋がりの方々からお祝いのメッセージをいただき、じつにありがたい。
そして、WHY@DOLLからさらにうれしいバースデイプレゼント、というかただ無理やりこじつけただけなのだが、それは「忘れないで」「Hello Hello Hello」の動画公開であった。
先日の「WHY@DOLLのほわどるに恋なのサー」において、近日公開予定だとアナウンスされ、メンバーのスマートフォン画面越しに少しだけ流された。
前回、「恋はシュビドゥビドゥバ」の動画が公開された時には、やはり同じように「WHY@DOLLのほわどるに恋なのサー」で紹介されたのだが、翌日の昼に公開された。今回は翌々日、つまり金曜日の昼になったが、偶然にも私の誕生日と重なったというわけである。
前日の深夜に正午に公開されるというアナウンスがあったため、仕事の休憩をその時間に合わせ、より大きな画面で視聴するためにノートパソコンも持ち込んでいた。しかし、公開は少し遅れ、その間に休憩時間は終ってしまった。そうなれば、後はそれらの動画を視聴することを強い動機づけとして、とにかく午後の仕事を頑張るのみである。ほわどる絡みとなれば、何であれ前向きに考えることができるので素晴らしい。
その後、「サンライズ~君がくれた希望~」、しかも2017年9月3日のSapporo Link's Hallライブアンコールバージョンが脳内でリピート再生される的な一件があったりもして、血潮がたぎった。激しい雨も降ってきて、ずぶ濡れになりながら世田谷の街を自転車でとばし、ようやくたどり着くことができた。
旭川で暮らしている妹から地元のワインが届いたり、ちはるんの双子の妹と同じ名前を持つ妻が上等な洋梨タルトを用意してくれていたのでそれを平らげたりして、いよいよYouTubeでその動画を観られる時間が訪れた。
まずは、「忘れないで」である。
アルバム「WHY@DOLL」に収録された、はーちゃんのソロ曲である。このアルバムをはじめて聴いた頃、私はWHY@DOLLのメンバーの名前も、「忘れないで」がソロ曲であることも知らなかった。
この曲ははじめからかなり好きだった。ディスコとニューミュージックが高いレベルで融合したようなカッコいい曲だと思った。具体的にはパトリーズ・ラッシェン「フォーゲット・ミー・ノッツ(忘れな草)」と石川ひとみ「まちぶせ」という、まったく異なったジャンルながらじつはわりと近い年代にヒットした曲の良い部分にインスパイアされ、さらにビートパンク全盛の1980年代後半に折衷的なポップスの可能性を追求したパール兄弟「TRON岬」のテイストも感じられる。はーちゃんのクールな歌声も、この曲によく合っていると思う。
そして、ある回の「WHY@DOLLのほわどるに恋なのサー」ではじめてパフォーマンスを観たのだが、このぐらいのテンポの曲にしてはかなり振り付けが激しく、そこもカッコいいなと思ったのである。
私がこの曲をライブで観たのは、Sapporo Link's Hallでのワンマンライブの1回きりである。「リクエストアワード」にも票を投じたのだが、残念ながら圏外であった(「Hello Hello Hello」も)。
そして、Sapporo Link's Hallではわりと前の方で観ていたのだが、はーちゃんのパフォーマンスがとにかくカッコよくて、しかも大人の色香すら感じさせる素晴らしいものであった。おそらく地元のファンの方が、「浦谷ってこんなに色っぽかったっけ」と、ため息にも似た感想を漏らしていたのが印象的である。
そんな思いもあって、今回の動画である。すでに数回観ているのだが、感想のようなものを書くにあたって、もう一度観てみる。
いや、この動画が本当に好きだ。もうずっと観ていられる。
都会的でカッコいいダンスナンバーを、すごく綺麗な女性がクールかつセクシーに歌い踊っている、その状態をずっと映しているいるようなタイプの動画である。凝った演出など何もいらない。ただこの曲を聴き、踊る姿をずっと見ていたい。
コンクリートに囲まれたロケ地は札幌バスターミナルのような雰囲気もあるが、おそらく撮影できるほどのスペースは無かったような気もするので、よく分からない。
Sapporo Link's Hallでライブがあった夜、札幌駅近くの居酒屋で何人かのWHY@DOLLファンのみなさんと、楽しい時間を共にした。東京に戻ってからお会いした人もいれば、あれから会えていない人もいる。あの夜の楽しい記憶がよみがえってくる。毎年の北海道への帰省が、今年はWHY@DOLLのおかげでかなり特別なものになった。
はーちゃんはとにかくどこからどう見てもクールビューティーなわけだが、短い期間ながらも少なからず現場に足を運んだりメディアを追いかけたりしていると、わりと繊細な面も見えてきて、そこがまたたまらなく良いのである。そういった魅力はパフォーマンスにもあらわれていて、それが堪能できる素晴らしい動画である。
続いて、「Hello Hello Hello」である。
「WHY@DOLL」のティザー映像を観た時から、とても強く印象に残った曲である。ちはるんのソロ曲で、WHY@DOLLがはじめてカントリー調の楽曲に挑んだ作品でもある。
