WHY@DOLL2017年度上半期リクエストアワード | …

i am so disapointed.

渋谷GladでのWHY@DOLLレギュラー公演「はる色に染めて」が、今月は9月12日(火)に行われる。19時30分からの二部公演では、「2017年度上半期リクエストアワード」のトップ10が発表されるのだという。

 
ランキングはファンからのメール投票によって決められ、この公演のライブセットリストになるようだ。大好きなWHY@DOLLのライブがカウントダウン番組のような楽しみと同時に味わえる素晴らしい企画である。
 
などと分かったようなことを書いているが、WHY@DOLLのリスナー歴約10ヶ月ぐらい、ファン歴1ヶ月の私がこの企画に参加するのははじめてである。もちろんただライブを観るだけではなく、投票にも参加した方がより楽しめると思うし、そもそもその投票がなければ成り立たない企画である。
 
今回はWHY@DOLLがメジャーデビューを目指して上京して以降の37曲が対象となり、前回5位にランクインした「ふわふわ♪Party」など、札幌を拠点に活動していた頃の曲は対象外となっている。
 
対象となっている37曲のうち34曲は、ミニアルバム「NAMARA!!」、アルバム「Gemini」「WHY@DOLL」、シングル「サンライズ!〜君がくれた希望〜」「菫アイオライト」「キミはSteady」で揃えることができるが、「Blue Summer」「Forever」「Notice Me」の3曲は音源化されていないようだ。しかし、DVD「WHY@DOLLワンマンライブツアー2017WINTER リリースツアーFINAL」にはライブ映像が収録されている。
 
今回はファン歴がきわめて浅い私がこれら37曲を聴いてみて、それぞれの曲に対する印象などをできるだけ手短かにまとめていきたい。
 
・サンライズ!〜君がくれた希望〜
 
2014年1月21日発売の4thシングル。WHY@DOLLが上京してからはじめてのリリースであり、このシングルのセールス結果によって、メジャーデビューが決まることになっていた。曲調は現在のWHY@DOLLとはかなり異なる。実は私はこの曲をずっと聴いていなくて、先日の札幌でのワンマンライブにおける狂熱のアンコールにおいて、はじめて聴いた。ある意味、それは幸運な出会いだったのかもしれない。MVは北海道内で撮影され、メンバーの子供の頃の写真なども出てくる、とても楽しい映像になっている。

 
・初恋☆キラーチューン
 
シングル「サンライズ!〜君がくれた希望〜」のカップリング曲である。やはり現在のWHY@DOLLとはかなり異なった音楽性であり、夏の淡い恋をテーマにした柑橘感溢れる曲となっている。ライブで盛り上がりそうだし、かなり大風呂敷を広げた感のあるタイトルにまったく負けていない。
 
・Magic Motion No.5
 
2014年9月24日発売の、メジャーデビューシングル表題曲であり、後にミニアルバム「NAMARA!!」にも収録された。リリースから3年近くが経った現在も、WHY@DOLLの代表作としてセットリストには欠かせない曲になっているようだ。ライブではイントロ、間奏部分での振りコピがひじょうに盛り上がるのだが、リリース当時に発表されたと思われるMVを観ると、この中ですでに登場する様々な職種の男性キャストたちが振りコピをしていたことが分かる。
 

 

・向日葵

 

シングル「Magic Motion No.5」のカップリング曲で、同シングルの「ちはるん盤」「はーちゃん盤」には、それぞれ別バージョンが収録されている。後にミニアルバム「NAARA!!」にも収録された。どこか懐かしい感じのするロッカバラード調の曲であり、過ぎ去った過去を振り返り、淡い悔恨のようなものを抱きつつも、前に進んでいくのだという切ない思いを歌った曲のようである。1人称は「僕」である。この時点でWHY@DOLLが、いわゆるアイドルグループという枠に留まらない音楽性を目指していたことが何となく窺える曲でもある。

 

・ジェットコースター

 

