WHY@DOLL「恋はシュビドゥビドゥバ!」のDance Videoが公開された。 | …

i am so disappointed.

「雪の降る日 何もかもがとてもなつかしくなる」

 

1996年12月21日にリリースされたピチカート・ファイヴの11枚目のシングル、「メッセージ・ソング」の歌詞の一節である。

 

「渋谷系」を象徴するような存在だったといわれている音楽グループ、ピチカート・ファイヴの中心人物、小西康陽は札幌の出身である。私は当時、渋谷区内のマンションでこの曲を聴き、確かにその通りだと思ったのである。

 

東京にも雪は降る。しかし、それは不慮の事態のようなものであるため、普段と同じ靴で通勤する。もちろん滑って転びやすいわけだが、雪国の出身者は絶妙な重心のかけ方をなんとなく体で覚えているため、普段の靴をはいていたとしても、意外と転ばないものである。

 

ピチカート・ファイヴが最初にレコードをリリースした時のレーベルはノン・スタンダードだったが、そのオーナーである細野晴臣は1980年代半ばに大雪で滑って転んで骨を折ったはずである。PRESIDENT B.P.M.こと近田春夫の12インチ・シングル「COME★BACK」は、ずばりそのことをテーマにした曲であった。

 

それはそうとして、雪が降る日にはもちろんすべてが懐かしくなる。こんな気持ちをうまく言えたことはなかったが、このとき、「メッセージ・ソング」を聴いて、大いに共感したことは事実である。そして、おそらくまだ渋谷ONE-OH -NINEにあった頃のHMVあたりで、短冊型のCDシングルを買ったのだろう。

 

「メッセージ・ソング」のリリースから数年後、レディメイド・エンタテインメントで小西康陽の専属マニピュレーターになったのが、ほわどるファミリーには「哲人」と呼び捨てにすることが本人から許可されているという、吉田哲人氏である。

 

これまで、WHY@DOLLに提供した曲は「菫アイオライト」「ラブ・ストーリーは週末に」「恋はシュビドゥビドゥバ!」の3曲なのだが、そのすべてが大人気で、先日のリクエストアワードではすべてが4位以内にランクインするという状態である。中でも最も上位に選ばれたのが、最新アルバム「WHY@DOLL」の10曲目に収録されている「恋はシュビドゥビドゥバ!」であった。

 

モータウンやグループサウンズといった60年代ポップスのエッセンスを抽出し、最新型の日本のポップスとしてアップデートしたかのような、素晴らしい曲である。また、作詞をWHY@DOLLの2人、つまりちはるんこと青木千春とはーちゃんこと浦谷はるなが手がけているのだが、これがまた敢えてアウトオブデイトな表現をするならば胸キュンものであり、それがこの曲の強度をさらに高めているのである。

 

ここまででもさらにすごいのだが、この曲をライブで観ると、その振り付けのキュートさに完全にやられる。しかも、本人たちもかなりノリノリで楽しんでやっている。とにかくもう最高なのである。

 

この曲のライブを観ている時間はまさに至福なのだが、できれなこれをいつでも楽しめないものだろうか。さらに、WHY@DOLLは曲が良いだけではなく、パフォーマンスもひじょうに魅力的なのだが、まだ知らない人たちにこれをアピールする素材というのが少ないというのが現状である。少し前のライブ映像はいくつかあるのだが、いまはその時よりもまたかなり進化しているといえよう。あと、WHY@DOLLは北海道の札幌出身で、よりメジャーになるために数年間、上京したわけだが、それ以降、都会的でかつ良質なポップスをやり続けてきたものの、逆にご当地感が薄れつつある。本人たちはもちろん地元が大好きであり、地元にも根強いファンがいる。これはちょっともったいないのではないか、という気がしていたのである。

 

そして、これらをすべて前向きに解決してくれつつあるコンテンツが公開された。「恋はシュビドゥビドゥバ!(Dance Video)」である。

 

先日、WHY@DOLLは札幌においてワンマンライブを行った。その翌日に、札幌の大通公園で撮影されたもののようである。おそらく予算はそれほど取れなかったのか、映像は1つのカメラで撮影されていて、アップなども一切ない。しかし、あの「恋はシュビドゥビドゥバ!」のキュートな振り付けが、これからはいつでもどこでもパソコンやスマートフォンで堪能できることを考えると、それだけでも大いに感謝しなければいけないと思うのである。

 

平日とはいえ、 白昼の大通公園であの水色と黄色の衣装を着て、ファンに観てもらうものだということで、ステージと同じようにまったく手を抜かず全力でパフォーマンスするWHY@DOLLを観ると、これはもう本当に応援するしかないだろうという気分になってくる。なぜなら、すごく良いからなのだ。

 

北海道出身の私にとっては馴染みのある大通公園、背景にはさっぽろ時計台や丸井今井なども映っている。それなりにいろいろな思い出のあるこの場所で、いま最も好きなポップアクトが最高の曲をパフォーマンスしていて、そのライブを渋谷に観に行ったりもしている。何だかいろいろグッとくるのである。

 

 

 

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