私はWHY@DOLLの楽曲をはじめて聴いてから1年も経っていないし、現場に行くようになってからはまだ2ヶ月という新規なので、昔のことはよく知らないのだが、札幌で活動していた頃と上京してからではかなり音楽性が変わったようである。特に1stアルバム「Gemini」には、都会的な曲が多数収録されている。
もちろんカッコよくて最高なのだが、北海道出身という部分はかなり薄いように思える。おそらく意図的にそうしている部分もあるような気もするのだが、「WHY@DOLL」では地元を振り返ってみる視点がいくつかの曲にあり、そこが成長のようにも思える。
ちはるんのキャンディーボイスはWHY@DOLLの都会的な曲やサウンドにのることによって、不思議な化学反応を発生させていたのだが、この曲においてはややノスタルジックなコンセプトということもあり、その本来の持ち味であろう癒し効果を存分に発揮している。ただただ聴いていて気持ちのいい歌である。
しかし、ここには地方から夢を追って東京で頑張っているが、すべてが思い通りに上手くいっているわけではないという状況において、カジュアルに決意表明が歌い込まれている、力強い作品でもある。
それは、「私が選んだ場所」「ここにいると決めたの」「明日は明日の風が吹くわ」といった歌詞に象徴されている。
ゆるふわなイメージでありながら、じつはものすごく強い意志と確固とした美意識を持っているのではないかと、ちはるんについては感じている。
動画はイメージ映像となっていて、おそらく北海道で汽車に揺られたり、散歩をしたりしながら、何らかの思いをめぐらせるちはるんの姿が捉えられている。
偶然にも私はWHY@DOLLと同様に、北海道で生まれ育ったが、東京で仕事をし、小さな家庭も持っている。なぜ地元で就職せずに、東京に出てきたかというと、やはり何らかの思いはあったのである。では、それは果たされたのか。仮にずっと北海道で生活していたよりも、いまの方が良かったのか。人生に仮にというのは無いのだが、もしもそれがあると仮定した場合、はっきりと答えることが難しい。
そして、じつはいまもこんなものではないと思っているし、まだ夢は追い続けている。何となく平気でやれていると、改めてこのような問いを突き付けられることはあまり無い。それでも十分ではないことは明らかであり、その状況を打破したいとは思っていた。
そして、WHY@DOLLのライブやイベントに行くようになって、その空間が最高で至福だと思った。だから、私は納得のいかないことは絶対に認めないし、貪欲に理想を追求していくことに決めた。
地元に帰り、汽車やバスに乗ると、懐かしい景色が窓を通り過ぎていく。当時とは風景が変わっているところもあるが、そこがどこかはちゃんと分かっている。懐かしいし、いとおしいと思う。かつてその景色の中にいた頃に思い描いていた未来に対し、現在の自分は一体どうなのだろう。そのようなことを、やはり考える。そうした場合に、足りないのである。だから、それを埋めたいと思う。必死である。
しかし、一方で、そのままでも良いのだというメッセージを感じる部分もある。存在そのものを受け入れてくれるような、そのような優しさがある。それに甘えるぐらいならば、そもそもはじめから外に出なければよかったのだ。しかし、もちろんそれも違う。
というような様々な思いに心は乱れがちなのだが、地元への思いは自分自身の過去と繋がっていて、それを肯定的に捉えることは、魂を救うことでもあるのだろう。
「Hello Hello Hello」の動画は、私にそのような気分をも追体験させてくれる。
そして、もちろんちはるんがただただかわいい。
「忘れないで」と「Hello Hello Hello」はそれぞれまったく異なった音楽性を持ち、それは歌うメンバーの個性ともひじょうにマッチしているようにも思える。
しかし、根底にあるテーマにはわりと共通したものがあるのではないだろうか。
人生とは夢や理想を追い求めることでもあるのだが、その過程で様々な迷いや逡巡が生じることであろう。それらと真剣に対峙し、より良くなろうと努力する意志や行動に美しさや尊さは宿るのであろう。
われわれがアイドルに見いだそうとしているのは、じつはそのようなものなのかもしれない。
「流星を待ちぼうけしても 願いは叶わないんなら 私がそれになってみせるから」
札幌から上京してはじめてのシングル「サンライズ~君がくれた希望~」において、WHY@DOLLはこう歌った。
北海道で撮影されたこの曲のビデオには、これから上京して「眩しすぎる未来」へと向かって行こうとする輝かしい姿が捉えられている。
あれから数年間の歳月が流れ、思い通りに行ったことや行かなかったこと、まったく想定外にうれしかったことや悲しかったことなど、いろいろあったとは思うのだが、いずれにしても、ふたたび札幌で撮影した映像を全国のファンに向けて発表することになった。
これからまたいくつもの夜が過ぎて、同じ数だけの朝を迎えるのであろう。出来ればその先の未来も、一緒に笑顔でいられたらいいなと思う。
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