シングル「Magic Motion No.5」のカップリング曲だが、「通常盤」「武者修行盤」には収録されていない。後にミニアルバム「NAMARA!!」にも収録された。恋のはじまりの不安定な感情をジェットコースターにたとえた、ロック調のナンバー。「です」「ます」調の歌詞と「ハイレゾな恋」「配信可能なハート」「この気持ちを君にRT(リツイート)」などのフレーズがおもしろい。「1、2、3でJUMP!」のところが否応なく盛り上がる。

 

・トラベリンバンド

 

シングル「Magic Motion No.5」の「窪之内英策イラスト盤」「武者修行盤」にのみ収録されている。2013年11月、WHY@DOLLは活動の拠点を札幌から東京に移したのだが、当時、これについてメンバーは拠点が北海道であることに変わりはなく、東京にはメジャーデビューを目指すための武者修行に行く、というようなことをブログに書いていたようだ。晴れてメジャーデビューは実現したのだが、更に上を目指して武者修行はまだ続いていく。そのような内容の歌詞になっている。

 

・ありがとう

 

シングル「Magic Motion No.5」の「武者修行盤」にライブ・バージョンが収録され、後にスタジオバージョンがシングル「曖昧MOON」の「ちはるん盤」「はーちゃん盤」、アルバム「Gemini」にも収録されたようだ。「サンライズ!~君がくれた希望~」と同じく、福岡を拠点とするアイドルグループ、青SHUN学園の学園長兼プロデューサー、SHUNによるバラードである。厳しい武者修行の途中、いつも力をくれたファンへの感謝と、これから先の未来へ向けての決意表明のようなものも含んでいるようだ。

 

・曖昧MOON

 

2015年3月18日に発売されたメジャー2ndシングルの表題曲で、後にアルバム「Gemini」にも収録された。恋のビタースウィート感覚が切ない歌詞とメロディー、ブラスが大活躍するカッコいいアレンジによって見事に表現されている。「目線も声もが 棘で飴で」は名フレーズである。イントロのエレクトリックピアノ、間奏のオルガンなどもひじょうに印象的である。

 

 
・シグナル
 
シングル「曖昧MOON」のカップリングで、後にアルバム「Gemini」にも収録された。ライブやイベントでもよく歌われる人気曲である。季節は春、新しいはじまりを予感させる歌詞がとても爽やかである。「公園通り」「山手線」といった東京を象徴するフレーズも、もはやすっかり馴染んでいる。「待ってますか?「知ってますか?」というそれぞれのソロの後、「そんな気持ちです」でハモるところが最高に好き。
 
・clover
 
2015年12月9日に発売されたシングル表題曲で、アルバム「Gemini」にも収録されている。この曲もライブやイベントでよく歌われている。ギターポップファンの間では、いわゆるパラッパーコーラスといわれるものに対して一定の需要があるのだが、「clover」はWHY@DOLLにおけるパラッパーソングという点でも、個人的にはひじょうに好ましい。また、このパラッパーというか、正確にはパッパラーパーラーラーの部分では、手のひらでパーをつくったりつくらなかったりする振り付けがあるのだが、WHY@DOLLの数ある振りコピの中でも、最もイージーかつゲットハッピーなのではないだろうか。パッパラーのところが好きすぎて字数を費やしてしまったが、歌詞もメロディーもアレンジも最高である。細かく引用することが野暮ったく思えるほど名フレーズの連続なのだが、とにかく「くじけそうな時 この歌を口ずさもう」という歌詞がこの曲の強度を一言で言いあらわしているような気がする。
 

 

・Ringing Bells

 

シングル「clover」のカップリング曲で、アルバム「Gemini」にも収録されたクリスマスソングである。女の子が眩しい太陽で目を覚まし、おしゃれをして恋人と待ち合わせをしている時計台に向かうというようなハッピー(というか、田中康夫「なんとなく、クリスタル」でいうところのハップ)な気分が、スタイリッシュに描かれている。大げさな享楽性でも情緒的なドラマ性でもなく、日常の中のちょっといい感じという加減がWHY@DOLLっぽくて好きである。

 

・ベクトル

 

シングル「clover」カップリングで、アルバム「Gemini」にも収録されている。きわめて望みの薄い片想いについて歌われた、奇跡的な名曲であり、届くべき人たちに届いてもっと評価されることを切に願う。恋とはある意味において病気であり、とどのつまりはどうしようもない。しかし、昭和の文豪、坂口安吾も言っているように、人生においてそれ以外に花はないということも可能である。とにかくそれはもう論理や倫理で割り切れることではないのだが、そのようなどしようもなくたまらない思いについて、切実に歌われている。先日、札幌のワンマンライブにおいて、私の近くで観ていた女性ファンがこの曲に大きく反応していたのが印象的であった。

 

・バニラシェイク

 

2015年2月25日に発売された、ミニアルバム「NAMARA!!」収録曲である。アルバムタイトルは北海道の方言「NAMARA!!」(「すごく」「ひじょうに」「超」みたいな意味)にもかかわらず、インストに続く1曲目の舞台が横浜、鎌倉、江ノ島あたりを舞台にしたこの曲である。休日デートの非日常感、楽しい気分を真空パックしたかのようなおしゃれな曲である。

 

・2月のエピローグ

 

ミニアルバム「NAMARA!!」に収録された、カフェミュージックっぽいおしゃれな曲である。黄昏のサイドシートで「冬の海、見たい」と言われるから少しだけ期待してしまう、と歌うのはちはるんのキャンディーボイスである。かつてのアイドルポップスによくあったような設定だなと懐かしくも思いつつ、そのまま聴いていると、なんと用件は別れ話であった。これがもう一瞬の出来事で、それでも曲調やサウンドは依然、おしゃれなカフェミュージックっぽいやつなのである。

 

・パウダースノウ

 

ミニアルバム「NAMARA!!」に収録された、クリスマスソングである。この曲にもカフェミュージック的なテイストが感じられる。クリスマスソングといえば現在進行形の両想いや片想いの恋愛について歌われている場合が多いが、「パウダースノウ」はもう終ってしまった恋を回想しているというもの。特にアイドルの曲としては、ちょっと斬新ではないだろうか。人は生きていて楽しさの絶頂だったり不幸のどん底だと感じたりしている期間は限られていて、大抵はその間の真ん中あたりをちょっと行ったり来たりしているものであろう。その絶妙に微妙なところを表現するというのはひじょうに難しいような気がするのだが、WHY@DOLLの作品や存在はちょうどその辺りにリーチしてくるのが良いと思うのだ。「来年のこと話せば鬼が笑うけど なんなら笑い死にするほど未来を語ろう!」というところがすごく好き(当初、「なんなら」を「なまら」と空耳していた)。

 

・GAME

 

ちはるんとはーちゃんが恋のライバルになるという設定の曲で、2016年2月10日に発売されたアルバム「Gemini」に収録されている。私はまだライブでこの曲を観たことがないのだが、メンバーから1人のファンに大きな手紙のようなものが渡される場面があるようである。また、ライブ映像に収録されていた、「ちは、ちは、ちは、ちはるー!」「はる、はる、はる、はるなー!」というコールがすごく楽しそうなので、ぜひやってみたい。歌詞に自己紹介的なものが含まれているのだが、ちはるんは「お洒落Ladyのブラウン サラふわ」「大和撫子女子」「癒し」、はーちゃんは「古き良き時代の黒髪」「天真爛漫女子」「笑顔」となっている。

 

・Tactics

 

アルバム「Gemini」収録の恋の駆け引きをテーマにしたアーベインな曲。ダンスもすごくカッコいい。

 

・shu-shu-star

 

アルバム「Gemini」収録。恋する気持ちを流れる星にたとえ、かつ夜の東京を舞台装置としている。「Gemini」収録曲は全体的に都会的なムードが濃厚であり、そこに宇宙的なマイルドなSF感も加わっているような印象である。

 

・セツナSHOOTING STAR

 

これもアルバム「Gemini」収録曲で、「宇宙」「星」「太陽」といったワードが歌詞に頻出しているが、恋愛やアイドルのアナロジーとしても読み解けるようになっている。イントロの効果音も含め、宇宙感がやや強めで盛り上がる。

 

・秒速Party Night

 

アルバム「Gemini」収録曲。昨年、まだWHY@DOLLのメンバーの名前すら知らず、「Gemini」を純粋に音楽アルバムとして楽しんでいた頃から、この曲が大好きだった。ライブやイベントに行くようになって、これがかなりの人気曲だと知り、納得である。シンセサイザーのフェイドインのような感じでイントロがはじまるのだが、これが聴こえただけでその後に待っている祝祭的な時間を期待して気持ちが高まる。「最高な Oh Yes! この瞬間 君がいなくちゃはじまんない! 一緒にいなくちゃ」のところが以前からとにかく大好きだったのだが、ライブではピースサインを大きく頭上にかかげてからのジャンプ、隣のファンと列車のように連なってからの片手ずつ手を振るという流れが、楽しくて仕方がない。

 

・CANDY LOVE

 

アルバム「Gemini」収録曲。60年代のソウル・ミュージックのような楽しく踊れるポップチューン。途中、コール&レスポンスもあって楽しい。WHY@DOLLの音楽の好きなところは、ポップミュージックにの歴史に対するリスペクトがあり、かつそれがただの懐古趣味に陥ることなく、最新型にアップデートされていて、しかもそれを最高にチャーミングな2人が踊り、歌っているところ、つまり最高である。

 

・LOVERS on EARTH

 

アルバム「Gemini」の最後に収録された曲。「70億分の1」の奇跡、それは偶然の運命であるこの惑星(ほし)における出会い、という壮大なスケールを持つバラードである。一般的なラブソングとしても、WHY@DOLLとファンとの関係性としても読み解くことが可能である。

 

・Forever

 

ちはるんのソロ曲で、現在のところ音源化されていないようである。作詞はちはるん本人が行っているが、雪景色を舞台にした少女コミックのような恋愛観が描かれている。ちはるんのナチュラルボーンアイドルとしてのイメージをさらに強化するような作品である。

 

・Notice Me

 

こちらははーちゃんのソロ曲で、やはり現在のところ音源化されていないようだ。そして、作詞ははーちゃん自身によるものである。こちらはより大人っぽい内容で、クールでスタイリッシュなイメージによく合っている。

 

・Blue Summer

 

これはWHY@DOLLのユニットとしての曲だが、音源化はされていないようだ。ライブではペンライトを青にして、ひじょうに盛り上がる。途中、変則的なクラップや連続してジャンプをする箇所もある。

 

・菫アイオライト

 

2016年11月15日発売、T-Palette Recordsに移籍して最初のリリースとなるシングル表題曲にして、アルバム「WHY@DOLL」のオープニングトラックである。私がはじめて聴いたWHY@DOLLの曲だが、とにかくそのカッコよさに打ちのめされた。アイドルポップスもいまやかなり細分化されているが、ダンスミュージックに影響を受けたタイプのものの中では、リリース時点において1つの到達点といっても良いほどの作品ではないか。RHYMESTERの宇多丸氏による雑誌「BUBKA」のアイドルポップス時評的連載「マブ論」において、年間シングル第1位に選ばれていた。当時、少し気になってMVを観たのだが、メンバーの2人が延々と料理をしているような内容で、時々映るダンスシーンもかなりゆるふわなものであったため、そのパフォーマンスの素晴らしさにはまだ気づかないままであった。曲はかなり気に入って、よく聴いていた。ライブでは片手ずつを上から下におろす振り付けと、途中、過去の曲名を織り込んだラップ的なところがすごく好きである。後に作曲の吉田哲人氏が、スティーヴィー・ワンダー「ゴールデン・レディ」に影響を受けた部分があると言っていて、それを知ってからさらに好きになった。

 

 

・あなただけ今晩は

 

シングル「菫アイオライト」のカップリング曲である。ディスコテイストの都会的ですごくカッコいい曲で、コーラス部分も最高にキャッチーである。作詞・作曲は、アルバム「WHY@DOLL」にもひじょうに重要な2曲を提供していた保坂ねこである。

 

・キミはSteady

 

2017年2月28日発売のシングル表題曲で、アルバム「WHY@DOLL」にも収録されている。日本のポップユニット、ONIGAWARAが手がけたひじょうにポップでキャッチーな曲。曲はリリーズされてからずっと聴いていたのだが、リリースイベントではじめてライブを観て、振り付けのかわいさ、特に脚を後に上げるところにかなり感激した。

 

 

・ラブ・ストーリーは週末に

 

シングル「キミはSteady」のカップリング曲で、作詞をWHY@DOLLの2人が手がけている。作曲は「菫アイオライト」と同じ、吉田哲人氏である。メロディー、アレンジがシティポップ感溢れるものになていて、特にイントロのサックスなどはトゥーマッチになりかねないほどなのだが、しっかりWHY@DOLLのポップスになっているのがすごい。

 

・Tokyo Dancing

 

アルバム「WHY@DOLL」には先行シングル「菫アイオライト」「キミはSteady」が1曲目、2曲目として収録されている。アルバムによくあるパターンとして、シングル曲が良かったので買うのだが、他の曲はそれほど良くないという場合がある。昔のアイドルのアルバムなどは、特にそういうパターンが多かったような気がする。「WHY@DOLL」に対してもそのような不安がないわけではなかったが、結論としては捨て曲なしのひじょうに充実したアルバムであった。シングル曲以外で最初に収録されているのが、この「Tokyo Dancing」である。東京の街をダンスフロアに見立てたディスコチューンで、すでにライブの定番曲になりつつある。ライブではファンと一体になった「Wow Wow Wow Wow」の部分がひじょうに盛り上がる。ちはるんが歌う「辛いなら忘れにおいで いつでも笑顔にする」が本当に大好きである。

 

・恋なのかな?

 

アルバム「WHY@DOLL」収録曲の中でも、特に人気の高い1曲であろう。「キミはSteady」と同じく、ONIGAWARAが手がけたポップな1曲である。恋のときめき、切なさがリアルかつヴィヴィッドに表現された歌詞とメロディー、ライブでは指ハートのポーズ、「恋なのさ!」のコール&レスポンスで盛り上がる。また、アイドルポップスらしいところでは、「ばきゅーん」「ずきゅーん」や「好き?」「嫌い?」など、フックもたくさんあって楽しい。

 

・マホウノカガミ

 

アルバム「WHY@DOLL」において、WHY@DOLLはその音楽性の幅を大きく広げたと思うのだが、その要因の1つとしてバンド、CICADAのメンバーである及川層創介の作家としての起用があげられると思う。「トリップ・ホップのようにバンド・サウンドは無機質で、ヴォーカルは温かみのあるバンド」を目指して結成されたというCICADAの音楽性は、オーガニックガールズユニット、WHY@DOLLにうまくハマったような気がする。「マホウノカガミ」は効果音やボーカルの処理なども含め、最新型のポップスとしてひじょうにおもしろく、ライブにおいてはタイトルの通り鏡をモチーフとした振り付けがひじょうに美しい。

 

・忘れないで

 

「WHY@DOLL」は10曲、42分と、CDアルバムとしては収録曲数、分数が少ないような気がしていた。しかし、実際に聴いてみるとその内容はひじょうに充実していて、逆にLPレコード時代のサイズ感が丁度いと思えるようになった。寧ろそれを狙ったのではないかとすら思っていたところ、アナログレコードの発売が発売された。「忘れないで」は、そのB面1曲目に収録されることになる。はーちゃんのソロ曲で、ディスコクラシックとニューミュージックが化学反応を起こしたような素晴らしい曲である。また、この曲はテンポのわりに振り付けがやや激しめなのだが、はーちゃんのパフォーマンスが22歳とは思えぬ色香を放っていて素晴らしい。札幌でのワンマンライブでは、おそらく久しぶりに観た地元のファンから「浦谷ってこんなに色っぽかったっけ」というような、ため息にも似た感想が漏れていたのが印象的である。

 

・Dreamin' Night

 

アルバム「WHY@DOLL」収録曲の中で、メンバーもお気に入りの1曲で、特にはーちゃんは推し曲にあげている。「マホウノカガミ」と同じ、及川創介による作品である。R&Bテイストで、都会の夜をイメージさせる曲である。当初、私はこの曲を都市生活の孤独のようなものを歌ったものだと誤読していたが、恋人との楽しかった1日を思い出し、その余韻に浸っているという内容のようだ。私がリリースイベントのリハーサルにて、はじめてWHY@DOLLのパフォーマンスを観たのが、この曲であった。スタンドマイクを用いたはじめての曲でもあり、大人っぽい振り付けにも注目である。このタイプの曲は、今後、ファン層を広げる上でひじょうに有効に機能しそうな予感がする。

 

・夜を泳いで

 

アルバム「WHY@DOLL」には、5組の作家チームによる曲が2曲ずつ収録されている。「夜を泳いで」は「Tokyo Dancing」と同じ、作詞がWHY@DOLLと同世代の女性シンガーソングライター、仮谷せいら、作曲はバンド、give me walletsのJess & Kenjiである。仮谷せいらは大阪出身ということで、WHY@DOLLと同じく地方から東京に出てきて夢を追いかけているという立場から、歌詞を書いたという。時には地元の大切な人たちに会いに行きたくなるようなこともある、そのような気持ちが「夜を泳いで 君に会いにいくよ今夜 話したいことばかりだよ」という歌詞で表現されている。先日、HMV札幌ステラプレイス店のリリースイベントでは、地元のファンを前にこの曲が最後に歌われたという。翌日には東京に戻らなければならないWHY@DOLLが「行ってきます」と言うと、地元のファンの人たちは「行ってらっしゃい!」と言って送り出したのだという。このことはイベントに参加された地元の方のツイートで知ったのだが、正直にいうと、これを読んで少し泣いた。

 

・Hello Hello Hello

 

「WHY@DOLL」にはちはるんとはーちゃん、それぞれのソロ曲が1曲ずつ収録されている。それぞれタイプがまったく異なり、しかも個性が生かされているこの2曲を作詞・作曲しているのは、保坂ねこである。インターネットで調べてもあまり詳しい情報が出てこないのだが、この方の作品をもっと聴いてみたいという気持ちでいっぱいである。さて、「Hello Hello Hello」はちはるんのソロ曲で、WHY@DOLLにとってはじめてのカントリー調の曲である。ちはるんのキャンディーボイスは本当に素敵で、それが都会的なサウンドにのっているというギャップがなかなか味わい深かったのだが、この曲においてはひじょうに純度の高いヒーリング音源として、効果を発揮している。しかし、歌詞の内容を見ると、地元から都会に出て夢を追いかけている、そして、「ここにいると決めたの」という強い意志を歌っていることに気がつく。

 

・恋はシュビドゥビドゥバ!

 

「WHY@DOLL」の後半、アナログ盤でいうところのB面は、内面的なことを歌った内容の曲が多く、もちろん素晴らしいのだが、やや地味な印象がることも否めない。しかし、アルバムの最後にこの最高に楽しいポップチューンを収録することによって、アルバム全体の印象も、より明るいものになっているのではないだろうか。作詞はWHY@DOLLの2人、つまりちはるんこと青木千春とはーちゃんこと浦谷はるなによる共作である。はじめは別々に書いたようなのだが、作曲の吉田哲人氏がそれを1つにまとめ、さらに足りない部分を書き足すように命じられたのだという。曲調はイントロのスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ「涙のクラウン」をはじめ、モータウンなど60年代のポップスからの影響を感じさせるものである。吉田哲人氏によると、この曲のオファーを受けた頃にかまやつひろしが亡くなり、それをきっかけにザ・スパイダースのレコードを聴き直していて、その中でも「あの時君は若かった」がインスパイア源となったようである。ロボットのようなすごくかわいい振り付けは当初からかなり好評だったが、さらにヤバい設定があるということが後にメンバーから明かされ、また楽しみが深まった。

 

 

以上、37曲の中から5曲を選び、メールで送られた結果を集計したものがランキングとなり、当日のセットリストになるようである。詳細はオフィシャルウェブサイトに載っていて、締め切りは9月10日(日)23時59分だということである。

 

 

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